伊吹文明の発言 (労働委員会)

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○伊吹国務大臣 数字上の詳細については後ほど政府委員から答弁をさせますが、まず基本的に、今先生るるお話がございました中で、やはり雇用状況が厳しいという面では私は先生と見解を同じゅういたしております。
 そして短期的には、雇用というのは、やはり景気と申しますか、有効需要を適正に管理することによって経済が順調に動いていく中で維持されていくものでございますから、先ほど消費税の二%引き上げというお話がございました、しかし、これはもうよく御存じのように、直間比率を見直すために、かつて同額の所得税減税を先行させて、そして後でその分の帳じりを合わせるというのを延期をしていたのを実行したということでございますから、私は、真水が幾らであるという議論よりも大切なのは、政府支出あるいは税制、政策金融等を使ってトータルの有効需要をどのように大きくするかということに雇用というものは影響してくると思います。
 そこで、累次の予算及び補正予算を編成しながらやっておりますけれども、根本的には、当委員会でも申し上げましたように、金融デフレというものを払拭しなければ補正予算の効果が上がらない。補正予算は効果がないとは私は申しません。補正予算は効果はございます。しかし、この効果を万全たらしめるためには、今国民が漠として抱いておられる将来に対する不安、雇用に対する不安、年金に対する不安、老人医療費に対する不安、これらを取り除かねばなりません。この不安を最もかき立てているというか、この不安の最も大きな原因になり補正予算を有効需要に結びつけられない原因は、私は金融システムの信認低下、金融デフレにあると思います。
 例えば、御承知のように、消費性向は昨年は七二%から三%ございました。一年たって、今六八しかございません。実質可処分所得が落ちておるのに消費性向が落ちるということは外国ではあり得ないことでございます。生活水準を一定に保とうとすれば、当然消費性向は上がっていきます。これを、消費性向が下がって貯蓄がどんどんふえてもなおかつ生活が十分できる豊かな国日本と考えるのか、将来のために不安があるからやむを得ず貯蓄をしておられると考えるのか。いずれにしろ、三十兆円あるいは十三兆円と申しますか十兆円と申しますか、金融システム安定のための法案と予算措置をせっかくこの国会でやっていただいたわけですから、金融機関が公的責任をはっきりと自覚して、十兆円をできるだけ早く使って貸し渋りという現象を解消することによって企業家のマインドを引き上げる、それによって御家庭の主婦の方とか会社の経理部長の方々が、将来御主人の雇用は大丈夫か、うちの会社の資金繰りは大丈夫かという不安を払拭する、これが私は最大のことだと思っておりますので、決して補正予算は効果がなかったとは私は思いません。
 ただ、この三十兆円というものを使い切った上でないとなかなか効果が出てこないという、今の金融システムのバブル時代からの崩壊と申しますか、金融機関への信認欠如と申しますか、ここに大きな原因があると思っております。
 尾身企画庁長官は桜の花の咲くころということを申しましたが、先生御承知のとおり、大体経済指標というのは二カ月から三カ月おくれてまいりますので、七月ごろには尾身さんの見通しがそう間違ったことにはならないような数字が出てくるのではないかと私自身は考えております。

発言情報

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発言者: 伊吹文明

speaker_id: 3636

日付: 1998-05-06

院: 衆議院

会議名: 労働委員会