伊藤英成の発言 (予算委員会)
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○伊藤(英)委員 今、総理もちょっと言われましたけれども、要するに、アジアの情勢も含めて、いわば自分の予想を超えていた、だから減税をすることにしましたよと。私は経済認識の甘さだと思うのですね。甘さです。
これはタイ・バーツの動きです。タイ・バーツの対ドルレートの動きであります。あっという間に、去年の五月、六月、七月ぐらいからずっとこのように落ちています。これはことしの一月七日が最後ですが、その後の状況、もう皆さん御承知のとおりですね。
これはインドネシアのルピアです。インドネシアのルピア、もちろん、最近もうあっという間にさらにという状況である、御承知のとおり。
これはマレーシア・ドルであります。これももう御承知のとおり。まさにこの半年間、あるいはあっという間であります。
これは日本の円・ドル、日本の円の対ドル相場であります。(発言する者あり)全然安定しておりません。今、アジアに比べれば安定している。
ついでに申し上げます。これは日経平均の状況であります。去年の六月、七月ぐらいから、先ほど総理が幾つかの政策を、あれやりました、これやりましたという話を言われました。実は、日本の株式市場は何をやっても、ちょっと微動はしたかもしれません、しかしそのままどんどんと、市場は結局、評価しませんよ、こういう状況がずっと出ております。こういう状況ですよ。
しかもこれは、実は、何もアジアの国々だけの問題ではなくて、これは日本の経済の状況がこういうものをさらに悪化させているということですね。いわば、日本がアジアの危機の一端を担っているんだよ、このことの重要さを十分に私は認識をしておかないといけないと思います。そして、これが今どんどんまださらに悪化しているのです。
今私は、ただ、幾つかの国を申し上げました。御承知のように、今どういう状況にあるかというと、韓国はもう言うに及ばず、そして、韓国、香港、そしてそれが中国に波及するのではないかということを世界が心配している状況ですよ。そういう中で今日本はどうするかということにあるわけですね。
それで、では今日本はどんなふうになっているのだろうかということを私なりに申し上げますと、今日本の経済とか金融の現状を物語る、あるいはそれを語るキーワードは何かというと、まさに信頼性の欠如。信頼性がないんですね、これは。
例えば、今、日銀の庭先にあるコール市場を見てみましても、翌日物の金利はどんなふうになっているか。これはちょっと前の私の数字でありますが、平均金利でも〇・三三%、最低が〇・〇三、最高一・一%という金利。要するにどういうことかといいますと、いい銀行はただのような金利で借りられるのですが、ちょっと低い銀行は物すごい高い金利でないと日銀の庭先でさえお金は得られないんだよという状況が起こっているということであります。
そしてまた、お金の動きを見ると、文字どおり、もうみんなが承知していますように、安心できるところにしかお金は回りません。郵便貯金とかあるいは東京三菱銀行云々というようなことが新聞に大きく報道されたりする。今そういうところにしか、そしてまた、たんす預金がどんどんふえるとかいう状況なんでしょう。
あるいは、クレジットクランチと言われる問題でもますます深刻化しています。さっき総理は、貸し渋り云々という話がありました。貸し渋りということもある。しかし、今やそんなことじゃなくて、資金の回収です。何千億という単位で回収をさせようというようなことが現実に今起こっているということですよね。あるいは、この間の東食のケースもありました。メーンバンクが頼りにならない。そうすると、準メーンバンク等が今度はざっと手を引くというのが今の状況であるし、それに、さっき申し上げたアジアの状況がますます深刻化している、こういう状況にあるわけであります。こういう危機的な状況が今まさに進行しているんだというふうに認識をしなければいけないと思うのです。
先般、金融機関の不良債権として七十六兆円というのが発表されました。あの数字が正しいとしても、日本のGDP五百兆円余の中で七十六兆円というのがどんなに大きな数字であるかということです。
そういう意味で、景気と株価と金融不安という三つのサイクルの状況を見たときに、今どんなに危機的な状況にあるかというふうに思うわけですが、総理はどう思いますか。