太田誠一の発言 (本会議)

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○太田誠一君 私は、自由民主党を代表し、野党提出に係る橋本内閣不信任案に対する反対討論を行います。(拍手)
 この不信任案は、共産主義を標榜する日本共産党と、自由主義を標榜しておられるはずの自由党と、社会主義ではないと思いますが、社会民主主義ですか、民主党の共同提案で出されたわけでございます。まことに支離滅裂、矛盾に満ちた、お互いに恐らく恥ずかしいと思いながら出された不信任案ではないでしょうか。(拍手)
 現在の自由民主党は、チームプレーの政党でございます。一人一人がそれぞれのポジションを担って、全体が連携をして、そのチームワークのよさでもって、今日までさまざまな仕事をこなしてきたわけでございます。橋本総理に対する不信任は、言ってみれば自由民主党の我々一人一人、執行部の末席を汚す私にも不信任案が提案された、このように感ずるのでございます。そのような自分自身の立場として、ここでその主張を申し上げます。
 橋本内閣は、これまでの冷戦後の国際社会に対応して、外交あるいは沖縄が抱える問題の解決、経済面の困難の克服、行政改革を初めとする六つの改革に全力で取り組んできました。
 外交面においては、日本外交の基軸となる日米関係を堅持し強化をするため、既にこの国会でもガイドライン関連法案を提出し、安全保障の面での日米両国の緊密な信頼関係を堅持できる見通しとなりました。日米間の信頼の醸成に全力を注いでいるということでございます。
 日中関係については、日中国交正常化二十五周年に当たる昨年以来、首脳同士の相互訪問を初め、野党の党首も含めさまざまなレベルの政治指導者の間で、すそ野の広い交流が活発化いたしております。まことに温かい、よい雰囲気のもとで、意見の相違は相違として健全な友好関係が構築されつつあります。
 経済危機に見舞われているその他のアジア諸国に対しては、どの国に対しても惜しみない援助を行っているところであります。
 また、ロシアのエリツィン大統領と橋本総理の個人的な信頼関係、これを深めてまいりまして、長年の懸案である北方領土問題を念頭に置いて、二〇〇〇年までに平和条約を締結するよう全力を尽くすと、合意にこぎつけたことは歴史に残る成果であります。ユーラシア外交ともいうべき新たな視野に立った外交を積極果敢に進めておりますこの橋本外交は、高く評価されるものであります。
 今国会においても、国民生活に不可欠な平成九年度の補正予算、平成十年度の暫定予算、平成十年度の本予算、これを矢継ぎ早に成立をさせました。平成十年度の補正予算については、友党の皆様の協力もいただき、会期内の成立を目指そうといたしております。半年間に四回予算案を提案した、こういうことになるわけであります。大変なエネルギーではありませんか。恐らく橋本総理は、自分で自分を褒めてあげたい、こういう御心境ではないかと思いますよ。
 これらの予算のほかに、深刻な金融不安を取り除くために金融システム安定化法案、これを急ピッチで通した。財政構造改革改正案など重要法案も成立をいたしました。また、NPO法、被災者生活再建法など、骨太で前向きな議員立法が数多く見られました。つい最近までの連立与党としての真価が発揮されたものと思います。
 しかし、その中でも特筆されるべきことは、中央省庁再編基本法でございます。これは、一昨年の衆議院選挙直後から橋本内閣が最重要のテーマとして取り組んできたものであります。歴史に残る大変な仕事ではありませんか。この中央省庁再編法案に関連して、口では改革を唱えながら、いざ改革を実行するとなると、圧力団体に屈して先延ばしをしようとするような政党があったことは、まことに残念なことであります。
 今、我が国が直面する最重要課題は、何といっても、我が国経済を回復の軌道に乗せることであります。
 我が党は、昨年金融機関の大型倒産が続いたことに対して、預金者保護と金融システムの安定のために、合わせて三十兆円の公的資金を確保いたしております。わけても、預金者保護のための十兆円の交付国債を措置してこれを裏づけたこと、これによって金融システムの崩壊が食いとめられた、これはだれも否定することのできない実績でございます。
 思い起こせば、二年前に、住専の六千八百五十億、この六千八百五十億を投入するというときに、きょう提案をされました皆様方の中には、座り込みまでして反対をされた方々が多数おられるわけでございます。(発言する者あり)私はおりませんでした。その六千八百五十億は座り込みをしても反対するけれども、十兆円のときは何もしなかった。人間、反省することが大切でございますから、座り込みをしなかったことは、これは褒めてあげるべきだと思いますね。
 そもそもこの経済危機は、バブル崩壊による資産デフレなのであります。人間は誤りを犯すものでございますから、総量規制が長過ぎた、土地課税の強化も長過ぎた、それがこの土地を中心とする資産デフレを深刻なものにしたわけでございます。しかしながら、忘れもいたしませんが、三年前にまだ連立与党の中におられた、きょう不信任案を出された方々は、我々、自由民主党の同僚議員は一致して早くこの土地課税強化をやめるべきだということで大勢の意見が一致しておりましたが、その中で、頑としてこれを受け付けず、土地課税強化を長引かせた中心の人は、たしか菅直人議員であったのではないですかね。自由主義経済の中で、一つの資産、一つの業種だけを標的にしてこれをたたくというのは、社会主義者の発想から出てくるのですよ。
 そういえば、きのうの予算委員会のやりとりも同じでございますけれども、貸し手責任ということをきちんと位置づけるべく、債権償却の手続というものに債権放棄という考え方を導入しよう、これは自由主義の考え方であります。それがわからない、自由主義の考え方がわからない、だから、建設業だけをとらえて、建設業にだけは債権放棄を認めるなというのであります。職業による差別、こういう発想の仕方であります。我々は、自由主義者として堂々と我々の道を歩んでいかなければなりません。(拍手)
 財政構造改革も、財政再建あるいは省庁の再編成、行政改革、財政改革、これをやろうというのは、みんなが言っていたことではありませんか。あなた方も言っていたではありませんか。あるグループは、自民党では財政改革、行政改革ができないだろうということを理由にして、二年前に連立与党を離れていったわけであります。それを本当にやろうとしたらば、むしろ足を引っ張る。
 一昨年の選挙の結果、橋本政権が再度スタートをいたしました。そのときに、橋本政権は、日本丸のかじ取りをゆだねられたのであります。そうであれば、ある方向に進んでいく。しかし、途中で非常の事態があればとどまる、あるいはどこかの港に避難をする、当たり前のことではありませんか。臨機応変にやるということまで含めて、国民からの信頼をいただいているのであります。
 財政改革をあるいは行政改革をやれと言ったり、やり始めるとやめろと言う。政策転換をするとけしからぬと言う。右に進もうとすると左ではないからと言って怒る。左に進もうとすると右ではないと言って怒る。どうしたらいいんですか、これは。答えを聞きたい。自民党のやることはやることなすこと気に入らないと言うのならば、ただの感情論ではありませんか。批判をする側の首尾一貫性は要らないんですか。まことに理不尽な批判だと思います。
 我が国経済は、バブル経済が崩壊したことによる後遺症に見舞われております。戦後最悪の景気低迷の中にあります。

発言情報

speech_id: 114205254X04619980612_008

発言者: 太田誠一

speaker_id: 11263

日付: 1998-06-12

院: 衆議院

会議名: 本会議