中村英夫の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)

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○参考人(中村英夫君) ありがとうございます。
 東京を安全にするのが大変大事であるというのは、これは今委員がおっしゃるのと全く同意見でございます。これはもう本当に大事で、我々大変危険なところに住んでいるわけであります。しかし、これは何も東京だけではありませんで、大阪を初め多くの日本の大都市は似たような状況にあるということも確かであります。
 今の御質問なんですが、一番のこの前国会等移転審議会の方で出しました三つの地域といいますか、大変広いところでございますが、茨城県から例えば宮城県まで行く二百キロくらいの長さになるんでしょうか、そういうふうな一つの帯状の地域であるとか、あるいは名古屋の近く、あるいは近畿にまで入るところというふうに三つを選んでいるわけでございますが、そういったときに防災上のことは考慮したのかという御質問であります。
 数値的なものはまだ入っておりません。あそこを選んだときの認識というのは、選ぶときは東京よりも少なくとも危険の少ないところをなるべく選ぼうという意識はもちろんございます。しかし、それにしても日本じゅうどこだって地震のないところはないんだということも一つの認識であります。選ぶときにわざわざ東京より危険なところを選ぶなんということはやらないわけですが、だからといって、選んだところは間違いなしに東京より圧倒的に安全だということもありません。ただ、新しい都市は、先ほど言いましたように安全につくることは可能であるというふうに思うわけであります。これは都市の計画に携わり、あるいは土木工学に携わる私から見て、間違いなくそれは言えることだというふうに思っております。
 したがって、三地域は、地域そのものが今既に東京より安全かと言われると何とも言えないわけでありますが、つくった都市が東京の都市よりも安全かというと、これは間違いなく安全であると言えようかと思います。
 二つ目は、分都の方がいいんじゃないかというふうなお話でございました。
 私、きょうは実は防災、特に地震対策というふうな見地からのみお話しいたしました。地震対策という見地からすると、一括遷都も分都も効果は同じであろうと思います。分都した方がかえってやりやすいと思いますし、それから地震に対しては東京と一緒になって壊れることはないということで同じかと思います。
 しかし、もっと別の観点がたくさんあるわけであります。例えば立法、行政、そうした機能の効率化、効率的な運用というふうなことを考えますと、これはいろいろばらばらにあるよりも、同じところにあって立法、行政の中央の機能が集積していた方がはるかに効率が高いと。ただでさえセクショナリズムの大変強い、縦割り行政がすぐ問題になる我が国であります。そういうふうなところですから、これはやはりちょっとでも空間的に近いということも大変大事なことであろうかと思います。場所によっては、フロアが違うだけでも行政が分かれるというふうなことが言われるくらいですから、この空間的な距離というのは私は極めて大事であるというふうに思っております。
 それから三つ目の、ドイツのベルリンの話がございました。
 ベルリンは、あれはたしか最後はボンに残るかベルリンヘ行くかというのを国会で採決されて、ほんのわずかの差でベルリンヘ行くというのが決まったというふうに記憶しております。ただ、ベルリンの場合は今全部集まってもたかだか四百万の都市でございます。東京は、東京都で一千二百万近い、それから今先生おっしゃったように一都三県という首都圏は三千二百万ですから、これはもうベルリンと都市の集積の規模は全くスケールが違うわけであります。
 そんなわけで、ドイツはもともと大変いろんな機能が地方に分散しているところでございます。特に、大企業の本社なんかも、あるものはミュンヘンに、あるものはハンブルクに、あるものはデュッセルドルフにというふうに分かれているわけでありますが、そういった中で、やはりベルリンヘ一つに集めるのがいいというふうに彼らが考えているというのは、先ほど言いましたような集積の効果、効率性というふうなのが大変大事であるということを考えているからにほかならないというふうに私は思っております。

発言情報

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発言者: 中村英夫

speaker_id: 23774

日付: 1998-03-12

院: 参議院

会議名: 国会等の移転に関する特別委員会