下稲葉耕吉の発言 (法務委員会)

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○国務大臣(下稲葉耕吉君) 委員御指摘のとおりに、現在の少年法は昭和二十三年にいろいろな経緯がありまして制定されました。ちょうど五十年になるわけでございます。時代の変化に応じまして少年法の改正がかつて議論されたこともございました。ちょうど二十年前になりましょうか、というふうなことで法制審から中間答申みたいなものが出たこともございます。しかし、結果としてはなかなかいろいろ議論が調整できませんで、法律の改正に至らないで今日まで来ているわけでございます。
 平成五年の山形のマット事件等々を契機といたしましてこの問題が議論になりました。一昨年の末になりまして、何とか現在の少年法の中でどういうふうな問題があるのか検討しようということで会合が持たれるようになりまして、その会合が一昨年の末から十一回ほど行われた。事実認定の問題が中心であったわけでございますが、一応の内容というものが詰まってまいりまして、ことしの一月から少年法の改正を視野に入れて審議をしようということで、先般まで含めまして二回ほど行われているというのが現状でございます。
 そこで、その内容についてでございますが、今御指摘のとおりに、少年の保護育成を基本とする少年法の考え方というのは、それについては大した御意見というものは、それに異論を唱える大きな意見というのはないわけでございますが、それを基本としながらも、現在の審判のあり方、特に凶悪あるいは重大な事件につきまして家庭裁判所の裁判官がお一人でされるというふうなこと。普通の成人事件で殺人の否認事件等になりますと数年もかかるようなやつも、現在の少年法の規定では実質身柄の拘束は、この前の神戸の事件みたいに鑑定に出せばその期間はまた別といたしまして、四週間しかできない。そういうふうな重大な事件で四週間でいいのかどうか、裁判官が一人でいいのか、あるいは重大な事件については複数がいいんじゃないだろうかというふうな議論。
 それからもう一つ、三番目に議論されておりますのは、御承知のとおりに、家庭裁判所の審判には少年側の付添人ということで弁護人等々の立ち会いは可能でございますが、事件を送りました検察官の立ち会いというのができません。できない中で審判が行われているというふうなことでございますので、重大な事件につきましては、やはり普通の裁判と同じように、いわゆる弁護人とそれから検察官、両方が立ち会ってできるようにできないものなのかどうか。そういうふうな三点につきまして実は最高裁の方からもそのような御提案がございました。
 私どもといたしましては、そういうふうな最高裁の御提案に加えまして、審判の決定が行われますと、少年の方からは上級審に抗告ができるわけでございますけれども、もともと検察官の立ち会いがございませんので、検察官側から抗告ができないというふうな実情があるわけでございます。それらを中心といたしまして、審判の事実解明について現行少年法がいいのかどうかというふうなところで議論しているのが中心でございます。
 ただ、今このような段階で少年の犯罪を見ました場合に、十三歳の少年が殺人事件を起こすとか、あるいは十四歳、十五歳、そういうふうな少年の年齢につきましては現在の少年法がいろいろ規定しておりますし、刑法の規定もございます。だから、私といたしましては、今、三者協議会、三者の話し合いの場ではそういうような状況でございますが、少年法の年齢の問題も避けて通れないだろうというふうなことで、現行のままでいいのかどうかいろいろ検討していただいて、そういうふうな中から結論を出していただけたらと、このように思います。

発言情報

speech_id: 114215206X00319980312_018

発言者: 下稲葉耕吉

speaker_id: 27169

日付: 1998-03-12

院: 参議院

会議名: 法務委員会