下稲葉耕吉の発言 (法務委員会)

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○国務大臣(下稲葉耕吉君) お答え申し上げます。
 今、委員御指摘のとおりに、世の中は大変激動の時代にあると思います。政治、経済、社会、あらゆる分野においてしかりでございまして、今まで我が国を支えてきたシステムが十分機能を果たしているかどうかというふうな問題もあろうかと思いますし、まさしく委員御指摘のとおりでございます。
 我が国の発展のためには、私といたしましては、さまざまな分野での改革が必要であるというふうに考えますが、その中で法秩序が維持され、国民一人一人の権利が万全に保全されるということが基礎になければ、いろいろな改革はなかなかうまくいかないのではなかろうか、そのように思います。
 片や、激動する世界の中で犯罪も多様化いたしておりますし、また国際化が進んでおります。法秩序を維持するという面からもさまざまな困難がある点は御承知のとおりでございまして、検察体制の整備、法の整備というふうなことも重要な問題でございまして、対処していかなければならないと思います。
 所信表明の中で、法秩序の維持ということを申し上げました。それから国民の権利の保全ということも申し上げましたが、法秩序の維持ということが果たして目的なのかどうかということから突き進めていきますと、私は法秩序の維持の背景というか本当の目的は、やはり国民一人一人の平和と安全、社会の平穏のためにあるべきである。古い言葉で申し上げますと、世のため人のためというのが私どもの基本にあるわけでございましてそれを生かすための一つの手段と言っては言葉は悪いかもしれませんが、そういうようなことのために法秩序の維持ということがあるのではなかろうか。また、そういうような観点から国民の権利の保全というふうなことも考えられるんじゃなかろうか。やはり底辺には、何といっても世の中の平穏を願う多くの国民の期待にこたえるということが、私どもの法秩序の維持、国民一人一人の権利の保全ということが帰着するところではなかろうか、このように考えるわけでございます。
 そういうふうな中で眺めてみますと、犯罪の面にいたしましても大変凶悪化いたしておりますし、それから薬物事犯というものが非常に多発いたしております。また、出入国の面から見ましても、昨年、皆様方の御協力を得まして入管法等の改正をしていただきましたが、例えば蛇頭に代表されるような集団密入国は昨年一年間で千数百名にも上っているわけでございます。そういうふうな国際化、犯罪の多様化に対応する我々の法令、組織の整備というふうなことも大事ではなかろうかと思います。
 また、近年、少年の事件等々も多発いたしておりますし、それに対しまして現在の法制が十分であるのかどうか、対応はどういうふうにすればいいのか、これも広く多くの国民の方々のご意見を踏まえて私どもが対処しなければならないと思います。また、そういうふうなことと関連いたしまして、人権擁護の問題等々もまた十分議論を踏まえて一つ一つ解決していかなければならない問題であろうかと思います。
 こういうようなことを通じて感じますことは、司法というふうなものがどちらかというとやや国民から離れた存在に見られがちでございますけれども、規制緩和が進み自己責任というものが追求されるような世の中になりますと、私は司法というものがもっと国民の身近に感じる、そして親しみやすいものでなければならない、そういうふうなことによって国民のニーズにこたえられる司法ではなかろうか、このようなことを考えております。
 いろいろ申し上げましたけれども、要するに法秩序の維持と国民の権利の保全というふうなものを具体的に詰めていきまして、そういうような中から変えなければいけない、改革しなければならない我々司法の問題もたくさんあろうかと思いますので、これらの点について邁進してまいりたい、このように思います。

発言情報

speech_id: 114215206X00319980312_004

発言者: 下稲葉耕吉

speaker_id: 27169

日付: 1998-03-12

院: 参議院

会議名: 法務委員会