広瀬崇子の発言 (外交・防衛委員会)

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○参考人(広瀬崇子君) 私は、今の広中先生のお考えに割合近いんです。といいますのは、NPT体制に矛盾があるということはみんなわかっていたわけですけれども、このインドとパキスタンの核実験が行われるまで真剣にこういう問題に取り組もうということはなかったわけでして、日本もある程度そういうところがありますし、それから核保有国の方もそういうことがかなりあります。ですから、そういう意味で、必ずしも私は核実験を是認しているわけではないですけれども、結果的にはそういう効果というものはあっただろうというふうに思います。
 それで、先ほど明石さんがおっしゃった、インドが対パキスタンではというのはまさにそのとおりなんですけれども、インドの論理で言いますと、今度は中国に対して対等になれる、こういうものがあったわけです。もともとインドの核開発というのは中国を念頭に置いたものですから、パキスタンは昔から通常兵器だけで核兵器なんかなくても勝てるということをインドは必ず言っていたわけですから、今回の核実験というのは中国と対等になるため。それだったら本当に核バランスで対等になれるかそこまでは考えていないんです。ですから、抑止力として使うためには何も核戦力が対等にならなくてもいい、これがインド人の論理であるわけです。
 それで、NPT体制ということは堅持すべきだということがよく言われるんですけれども、やはりそれはある意味では強者の論理であって、非同盟諸国とかあるいは非保有国、特に発展途上国の間では、このインドの核実験を相当支持している、あるいは喜んでいる国があるんだということは少なくともインド人の間では認識されているということなんです。それが本当かどうかはわかりませんけれども。
 ということは、現状維持をどうするかということではなくて、現在の矛盾というものに対して声が上げられなかった国々の立場というものも日本としては理解していくべきではないか。そういうところに今回の実験をこのままで終わらせないで前向きに生かすという意味があるんではないかと思います。

発言情報

speech_id: 114213949X02119980611_025

発言者: 広瀬崇子

speaker_id: 5319

日付: 1998-06-11

院: 参議院

会議名: 外交・防衛委員会