前原誠司の発言 (本会議)
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○前原誠司君 私は、民主党を代表し、ただいま議題になりました緊急経済対策に関する特別委員会設置に反対の討論を行います。
このたび政府は、あれほど橋本内閣がこだわり長時間を費やして審議を行った財政構造改革法を、半年もたたないうちに再び変更し、総額十六兆円を超える経済対策を行うという決定をいたしました。朝令暮改とはまさにこのことでありますが、私がさらにあきれましたのは、記者会見のときの橋本総理のこの言葉でございました。困難なときに何もしないことの責任の方が重い。確かに日本経済の現状は大変厳しいものがあります。何らかの対策が求められるのは当然であります。
しかし、今の大変な状況をつくり出したのは一体だれなのか、ほかならぬ橋本総理御自身ではないでしょうか。かすかに回復の兆しが見えていた昨年、消費税率の引き上げ、特別減税の打ち切り、医療費の負担増など、国民に社会負担の増加を求める政策を、ほぼ同時期に、しかも一挙に行った結果、経済は再び失速してしまいました。不況の元凶である不良債権処理も、金融システム安定の美名のもとに思い切って行われないばかりか、護送船団方式の復活さながら、銀行に横並びで税金を投入して自己資本率強化を行い、しかし、それが貸し渋り対策に全くと言っていいほどつながっていない。つまり、橋本総理がとってきた政策が、矛盾と失敗の連続であり、その結果、日本を今のようなより困難な状況に追い込んでしまったと断ぜざるを得ません。
このような厳しい状況を生み出した総理が、自分の失政を棚に上げて、今大変なときだから、何もしない責任の方が重いと言われても、全く説得力がありませんし、単なるマッチポンプだと言わざるを得ません。橋本総理がとられるべき行動はただ一つ、今までの失政の責任をとってすぐにおやめになることだと、この際、強く指摘をしておきたいと思います。
この右往左往ぶりは今国会の運営にも如実にあらわれています。一月十二日という通例より随分早い時期に今国会は召集をされましたが、平成九年度の補正予算、平成十年度の本予算、暫定予算、そして今回出てきた補正予算と、一国会で四つもの予算を審議することになりました。本来、いろいろな状況を勘案してベストの本予算をあらかじめつくっておけば一回で済むものを、ころころと政策転換を行い、何度も予算を出してくる。これは前代未聞であり、政府のこの腰の定まらない姿勢に対して猛省を促すものであります。
その結果、国会の日程が極めて窮屈になっております。今回提出される財政構造改革法や補正予算あるいは減税法案は、本来であれば、前の国会で財政構造改革法案を審議した財政構造改革に関する特別委員会を再び設置して十分に議論した上で、引き続き予算委員会を開き補正予算を審議する。さらに、それに基づいて、大蔵委員会、地方行政委員会の現場で、関連する所得税や地方税法などについて議論するというのが当然の筋道であります。しかし、今回、すべてを一まとめにした特別委員会をつくるという提案は、今までの審議の流れを無視し、単に早く通すがための安易な便法にすぎず、到底認めるわけにはまいりません。
六月に減税を実施するためには五月中の減税法案の仕上げというのが政府・自民党の言い分のようであります。私たち民主党は、減税の必要性は従来より主張してきております。恒久化の問題、いわゆるツーリトル・ツーレート、または小出しという観点から、政府案には異議があるものの、減税の必要性と景気対策には与野党を超えて協力すべきものはするという理由から、税法については五月中に議了するという我が党の立場も、議院運営委員会理事会で再三表明してきたところでございます。
にもかかわらず、他の法案も一くくりにし、いわば減税を人質にとって他の法案も早期に成立させる枠組みを、今までの経緯を無視してつくろうとしています。このような悪しき前例を残せば、審議促進のためにはいろいろな法案を寄せ集めて特別委員会をつくれることを国会として認めることになり、現在ある常任委員会の形骸化、ひいては国会審議の形骸化につながり、議会制民主主義を守る立場から、到底認めることができません。(拍手)