中村英夫の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)

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○参考人(中村英夫君) 委員のおっしゃるとおりかと思います。
 阪神・淡路のときは、先ほども申しましたが、復興がおくれたと言われました。おくれたものも少なからずあったわけですが、一方で大変遅いとは言われながら、比較的短期間の間にあれだけの法案を成立させ予算を片づけしたわけで、これはやはりいわゆる首都機能が全く混乱することなく進められた結果であろうと思います。
 それでもなおかつあれだけの時間はかかりましたし、そしてその復興に時間がかかったというのが、例えば神戸港なんてその顕著な例ですが、その間に神戸港の貨物はほかの港へ回ってしまう、物によっては韓国の釜山港へまで回るということで、二年近くたって完全復興したときはまだそれが八割しか戻らないというふうな事情にありました、今はもうちょっと戻っているだろうと思いますが。それが結局、神戸港だけでなくて都市神戸の経済的地位、そして社会的地位を随分低下させたということは否めないことだと思います。
 これがもし東京でも同じことが起こると、東京の地位低下というのはもちろん大きいです。ましてや、首都機能と一緒に被災したら、復興というのは混乱の中でなかなか対策なんて立たないわけであります。そして、東京の復興のおくれということは東京の地位低下に物すごくつながる。これは東京の地位低下だけでなくて、神戸の十倍以上の規模の東京でありますから、日本全国の地位の低下につながるわけであります。
 あるいは、首都のそういうふうな行政・立法機能が同時に大きく被災するというふうなことになりますと、それと同時に起こるいろんな金融の混乱、それに伴う不安を静める手だてが非常に少なくなってくるわけであります。ともかく、その混乱を早急に抑えなければいけない。必要なときはモラトリアムを発動しなければいけないかもしれませんし、あるいは日本が外国の市場でもっていろんな資金を調達するというふうなことがまた世界経済に対して大変大きな混乱をもたらすということはあるわけですから、それに対して日本政府が毅然とした態度をとり、意見を明瞭に発信することは大変大事になってくるわけであります。そうしないと、今のこのグローバル化の進んだ世の中で、世界じゅうが同時に金融、経済を初めとして混乱に陥るわけでありますから、これはどうしても避けなければいけないというわけで、これがやはり神戸にはなかったことで、どうしても同時被災を避けなければいけないという最大の理由ではないかと思っています。

発言情報

speech_id: 114214298X00319980312_021

発言者: 中村英夫

speaker_id: 23774

日付: 1998-03-12

院: 参議院

会議名: 国会等の移転に関する特別委員会