金本良嗣の発言 (行財政機構及び行政監察に関する調査会)
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○参考人(金本良嗣君) 一つ、最初のお話で、便益と費用で評価すると地方にできなくなるんではないかというお話ですが、これはまだ評価の結果が全部出ていないので必ずしも全体を見ているわけではないんですが、今まで少しずつ拝見をさせていただいた限りでは、必ずしもそういうわけではなさそうだということであります。
例えば、道路に関して申しますと、地方でも今まで非常に回り道をしなければならないところに一本トンネルを掘れば時間短縮ができるというふうなところについてはかなりの便益が発生しているというふうなことであります。もう一つは、東京といった大都市圏で本当に便益、費用の比率がいいのかということになりますと、これは急速に状態が悪くなりつつあるということであります。大都市圏では建設コスト、用地費が非常に高くなっておりますので、それを上回る社会的な便益があるかというと、なかなか難しい局面になりつつあります。
若干話はずれるんでありますが、例えば高速道路のシステムについて料金を値上げしなければいけなくなったと。それでしばらく前にいろんなお話がございましたけれども、この一番大きな理由は、第二東名あるいは首都圏の環状道路、こういうものが道路投資の中に組み込まれた途端にそのコストを反映して料金を設定しなきゃいけないということになった。という事情で大都市圏の投資コストが非常に高いということから、地方圏の道路を面倒見るということが難しくなってきたというのが背景にあるというわけでありまして、必ずしも地方が全面的にためて大都市圏にだけ固まるというふうなことではないのではないかと思っております。
もう一つ、PFIとの絡みでございますが、ここでは採算性というものと社会的な便益というものと二つ違うものであるということに御注意いただきたいと思います。
例をとらせていただきますと、例えば日本の道路投資のかなりの部分、もう半分近いんじゃないかと思いますが、それは有料道路でやっております。有料道路の仕組みは、なかなか持ちこたえ切れなくなってはいるんですが、基本的には道路料金で投資コストを賄うという仕組みでやっておりまして、そういう意味では採算性があるところをやっているということになっております。PFIはそれとはまた別の話でありまして、有料道路を民間主体で、企画立案から民間に任せておやりいただくというふうな話であろうかと思います。
それに関して、有料道路は採算性でやっておりますが、採算がとれないものをすべてやめるべきかというと、必ずしもそうではない。そこのところに私が言っております社会的便益と社会的費用の総合評価というのがかかわってくるわけでありまして、利用者あるいは周辺住民の受ける便益というもののすべてが料金に反映されているかというとそうではなくて、そうじゃない部分についてもちゃんと考慮に入れて公共投資を行わなければいけないということであります。
基本的にそこで問題なのは、もし便益が費用よりも低い、全部いろんなものを入れて便益が費用よりも低いというときの問題でありますが、こういうときにどういうふうに考えるかというと、私自身の考え方は、そういうものをつくるかということであります。実際にその地域の住民にとっては、それだけの一億のお金をかけて五千万の便益しかないようなものをつくってもらうよりは、一億丸々いただいた方がいい、減税でもしていただいた方がいいということであるわけです。
それから、公共投資の問題は、大都市圏から地方にお金を渡すという側面も一つはありますが、もう一つは地方がお金を受け取るときにどの形で受け取るのか。役にも立たないものをつくっていただくのか、あるいはもうちょっと役に立つ形でいただくのかということでもあるということだと思います。
とりあえず以上でございます。