吉川芳男の発言 (経済活性化及び中小企業対策に関する特別委員会)

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○吉川芳男君 次に、栃木県宇都宮市において行われました地方公聴会における公述人の意見陳述及び質疑応答について御報告申し上げます。
 派遣委員は、太田理事、平田健二理事、加藤理事、石井委員、小山委員、宮澤委員、谷本委員、山下委員及び私、吉川の九名でございます。
 まず、栃木県中小企業団体中央会会長の橋本吉夫公述人からは、昨今の栃木県の中小企業を取り巻く経済状況は大変厳しいものがある。特に建設、土木はことしの四月以降、公共事業の新規発注は全くないというのが現状である。その他の業種も同様で、自動車の販売、商店街の売り上げ等の減少に伴い、自動車製造下請業者、中小商店業者は大変厳しい経営環境に立たされている。求人倍率もそれに伴い大きく落ち込んでいる。企業の資金調達については、貸し渋りは都市銀行で特に厳しいものとなっている。融資の決定権が支店から本店に移るとともに、赤字企業には貸さないという貸し出し姿勢がうかがえる。貸してもらっても、融資限度額は土地等不動産担保の下落により縮小している。これに比べて地銀、信用金庫は比較的協力的であり、また、商工中金、中小企業金融公庫等政府系金融機関も協力的である旨の公述がなされました。
 次に、中小製造業代表として株式会社湯原製作所代表取締役社長湯原五年公述人からは、自動車関係の下請企業を例にとれば、自動車の販売不振を背景に親会社からの受注条件が厳しいものとなっている。特に本年四月からは受注が激減、また、その受注も価格引き下げ要求、多品種少量要求など条件が厳しくなっており、そのための設備投資負担が大きな経営圧迫要因となっている。そうした状況のもと、比較的競争力のある優良企業と経営難に陥っている企業との二極分化が進んでいる。資金調達については、借り入れのための手続、審査が一層慎重になっており、手続の煩雑さや審査の長期化により、事実上借りられないという事例も生じている。こうした状況は、昨年四月以降の特別減税打ち切り、消費税の引き上げ等に伴う国民負担増にあると考えられる。政府は税制を中心に思い切った景気対策を打ち出してほしい旨の公述がなされました。
 次に、栃木県商店街振興組合連合会理事長琴寄真之介公述人からは、商店街はバブル崩壊後、長期の売り上げ不振に陥っている。原因は、不景気と数次にわたる大店法の緩和、大型店の郊外立地の激化によるものである。特に中心市街地の商店街は、大型店の撤退等により空き店舗化が進み、衰退が著しい。さらに、昨年四月以降の国民負担増が売り上げ減に拍車をかけている旨の公述がなされました。
 次に、日本労働組合総連合会栃木県連合会副会長皆川保雄公述人からは、県下の労働者を取り巻く経済環境は厳しい。賃金は伸び悩み、可処分所得も昨年四月以降の国民負担増で目減りしている。家計消費支出も教育費の負担増が他の消費支出にしわ寄せをしており、これが購買不振につながっている。雇用環境も悪化、特に中高年者の多い下請中小企業労働者の雇用状況は悪化が著しい。親会社からの受注減や製品単価切り下げ要求等を背景として、リストラにさらされている。原因は昨年四月以降の国民負担増にあり、消費税引き下げのほか、恒久的な所得減税、中高年者の雇用促進、雇用関係給付金の充実策を講じてほしい旨の公述がなされました。
 以上、公述人からの意見陳述に関し、主に次のような質疑応答がなされました。
 まず、政府の経済対策に関して、現在の景気状況の評価と先行ぎ見通し、政府の経済対策の評価について質疑がなされたところ、現在の景気は非常に厳しいことを改めて政府も認識してほしい。四月二十四日の十六兆円に上る総合経済対策は一時的効果にすぎない。公共事業の早期前倒しと発注の促進、中小企業に配慮した思い切った経済対策などが必要である。昨年四月の国民負担増は時期を誤ったものであり、特別減税の打ち切りや消費税五%への引き上げが景気悪化を招いた。経済対策としては金融支援よりも仕事をふやす政策を打ち出してほしい旨の答弁がありました。
 また、消費税のあり方についての質疑がなされたところ、消費税自体の中長期的引き上げについては、税制の抜本的改正の」環として検討していく必要性を認めるが、昨年の五%への引き上げ措置は景気に悪影響を与え、早急に撤回すべき旨の答弁がありました。
 また、金融機関の貸し渋りの実態及びその防止策について質疑がなされたところ、赤字企業には貸さないというのが金融機関、特に都市銀行の貸し出し姿勢であり、業績のよい優良企業しか経営資金を借りられないというのが実態である。こうした融資態度は、バブル崩壊後における担保不動産の価値下落に起因するだけでなく、BIS規制や早期是正措置といった金融制度、金融政策上の制約もその一因であると思う旨の答弁がありました。
 また、大型店の出店状況、商店街、中心市街地の具体的な活性化対策、大型店の郊外立地規制の必要性、商店街の今日的役割等について質疑がなされたところ、中心市街地に立地していた大型店は、店舗面積、駐車場等の制約で大型店同士の競争に敗れ撤退する事例が多い。商店街活性化には地元の努力も必要だが、町づくりをリード、推進していく人材の確保、育成がぜひ必要である。また、大型店の郊外立地に対する歯どめはぜひお願いしたい。商店街の今日的役割は決してなくなってはおらず、町の伝統・文化の担い手や人の交流の場としての役割は依然有しているほか、大型店にはない消費サービス提供者として、高齢者など地元消費者のニーズに積極的にこたえていく役割を担っている旨の答弁がありました。
 以上、御報告申し上げます。

発言情報

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発言者: 吉川芳男

speaker_id: 4743

日付: 1998-05-25

院: 参議院

会議名: 経済活性化及び中小企業対策に関する特別委員会