保坂三蔵の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)

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○保坂三蔵君 きょうはありがとうございました。
 たまたま私は東京の選挙区ということで、やや東京寄りの発言、お尋ねを申し上げるかもしれませんが、その点は差し引いて聞いていただきたいと思います。
 きょうは先生の貴重なお話を拝聴し、またスライドも見せていただきました。遷都だとか首都機能の移転に反対する多くの都民から見ましても、きょうの先生のお話は、むしろ東京の持っている東京プロブレムといいましょうか、その中で防災問題が非常に危機的な状況にあるという御指摘をいただきまして、これはある意味では我が意を得たりの御指摘でありました。したがって、首都機能の移転よりもむしろ急がれるのは、現在の東京にもっと構造上の問題点に先んじて投資を継続しなくてはいけないのではないだろうか。それは首都機能の要するに政治、経済の分離だとか、あるいは世の中の変化に見合う人心一新だとか、いろいろなきっかけというようないわばソフト上あるいは政策上の選択よりも、物理的に東京を救っておかなければ大変だというような御指摘に先生のお話を聞きました。
 しかし、残念ながら今の中央政府は、例えば財政構造改革の中で公共事業の事業費の配分が、パイが小さくなりますから、それをコストと効果という点から考えれば、大都市なかんずく東京にお金を集中するのは間違いだというような判断を持っております。そういう点では、先生の御意見とは全く違うような気がするのが総論のきょうのお話を聞いた感じでございました。
 質問に入りますけれども、きょうのお話もそうなんですが、例えば首都機能の移転の選定基準九項目のうちに防災上の問題が一つ二つ項目で見れば入っておりましたけれども、これは実際に今回の三地域の絞り込みにどの程度のウエートを占めていたのか。先生は、当然学者としての詳細な御調査の上からの選択に一票を投じられたというか、御意見を投入されたと思うのでございますが、これは何か比較考量できるような数値のものが既にあったのかどうか。なかったとすれば、非常に科学的な論議を尽くしながらむしろエモーショナルな論議をしてしまったのではないだろうか、こういうふうな質問をしたいと思います。
 先生の今の御指摘で言えば、それでは一体、東京の構造上の問題を御指摘がありましたけれども、地域として東京が危ないというのならば、三地域は東京よりも安全なのか。仮に都市が形成されていなければ、一体神戸は東京よりも危なくなかったのか。地震前の神戸ですね。都市の構造は東京よりも過密なところがありました。ですけれども、そうじゃなくて、更地ならば神戸は東京よりも危なくなかったのか。そういうこともあえて伺いたいと思います。地域の安全比較はおやりになったのか、これが一つでございます。
 それから二番目に、先生のお話を伺っておりますと、結局東京の存在の重さというものを御指摘いただきました。マグニチュード七・九にとらわれずに、一朝有事の際のパニックだとか混乱だとか、経済、すべての面での波及効果を大きくするというお話なんですが、ならば、先生の御論議を聞いておりますと、一括遷都というよりも、むしろ今話題になりかけております展都あるいは分都という御論議に近いのではないだろうか。
 展都は、東京に根幹的な首都機能を残して、他の都市が言ってみれば機能の分散を受け持つ、こういうのが展都だと理解しております。また、分都は、実際問題としては国の機能を複数的にいろいろな都市が受け持つ、こういうふうに理解をしております。こういう提案ならば、大反対している東京もあるいは首都圏も比較的理解しやすいのではないかと思うのでございますが、遷都とか全部首都機能の移転、すなわちキャピタルが変わるというような論議でつかめない先生の御指摘というふうに承りましたので、分都、展都の御評価をいただきたいと思います。
 最後でございますけれども、バブル時代に咲いたあだ花を今東京がバブルの影響を最大に受けて、例えばオフィス床の過剰な今の状態だとか、経済が失速してどうしようもない。首都圏は、人口比で言いますと国の三分の一、四千万からあります。これが例えば首都機能の移転によって、財政構造改革のような中長期的な対策としてこれが打たれた。しかし、どちらかというとそのマイナス影響、マイナス効果をもろに受けて東京が衰退するということはむしろ日本の先行きに不安じゃないかと思うんです、これは主観でございますけれども。
 その質問の三番目は、例えば今ドイツがベルリンに首都移転をしているのは、先生がおっしゃっているような問題点、あそこは地震がないのかもしれませんけれども、そういう問題よりも、むしろ政治上あるいは今までの歴史上の選択からあそこに移しているわけですね。ですから、そういう点では、首都機能の移転というのは世界的な潮流で見ればそれぞれの国の事情があって行われるわけでございますから、首都機能の移転をしないというのも選択の中の一つには確立された意見としてあり得るのではないだろうか。こういうふうに考えておりますけれども、先生の御卓見を伺いたいと思います。
 どうも済みません。長くなりました。

発言情報

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発言者: 保坂三蔵

speaker_id: 14736

日付: 1998-03-12

院: 参議院

会議名: 国会等の移転に関する特別委員会