水野誠一の発言 (経済・産業委員会)

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○水野誠一君 先ほど来、いろいろ各委員から日本の経済が非常に厳しい状況にあるということを御指摘されているわけでありますが、現代というのは大変矛盾性に満ちた時代だ、私はこういうふうにも思っております。
 今我々は、日本の財政破綻、これに対してその再建の道筋である財政構造改革、これを何が何でも進めていかなければいけない、こういうテーマもあるわけですが、しかし現在の経済を見ていくと、その財政再建の前提である一・七五%の経済成長、これもなかなか実現し得ないという大変難しい状況の中で景気に対する経済対策が要求される、こういう矛盾もあるわけであります。
 それから、経済成長、これを促進すれば今話題になっている環境負荷が大きくなる、こういう二律背反問題、これも同時解決していかなければいけないという、政治あるいは行政のかじ取りが大変難しい、また知恵が要求される、こういう時代だというふうに思います。
 このために、私たちは財政構造改革というものをもう一度見直す必要があるのではないか。それは決して所得税減税をするために見直すというのではなくて、財政構造改革というもの自体が本当の構造改革になっているのかどうか。私は、この改革を見たときに、往々にしてリストラであるけれどもリエンジニアリングになっていないんじゃないか。つまり構造改革になっていないんじゃないか。あるいは、社会保障、公共事業、ODAなどにキャップははめているけれども、それぞれの中身のやり方、今、平井委員からODAについてのお話がありましたけれども、そういう質的な見直しというのが本当にできていないんじゃないだろうかということを痛感するわけであります。
 これは、今打ち出されております経済対策として十六兆円の財政出動、このアナウンスメントが出たわけでありますが、それに対して市場がなかなか好感しないという状況からも、従来型のばらまき対策ではだめなんだ、十六兆のお金がさらにその数倍の派生的な経済効果を生むような、そういう知恵のある政策をとっていかなければいけない、そしてまた、産業構造あるいは金融システムというものを健全化し不安解消をしなければ所得税減税をしても効果がない、こういうふうに感じるわけであります。
 その意味で、今回の経済対策というものが、新エネルギーであるとかあるいはベンチャー事業であるとか、二十一世紀の日本産業経済に資するものへのり張りのある投入がなされるということをぜひ期待したいというふうに感じております。
 一方、経済活性化と環境負荷の増大という二律背反の問題もあるわけでありますが、これも知恵をもって解決できないことはないというふうに私は信じております。
 一つの事例として代替フロンの問題、これをきょうは取り上げてみたいと思うんです。
 特定フロンが御存じのようにモントリオール議定書において禁止をされて、代替フロンが登場した。しかし、この代替フロンというのはCO2、炭酸ガスに比べまして数百倍から一万倍の温室効果を持っているという、これはオゾン層は破壊しないけれども温室効果があるという大変な問題を抱えているわけでありまして、今回の京都会議で規制されることになった。
 それに対して、先日の「論壇」で通産省の化学品審議会地球温暖化防止対策部会の部会長である早川豊彦さんが、代替フロンを規制しろという意見もあるけれども、実際問題、代替フロンにかわる新物質を実用化するめどが立たないから自主規制に任せるよりほかないというような趣旨のことを書かれているんです。
 では、本当に代替物質がないのかということで見てまいりますと、実はそうでもないようであります。例えば、炭化水素であるとか二酸化炭素あるいはアンモニアというような物質。さらに言えば、我が国でも福島工業とか松下冷機、これはスーパーマーケットなんかで使います冷蔵ショーケースのメーカーでありますが、こういうところが、例えば松下冷機なんかは冷媒を使わない冷蔵ケースを開発する、あるいは福島工業はアンモニアを利用した冷蔵ケースをつくるというようなこと。しかも、そういうものを開発することによって彼らのマーケットにおけるシェア拡大のチャンスにしたいというようなことを言っているわけでありまして、環境に対する問題意識というのはビジネスと相反するものではなくて、むしろ新たなビジネスチャンスにもなっていく。
 そういうことから考えたときに、今、規制緩和というのが大きな世の中の流れではありますが、新たな環境に対する規制というものを逆に強化することによって新たな事業チャンスを生む、こういうメリットも出てくるのではないかというふうに考えるわけであります。
 この点について通産省のお考えを例えればと思います。

発言情報

speech_id: 114214062X00719980407_196

発言者: 水野誠一

speaker_id: 844

日付: 1998-04-07

院: 参議院

会議名: 経済・産業委員会