堂ノ脇光朗の発言 (外交・防衛委員会)
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○参考人(堂ノ脇光朗君) それでは、私から最初に答えさせていただきます。
私、最初に申しましたとおり、NPT体制のもとでは核兵器国と非核兵器国の差別がございまして、その核兵器国である条件というのがNPT条約では一九六七年一月までに核実験を行った国というふうになっているわけです。
これは、その三年前に中国が核実験を行っておりまして、インドの核実験は七四年ですからその後でございます。インドが中国に対して非常に怨念といいましょうか対抗心を燃やしているのは、実はこのためなんですね。そこで線が引かれているからなんです。しかも、そのころは中印戦争というのがございまして、一九六〇年代の初めでございますけれども、インドにとっては中国は現実の脅威だったわけです。
そのインドが悪いと思っている中国が核実験をした。しかも、まだ当時は国連のメンバーでもなかったんです。そういう国がどうして核兵器国になったのか。自分たちの方が当然国際社会の中ではもっと立派な国なんだからという不満があるわけなんです。一九七二年に中国は国連加盟を実現します。それまでは台湾が安保理のメンバーだったんですけれども、まさに中国が安保理のメンバーになって、それでインドの方はだめだという条約であるわけなんですね、このNPT条約は。
ですから、インドの持つ不満は非常によくわかるわけでございますけれども、インドが言っているのは、NPT条約は不平等条約だから書きかえなさいと言っているわけです。そうしなければ入りませんよと。
ということは、もしそのとおりインドが核兵器国であるということを認めてしまいますと、NPT条約は何だったんですかと。ああいうふうに絞ったんだけれども、もう実績をつくったからそれを手直しして入れますか、パキスタンも入れますか、イスラエルも入れますかと。そうすると、NPT条約というのは核兵器国をこれ以上ふやさないためにつくったのに、わざわざ手直しをして入れるのでございましたらばほかの国もまだやっていいわけです。どんどん広がっていってしまう。それは本来の趣旨に反する。
したがって、NPT条約は一切直しません。それから、核実験をやったことに対しては御褒美は出しません。これが、百八十七と申しますともう国連の加盟国ほとんど全部でございまして、あと五、六カ国しか残っておりませんから、そういう流れというのは二十年もかかってつくってきたわけでございまして、それをここで御破算にするというのはやっぱり正しくない、そういうふうに日本政府は考えていると思いますし、世界の大多数も考えております。
それから、今度の安保理の決議を見ましても、NPT条約に入りなさい、条約を直すことなく入りなさいと。それから、インドとパキスタンは実験をやったことによって核兵器国になる資格はありません、そういうようなことをP5でも宣言しておりますし、それから安保理決議でも言っている、そういう実情でございます。
もちろん、それはおかしいじゃないかという御議論もあると思いますけれども、日本政府の立場といいますか、それから核兵器諸国の立場はそうでございまして、こういうときだからこそNPT体制を強化すべきである、そういう発想でございます。私から御説明申し上げるとそういうことになります。