北岡秀二の発言 (文教・科学委員会)
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○北岡秀二君 去る五月七日、茨城県東海村において、動力炉・核燃料開発事業団東海事業所を視察し、原子力施設の現状を実際に見るとともに、地方公聴会を開催して現地の生の声を聞いてまいりました。派遣委員は、大島委員長、馳理事、小林理事、松理事、長谷川委員、萱野委員、日下部委員、阿部委員、扇委員及び私、北岡の十名であります。
まず、視察の概要について御報告申し上げます。
動燃事業団東海事業所は、使用済み燃料の再処理、プルトニウム燃料の開発や製造、ウラン濃縮技術の開発、高レベル放射性廃棄物の処理貯蔵処分技術の開発、高速増殖炉燃料リサイクル技術の開発などを行っている動燃事業団の中核をなす事業所であります。しかしながら、ウラン廃棄物管理問題に関し科学技術庁長官名の命令により、平成九年十二月二十三日から六カ月間、事業所内のウラン使用施設はその使用が停止された状態であり、その他大半の施設においても検査等により操業は行われておりません。当日は、再処理工場、昨年三月に火災・爆発事故が発生したアスファルト固化処理施設及び雨水等の流入により相当な量の水がたまるという管理状況が問題となった廃棄物屋外貯蔵ピットを視察いたしました。
次に、引き続いて行われました地方公聴会について御報告申し上げます。公聴会は四名の公述人から意見を聴取した後、各委員から質疑が行われました。
まず、公述の要旨を簡単に御報告申し上げます。
最初に、東海村村長村上達也君からは、原子力の開発、事業推進には国民的合意が不可欠であるが、現在は不安感、不信感が支配的となっており、原子力に携わるすべての関係者の意識改革が必要である。動燃改革に対しては、安全確保の強化、社会に開かれた体制の構築が強調され、本社が東海村に移転されることなどから、これを評価している。また、新たな立法措置を含めた原子力防災対策の充実、早急なバックエンド対策、原子炉の運転停止後における新たな地域振興策の拡充を国に要望するなどの意見が述べられました。
次に、東京大学工学系研究科教授宮健三君からは、過去の動燃の事故は不幸であったが、核燃料サイクルの意義に変化はない。動燃改革検討委員会報告書において指摘されている主要な項目については十分納得がいく内容であり、改正法律案は適切に報告内容を反映している。新法人の運営に報告内容が忠実に生かされるならば、我が国として初めて世界に先駆けるような大型プロジェクトを成功させ得ることになるほか、これまでと異なり原子力開発に強く民意が反映されるようになり、従来とは大きく異なった方法で原子力開発が推進されることになる。また、原子力の実態について学校教育において適切に取り扱われる必要があるなどの意見が述べられました。
次に、社団法人茨城県経営者協会会長石川周君からは、原子力エネルギーの安定供給の確立は我が国の将来を左右する重要事項であり、地元住民の間においても原子力に対する評価と信頼は高いと認識している。新法人の経営責任の明確化、業務の重点化、業務運営の透明性及び社会性の確保など、組織運営面からの事故再発防止策の工夫、努力が図られている今回の法律案を高く評価している。動燃の事故は放射性廃棄物処理が原子力エネルギー利用において重要であることを再認識させ、今後、国は放射性廃棄物対策について一層本格的な取り組みが必要であるなどの意見が述べられました。
最後に、前日本原子力研究所研究員青柳長紀君からは、動燃の一連の事故、不祥事はみずからの体質上の欠陥によるとともに、核燃料サイクル政策の欠陥にも起因している。動燃改革のためには現行の原子力開発利用長期計画を早急に見直し、基礎研究の上に立った開発実用化を検討すべきである。安全審査機能の充実のため、科学技術庁、通産省の規制部門と推進部門を分離させ、原子力安全委員会を直接的な規制行政機能を持った第三者的な機関とすべきであるなどの意見が述べられました。
公述人の意見に対し、各委員より、原子力防災における国の役割のあり方と一般防災と区別した新たな立法措置の必要性、開発成果の技術移転における留意点、動燃改革成功のためのポイント、核燃料サイクル技術の実用化の見通し、運営審議会に地元自治体から参画する必要性、動燃事業団に対する住民側の意識変化の有無、放射性廃棄物処理処分に向けた技術的見通し、動燃事業団の情報公開及び広報に対する姿勢、第三者的事故調査の必要性からの原子力安全委員会の独立性の確保、学校教育において原子力教育を行う意義など、多岐にわたる質疑が行われました。
会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。
以上で報告を終わります。