小渕恵三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小渕恵三君) 伊藤英成議員にお答え申し上げます。
内外の報道、世論調査等に引用されております本内閣の評価についてのお尋ねがございました。
大変厳しい船出になりましたこと、私自身も十分承知をいたしております。私は、そうした中にあって、改めて捨て身の姿勢でこの困難に当たり、懸案の課題にこたえていくことがこうした国民の批判にこたえるゆえんであろうと考えまして、全力を挙げて努力をいたしていきたいと考えております。(拍手)
そのため、国民を代表する国会での御議論や、世論調査等に示された国民のさまざまな声をしっかり、かつ謙虚に受けとめ、強い政治的リーダーシップのもとで、経済再生を初めとする諸課題につきまして、全力で取り組む覚悟であります。迅速、果断に政策を実行していくことにより、国民の皆さんの御支持と御支援を得たいと考えております。
次に、この内閣の組閣や不良債権処理のあり方に触れつつ、経済再生に関するリーダーシップについてお尋ねもございました。
私は、この内閣を経済再生内閣と位置づけ、内閣の組閣に当たりましては、宮澤大蔵大臣や堺屋経済企画庁長官、与謝野通産大臣などの起用を初めとして、経済再生に向けた強力な布陣をするとともに、所信表明において、喫緊の課題である不良債権の抜本的な処理を初めとし、財政、税制等あらゆる施策を総動員することにより、一両年のうちに我が国経済を回復軌道に乗せるよう、内閣の命運をかけて全力で尽くす覚悟であることを明らかにしたところであります。
この内閣発足後、十日余りでございますが、既に迅速、果断に政策を決断、実行してきているところでありますが、さらに万全の施策を講じてまいる所存でございます。
財革法導入など、昨年から今年にかけましての経済、財政、金融政策についてのお尋ねがございましたが、二十一世紀の我が国経済の活性化に資するため、経済構造改革を推進しつつ、内外の経済金融情勢に応じ、財政、金融両面にわたる適切な措置を講じてきたところでございます。
しかしながら、昨年秋以降、金融システムに対する信認の低下やアジア通貨、経済危機など、内外の悪条件の影響が予想を上回るものであったため、我が国経済は極めて深刻な状況となっており、現内閣として、まず日本経済再生に向けての諸施策をスピーディーに実施し、一両年のうちにぜひ回復軌道に経済を乗せていきたいと考えております。
金融機関の不良債権処理についてのお尋ねでございますが、政府として、これまで、その時々の経済状況に応じて適切な経済対策を講ずるとともに、金融機関に対し、不良債権の早期処理の努力と情報開示の拡充を促してきたところでありますが、今後とも、金融行政の遂行に際しては、一層の透明性の向上を図り、不良債権問題の解決に全力を尽くしてまいります。
不良債権処理策についてお尋ねでございますが、公的資金による金融機関の自己資本充実策は、我が国金融の危機的状況に対処し、金融システムに対する内外の信頼を確保し、その安定化を図るための緊急措置として行われたものであり、破綻のおそれのある金融機関の救済を目的としたものではありません。また、その経営責任につきましては、破綻金融機関と同列に論じるべきではないと考えております。
金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律についてのお尋ねでありますが、本法律は、個別金融機関の救済を目的としたものでなく、我が国金融の危機的な状況に対処するための緊急措置であり、廃止する考えはありません。
ブリッジバンク法案に関連しての金融再生委員会についてのお尋ねでございますが、本年六月二十二日に実施した金融行政機構改革におきまして、民間金融機関等に対する検査監督権限は大蔵省から分離され、内閣総理大臣及び内閣総理大臣からその権限を委任された金融監督庁長官が所管するとされたところであります。このような体制のもと、適切に破綻処理に当たっていくことが適当であると考えております。
銀行破綻の際の株主責任についてでございますが、金融管理人による管理が行われる銀行におきましては、その株主による損失負担という原則が貫かれることとなります。また、破綻した銀行の経営者につきましては、その退任及び民事、刑事上の厳格な責任追及という原則が貫かれるとともに、その業務執行権等は金融管理人に専属することとなります。従業員については、破綻した銀行の状況に照らして適切と認められる給与が支払われることとなると思います。
不動産関連権利等調整委員会につきましては、本委員会は、不動産の処分を通じての企業の再建等による不良債権処理のため、関係者間の公正、妥当な合意を形成するよう、調停等を集中的に行うべく設置するものでございます。お尋ねの公正の判断は、合意内容の経済合理性等に基づくもので、債務者である企業の業種や規模等によるものではありません。
民主党の提案に耳を傾けるべきであるとの御指摘でありますが、今般取りまとめた金融再生トータルプランの実施は、我が国経済の喫緊の課題である不良債権問題を解決するため不可欠のものであり、その関連法案を早期に成立させることが必要であります。野党に対しましても、その提案に耳を傾けながら、関連法案の早期成立に向けまして、今後とも理解と協力を求めてまいりたいと考えておりますので、御協力もお願いいたしたいと思います。
税制改正についての御質問でありますが、今回の六兆円を相当程度上回る減税は、我が国の将来を見据えたより望ましい制度の構築に向け、抜本的な税制の見直しを展望しつつ、厳しい景気の現状に最大限配慮するという理念のもとで実施するものであります。
所得課税の最高税率の引き下げについてお尋ねがありましたが、個人所得課税につきましては、抜本的な見直しを展望しつつ、国民の意欲を引き出す観点から、最高税率を五〇%に引き下げることといたしております。改正の具体的内容につきましては、政府及び党の税制調査会における幅広い検討の結果を踏まえて、最終的に私が決断してまいりたいと考えております。
大競争時代の国家像についてお尋ねがございました。
国際化と情報技術革新が進む中で、経済社会のさまざまな分野で迅速な判断が必要となっており、日本の従来の仕組みが必ずしも機能しなくなってきた面があります。こうした中、私は、情報化や制度の国際的な調和を図るとともに、公正な競争のためのルールの形成や情報の透明性の向上などにも取り組むことにより、創意工夫を発揮できる活力ある社会の実現に向かって努力をいたしてまいりたいと思います。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁願います。(拍手)
〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕