小池俊二の発言 (経済活性化及び中小企業対策に関する特別委員会)
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○参考人(小池俊二君) 小池でございます。
大阪商工会議所の副会頭をしております。きょう意見陳述の機会を与えられたことにつきまして、厚く御礼申し上げる次第でございますが、日本商工会議所におきまして、特に金融システム改革は中小企業経営にとっても大変重要な課題であるという認識から、この六月には金融システム改善問題研究会というものを発足させるわけでございまして、私がその座長になるということからこの機会が与えられたのではないかというふうに思っておるわけでございます。
きょう申し上げることにつきましては、既にお手元に「中小企業の当面の課題」ということで五項目にわたって資料を添付して差し上げてありますので、これをお読みいただければ大体おわかりいただけるかと思います。
きょうは、そういう意味で、時間も九分から始まりましたので十九分には終わりますので、問題点をかいつまんでお話ししたいというふうに思っておるわけでございます。
中小企業にとって景気の回復が最大の願いである、こういうふうに申し上げてよろしいかというふうに思います。景気悪化の長期化が続いている原因は、金融機関の貸し渋りに絞られるというふうに私は思っております。
なぜかといいますと、中小企業の借入依存度は率として五二%に上りまして、金融依存度が非常に高いわけでございます。貸し渋りは中小企業経営の活性化の芽を摘むものでもございます。せっかく公的資金として金融安定化のために三十兆円が用意されているわけでございますから、各金融機関におきましては、自己資本比率の向上はもちろんのことですが、至急に不良債権の徹底的な処理をしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。見たところ非常にだらだらと続いているようでございますので、これではなかなか中小企業金融の活性化が得られないというふうに思っておるわけでございます。
日銀のつい最近の発表によりますと、金融五業態において、四月残高が前年に対して二・五%マイナスと、要するに貸し出しが少なくなっている。それから四月の残高が三月に対して二・一%減っていると。したがって、五業態で五百十六兆円弱貸出残高がございますので、十三兆円が貸し渋りに充てられているというふうに見てもいいんじゃないかというふうに思うわけでございます。
さて、日商では、五百二十一の商工会議所、その中から三百九十一回答が寄せられています。七五%でございますけれども、いずれ一〇〇%回収できると思います。五月十八日から二十一日の結果をまとめております。
当面、四月に対して悪化しているというのが六%、変わらないというのが六一・一%、改善されているというのは五・九%にすぎないわけでございます。特に関東、近畿、中国が悪いわけでございます。どちらかというと、東北、四国、北海道、九州というところが比較的貸し渋りが少ないというふうな報告が来ておるわけでございます。
大商、大阪商工会議所は四万二千の企業を抱えておりますが、二十三支所を持っておりまして、直接にヒアリングを五月十五日から二十日の間にしたところ、今までより厳しくなったというのが五六・三%、変わらないというのが四一・三%、よくなったというのが二・五%ということでございますので、いずれにしても貸し渋りの現況は悪化さえしても変わらないという現状でございます。これが続いていると改善される余地が非常に少ないんじゃないかという不信感が現在中小企業の中にはございます。
それから、特にどこが貸し渋っているかというアンケートでございますけれども、日商の調査では、都市銀行が一九・七%、地方銀行が五六・九%、信用金庫が一三・五%という数字になっております。これは、日商は北海道から沖縄まで抱えておりますので、都市銀行は地方にはございませんので、そういう意味で地方銀行がそういうふうになるのが当然かと思います。
大商では、これはむしろ都会でございますので、調査しますと、九一%は都市銀行、それから三五・四%が地方銀行、信用金庫が五・二%という割合でございまして、都市銀行の貸し渋りが非常に激しいということでございます。
貸し渋りの内容について申し上げますと、融資の拒絶と減額、それから金利の引き上げ、繰り上げ返済の要請、担保、保証人、書類の追加、手形割引の選別、それからマル経ほか信用保証協会等へのあっせんというふうなことでございます。経済論からいいますとそのとおりでございまして理解できますけれども、社会的公正さから見ますと、バブル時代に貸し込んで、一転して返済を強要するということでございますので、中小企業にとってのショックは非常に大きいわけでございます。
全銀協で指示しているとはいえ、現に私自身の経験から見ても、支店の機能は既に麻痺状態でございまして、不全状態でございます。本店へ本店へという、いずれも同じ繰り返しの状況が今もって続いてくることでございますので、さらに徹底して支店権限をふやすか、支店を統合して権限がある、即座に判断のできる環境をつくっていただきたいというふうに考えているわけでございます。
もう既に中小企業では都市銀行ブランドは要らないというふうな考え方に変わりつつございます。過去、手形においては実際は信用金庫から資金調達して都市銀行の手形を使うということでございましたが、もう都市銀行のブランドは通用しない、私はそう考えていいというふうに思っておるわけでございます。
それから、借り入れ困難に対する対応としてどうしたかというと、先ほど古川参考人がおっしゃったように、公的金融機関が大変活躍していただいたわけでございます。もちろん信用保証協会も含めてでございますけれども、そういう意味では商工中金、中小公庫、国民金融公庫、当時は行革の標的になったにもかかわらず、支店長以下、本当にそういう意味では貸し渋りに対して今回大変な対応をしていただいているわけでございます。
それに対して、金融において調達できない部分は有価証券の売却だとか不動産売却、これは大変高い比率がございます。合わせて二五・七%ということでございますし、公的金融機関への依存は二八・五%という数字が出ているわけでございます。直接金融あるいは取引先の借り入れ、要するに取引先から借り入れをするというふうなことは極めて少ないような状況でございます。
したがって、経営上の問題としては、まず中小企業としては設備投資の抑制、これは複数回答でございますが、三五・一%、賃金の抑制三四・七%、従業員のいわばリストラというのが二一・二%、それから諸経費の制限が三六・一%というふうなことで、大変苦しい経営を現に貸し渋りの中で行っているわけでございます。
その中で、政府系金融機関のことにちょっと触れますと、商工中金は昨年に対して、去年の十二月一日からことしの四月三十日までの間でございますけれども、一一七・七%、国民金融公庫は一二五・二%、中小公庫は一三七・五%というふうに貸し出しをふやしているわけなんです。したがって、私どもにとっては政府系金融機関のさらなる充実拡大、こういう時期においてはもう補完というより主役の金融機関でございまして、補完するような状況というよりも、そういう主役に立つような状況に既に来ているというふうに申し上げていいかと思います。
もう時間が来ましたので、最後に要望でございますけれども、すべて政策が決まったら、決めるのにはタイミングよく、スピーディーに、それから実際に行動していただくような、先ほど中小公庫法等の改正でサービス、卸等についての枠が拡大されましたが、四十五年前の中小企業金融公庫法の規定によっているわけでございますから、そういうふうなタイミングのずれというのが大変まずい結果になるというふうに思っています。
以上でございます。