中村英夫の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(中村英夫君) 東京は地震が来ないんじゃないか、大変安全じゃないかとおっしゃるわけですが、江本議員が生まれて今まで来られた間は安全であったということだけであって、これから先安全であるかと言われると、これは大変問題が多いのではないかと私は思っております。
 東京にいつ起こるのか。地震というのは、間違いなく言えることはまた来るということだけのようでございます。いつ来るというのはわからない。ただ、それを統計的に六十年だ七十年だというのが出てくるということであって、一九二三年に関東大震災がございました。それからその前が一八五〇何年だと思いますが、黒船の来るころに安政の大地震がございました。そういうふうなことで、大体七十年とかそれくらいの周期で来ているからもうそろそろ危ないんだということであって、これは別に確固とした理論があるわけではないというふうに私は思っております。
 それにしても、私自身は地震学者でも何でもありませんので、地震がいつ起こるか、予知できるかどうかというのをここでお話しするのは控えさせていただきたいと思いますが、私も江本先生もみんな間違いなく思うのは、いつかは来ると。それがきょうかあしたか百年先かわかりませんが、来るということだけであります。
 そうしたときに、やっぱり万が一に来たときの被害が余りにも膨大であると。東京都民の被害は大きいわけですが、それだけでなくて日本全国民にまたがる被害が非常に大きい。そして、日本がせっかく営々として築いてきた地位、これは経済的な地位もありますし、その他もろもろの地位もあるわけですが、それが本当に取り返せないところまで落ち込んでしまうのではないかということを大変恐れるわけであります。そのために東京を強くするというのは先生おっしゃるとおりでありますし、さっき保坂先生もおっしゃったとおりでありますが、私もともかく東京に防災事業をもっと大々的に進めなければいけないというふうに思っております。
 だけれども、先ほども言いましたが、あの地震の後はみんなそういうふうな機運になったんですが、残念ながらここへ来て東京の防災上の事業がどんどん進んでいるとは全く思えないわけであります。首都高速道路とかそうした道路の強化その他はされておりますが、全体の防災事業がそれまでよりも格段に進められたということは全く思えないわけであります。私は、この首都機能移転なんというのは、それを思い切って進める大変大きな契機であろうというふうに思っております。
 したがって、先ほども言いましたが、首都機能を移す事業と一緒に、それと裏腹な関係で、私は東京だけとも思いませんが、特に影響の大きい東京に関して防災事業を徹底的に進める、そのためのお金も注ぎ込まなければいけないというふうに思っております。
 それからもう一つ、さっき関西の方が安全と言われていたというのもそのとおりで、私も実は関西の人間でございますから、そんなわけで東京よりもはるかに向こうは安全だと思っていましたし、東京へ来たときは地震が怖いというふうな意識も持っていたわけですが、そういった意味で関西の方々は、やはりそれに対しての認識が少なかった。それは関西の方々だけでなくて大変多くの、我々も含むと思うんですが、認識が少し甘かったんじゃないかというふうな反省はございます。
 そんなわけで、日本じゅうどこに新首都を持っていっても、そこが絶対安全な場所というのはないというふうに私は思っています。だけれども、安全な都市をつくることはできるというふうに思っているわけであります。
 ひょっとしたら、新首都をつくったとき、新首都の方へ地震が早く来る可能性があります。東京は何も起こらない、東京にいた方がよかったじゃないかと言われるかもしれません。だけれども、そのときも新首都は多分ほとんど大きな被害を受けることがない、そういうようなことはできると思っております。

発言情報

speech_id: 114214298X00319980312_012

発言者: 中村英夫

speaker_id: 23774

日付: 1998-03-12

院: 参議院

会議名: 国会等の移転に関する特別委員会