伊藤庄平の発言 (労働委員会)
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○伊藤(庄)政府委員 先生御指摘のように、労働基準法という性格上、労働条件のいわば最低基準に係る規定は、使用者に義務を課したり、あるいは労働者の方に権利を与えるという性格のものでございますので、できるだけ法律で具体的な基準を明記していくということが望ましいことはもちろんでございます。私ども、そういった考え方に沿って、この労働基準法というものの改正等を行う場合にも、そういったことを頭に置いて対処をいたしているところでございます。
ただ、労働条件の基準の中には、その内容によりましては、法律で直接規定するには詳細にわたり過ぎるもの、あるいはいろいろ経済環境等労働を取り巻く環境の変化に機動的に対応してその基準というものを変更していく必要があるもの、あるいは画一的に定めることが、業態、業種によっては不都合を生むようなことが出てくるもの、そういったものに限りまして、法律上の委任に基づきまして、労働大臣の告示あるいは命令といったものに具体的な規定の内容を委任しているわけでございます。
例えば、御指摘ございましたように、今回の改正法案では、時間外労働につきまして、その上限基準を新たに法律に基づきまして労働大臣が定め、労使の方にそれを遵守していただく、こうい
う規定をつくったわけでございますが、その時間外労働の上限基準も、法律に基づいて労働大臣が告示で明快な形をつくりまして公表してまいるわけでございます。したがいまして、それに基づく指導も、その上限基準というものに適合するような指導を行うわけでございまして、実際上裁量的余地は全くない、こういう形になるわけでございます。
また、労使委員会というようなものに代表されます、いわば労使の間で話し合うように、こういう部分が多いのではないか、こういう御指摘でございますが、この労使委員会は、裁量労働制の新たなルールとして、厳正な裁量労働制の実施を確保していくために設けた制度でございますが、この裁量労働制の性格上、私ども、例えば中小零細企業におきましては、社長がおり、あるいは部長、課長がいて、その下の方に本当に仕事を全面的に任されているような環境はまずないのではなかろうかというふうなことから、実際上この裁量労働制を、私どももちろん決議の届け出を受けてチェックいたしますが、使い得る企業というのは相当限られているのではなかろうか。したがいまして、私ども、窓口においてその内容、また実際の人事管理、労務管理の実情に合った形で届け出られているかどうか、チェックが十分監督官によって可能ではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
ただ、御理解いただきたいのは、今回、例えば三六協定等、労使で協定を結ぶという従来から労働基準法にある条項につきましても、審議会の意見に従いまして、労働基準法の施行規則で、そういった代表者の選定につきましては、選挙とかそういった民主的な手続によるべきこと、また、よく言われますような、例えば総務課長とかそういったいわば会社側に立つ人が従業員の代表になっているというふうなことを排除するルール等をあわせて整備することも予定しておりまして、そういったことを通じまして、中小企業等におきましてこの労使間の話し合いにゆだねられている部分が変な運用がされないように、私ども、十分留意していく考えでございます。