上杉光弘の発言 (地方行政・警察委員会)

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○国務大臣(上杉光弘君) 私は、地方の時代とか地方の振興、活性化と言われておりますが、キャッチフレーズだけで地方の振興や活性化ができるものとは思っておりません。私は、一つの哲学が必要である。また、国家社会というものの成り立ちの中で地方が果たしておる役割というものを都市部に住む人たちも含めて正しく理解、評価するという一つのものがなければ、政策を幾らキャッチフレーズ的に、あるいは過疎対策や辺地対策、あるいは農林業、水産業の振興を叫びましてもそうはいかないというのが私の考え方でございます。
 そのことから申し上げますと、我が国には特殊な世界の国々にはない一つの問題があろうかと思うわけでございます。そのような視点から申し上げますと、国土の大宗をなす約七〇%、これは地方でございます。農林水産業が展開する地域であります。しかも、そこに一〇%以下の人、言うなれば四%か五%ぐらいの人たちが七割の国土を保全しておる。それはある意味ではむちゃなことでありまして、どだい八割という国家存立の基盤の大宗をなす国土を国民の人口的に四%か五%の人でやれというのがむちゃだと私は思っておるわけでございます。
 それは何かといえば、その中山間地に住む人たちを中心に、そこに住む人たちは、生活不利益地域、生産活動には極めて不利益地域でございまして、ただ単に自分たちの生活の糧を求めて農林水産物を生産したり加工するというものではない。そういう社会的には農林水産物というものを供給するだけの経済、産業活動の役割だけではない。それを通じて国土保全という、例えば水資源の涵養でありますとか自然環境の維持、あるいは総体的には土砂崩壊等を抑制する一つの機能の維持というものもされておるわけでございまして、大きく言えば国土保全という多面的かつ重要な機能を有しておるわけでございます。そういう一つのものは農林水産業活動という過程の中で得られる大切な役割でございまして、このような実態を踏まえて、例えば地域の振興というものについては方策というものが打ち出されなければならない。私はかねてからそのように思っておりました。
 二つ目には、我が国はある意味では特殊な国でございますが、その中身は準亜熱帯地域でございまして、南から北に細長い列島、島国でございます。火山国でございますから、国土の中には非常に急傾斜の山が多い。急傾斜の山でありますから、その山にはひだがある。その谷のひだには無数の川が存在しておるわけでございます。しかも、火山国であり雨が多いわけですが、覆っている表土は火山国ですから火山灰土、水分を含みますと土砂崩れを起こすという土質を持っておる。しかも、準亜熱帯地域ですから、雨が多いので自然災害が頻発に起こり、全国的には二万二千カ所も危険災害というものが既に指定をされておる。
 それに伴う財政的な負担は極めて大きいものがあるわけでございまして、我が国の長期計画の中に見られる、例えば治山、治水事業、急傾斜地崩壊対策事業、この長期計画三本で二十兆を超えるものが財政的な負担を求められておる。これはどんどん大きくなっておるわけでありまして、そういう行財政の改革のこのときでありますから、そういうものをきちっと縮小していく方向に持っていくことも地方行財政に与えられた私は一つの課題であると、こういう認識に立っておるわけでございまして、そのような意味から今回の方向を打ち出しました。
 国土保全の担い手となるべき農林漁業者め生活の安定を図る事業、あるいは国土保全に対する川上を川下が支える政策的なシステムというものを方向づけする、そして農山漁村の地域の活性化を取り戻す事業等のために、ソフト、ハードを含めまして二千百億の予算措置をいたしたところでございます。
 また一方、地域におきましては、地方の中心市街地、商店街が衰退をいたしておるわけでございまして、空き店舗がふえておる。

発言情報

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発言者: 上杉光弘

speaker_id: 18528

日付: 1998-03-12

院: 参議院

会議名: 地方行政・警察委員会