寺崎昭久の発言 (本会議)
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○寺崎昭久君 私は、民主党・新緑風会を代表しまして、内閣提出の財政構造改革法の一部を改正する法律案外三案に対して、反対の立場から討論を行います。
昨年春以降、我が国経済は危険な領域に入っていたにもかかわらず、総理は、大蔵省や経済企画庁の作文をうのみにし、景気は回復過程にあると言い続けました。そのような誤った景気認識のもと、不況期には絶対にしてはならない財政再建を強行しようとし、日本経済に致命的な一撃を加えるに至ったのであります。その結果、総理は財政構造改革法成立からわずか半年足らずでその改正を余儀なくされました。
しかし、総理は、財政構造改革法の必要性はいささかも変わることがないと強弁し、みずからの責任を認めないばかりか、政治責任をおそれて何もしないことこそ政治責任だと言い放って開き直り、問題のすりかえをやっております。
私は、まず、このような致命的な政策の失敗を重ねた橋本総理、そして経済、財政の運営について職責を何ら果たすことができなかった松永大蔵大臣、尾身経済企画庁長官らの責任はとりわけ重大であると申し上げざるを得ません。
続いて、財政構造改革法改正案について反対理由を申し述べます。
本法律案は、特例公債発行枠の弾力化を可能とする措置、財政健全化目標の年度の延長及び来年度当初予算における社会保障関係費の量的縮減目標の緩和を内容とするものであります。しかし、財政構造改革法の欠陥は、このような小手先の手直しで解消できる簡単なものでないことは、もはやだれの目にも明らかであります。
昨年、消費税率の引き上げ後の急激な景気の冷え込み、夏以降のアジア金融危機、そして秋には、我が国の大手金融機関の経営破綻などが相次ぐ中で、政府・与党がわずか半年前に全野党の反対を押し切り強行成立させたこの法律は、我が国経済に決定的なダメージを与え、財政構造の改革どころか、デフレ経済への懸念を増幅するという深刻な事態を招いたのであります。
もともと、この法律は、財政構造改革とは名ばかりで、公共事業や社会保障等の今後のあり方について検討もないまま、一律に歳出をカットするという財政構造温存法にすぎず、しかも景気対策で恒久減税を初めとする財政出動が求められているそのときに、特例国債削減目標によって経済運営に手かせ足かせをはめるという、およそ見当違いの悪法であります。
橋本総理は今回、この最小限の法改正によって臨機応変の措置が可能になると表明しておりますが、政府の景気対策の内容は、結局のところ場当たり的な特別減税の積み増しと新社会資本整備とは名ばかりで、土木中心の従来型公共事業の大幅な追加の域を脱しておりません。
私どもは、政府案のような財政構造改革法の本質的問題を残したままの部分的手直しではなく、思い切って二年間程度その施行を停止し、その間に思い切った景気対策を発動するとともに、財政構造改革のあり方について抜本的な見直しを行うべきであると考えております。
次に、所得税及び個人住民税の追加特別減税関連の三法案について反対理由を申し述べます。
橋本総理は、昨年一たん打ち切った所得税等の特別減税を年末になって突然復活すると表明し、今回、また、本年度予算が成立した直後に特別減税の積み増しを発表いたしました。しかし、このように、やらないと言ったり、突然やると言ったり、その場しのぎの特別減税の繰り返しで、どうして国民が財布のひもを緩めるでしょうか。その消費刺激効果は極めて限定的と言わざるを得ません。このことに加え、定額減税の積み増しは、総理自身が愚の骨頂と認めたように、税制のあり方としても極めていびつな姿をもたらしております。
経済の先行きに対する不透明感、国民の不安感を払拭し、経済の回復を確実なものにするためには、このような場当たり的な特別減税ではなく、税率構造を見直し、最高税率を米国、英国並みの水準に引き下げるなどの形で、三兆円規模の所得税恒久減税を実施すべきであります。
また、政府が提案している個人住民税特別減税については、ただでさえ厳しい地方財政を一層圧迫するものであり、地方分権の観点からも極めて問題が大きいものであります。もともと、住民税は、所得税と課税客体が同一であるとはいえ、地方公共団体の行政サービスに対応した応益的課税の性格を持つものであり、所得税と横並びで減税を実施しなければならないいわれは何らありません。景気対策のための所得減税は、国税である所得税でのみ実施すべきものと考えます。
以上述べました理由から、民主党・新緑風会としては、四案とも反対であることを重ねて表明し、討論を終わります。(拍手)