宮澤弘の発言 (行財政改革・税制等に関する特別委員会)

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○宮澤弘君 次に、私は行革の使命と申しますか行革の基本理念、基本方針について伺おうと思ったのでありますけれども、既にただいま総理からのお話の中にそういう点は述べられております。
 私は、行革のまず出発点と申しますか基本は、国の果たすべき機能、先ほど総理もおっしゃいましたけれども、これを徹底的に究明することではなかろうか。そして、これによって官から民へ、中央から地方へという流れができるのであります。そしてさらに、その結果、中央省庁のスリム化と申しますか効率化も実現をされる、これが行革の道行きであり筋道である、私はかねてからそう考えておりました。総理のおっしゃったこともそれに符合をいたすと思います。
 ところで、これまで何回か行政改革の試みがなされたのでありますが、必ずしも予期したような成果が上げられなかった。私は、それは二つ原因があったと思います。
 一つは、実現可能なことが意図されていた。実現可能なことが意図されていたというのは当たり前じゃないか、実現不可能な行革などはあり得ないよとおっしゃるかもしれませんけれども、実現可能という言い方は、霞が関、役人の間では役所がうんと言わなければだめですよ、こういうことに通じているのであります。そういたしますと、役所がうんと言わなければだめな行政改革というのは、要するに行政改革に当たらないと私は思うのでありますが、それが一点であります。
 それからもう一つは、国家機能、国が一体何をなすべきか、これが根本的な検討課題であると思いますけれども、それについての検討が十分になされなかった、私はその二つの点ではなかろうかと思います。
 そこで、それに関連をいたしまして、私は、一昨年でございますが、参議院の本会議で総理に御質問を申し上げましたので、その質問と総理の御答弁の要旨を拾い読みしてここで申し上げてみたいと思います。
 私はこういうことを申しました。
 これまでの行革では、国家機能のあり方の検討が極めて不十分だったと私はかねてから考えておりました。行革の基本は、公の行政として何をなすべきか、また何をなすべきでないかということを検討し、官と民との間の線引きをすることから出発すべきであります。その上で、政府の任務とされることもなるべく地方政府に任せることとし、かくして富より民へ、中央より地方へが行革の二枚看板となるのであります。
 こうして中央政府の行うべき行政の量と質とが定まることによって、それをどのような組織で行うかという省庁の再編成の課題が出てまいります。こういうことを申し上げました。
 それに対しまして、総理は、これも拾い読みをさせていただきますが、
  私は、行政改革会議におきまして、まず二十一世紀における国家機能のあり方、それはいかなるものか、そしてその国家機能のあり方というものの上に立って、それを踏まえた行政機関のあるべき姿について議論をしていく、結論を得たい、そのように考え、一年以内に成案を得たいと委員各位にお願いを申し上げている次第であります。
 まさに、国家あるいは行政が何をなすべきなのか、国家機能という議論が先行しなければなりません。
 そうした点から、現在の政府の業務を当然のものとするのではなく、規制緩和あるいは地方や民間への業務と権限の委譲により行政をスリム化していく、それを土台にして中央省庁の再編に取り組む、そう考えておりまして、
こういう答弁をしておいでになります。つまり、国家機能論ということがまず先行をしなければならない、その上での省庁再編を考えていく、これが筋道ではないかと、すこぶる明快な答弁をしておいでになるのであります。
 そこで、総理に伺いたいのでありますが、これまで足かけ三年の行革の過程がございましたが、国家機能のあり方の検討がこれまで十二分になされたと、こういう認識をお持ちでしょうか、いかがでございましょうか。

発言情報

speech_id: 114214269X00919980602_008

発言者: 宮澤弘

speaker_id: 10563

日付: 1998-06-02

院: 参議院

会議名: 行財政改革・税制等に関する特別委員会