小渕恵三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小渕恵三君) 自由党小沢議員の、党としての御主張を拝聴いたしました。私に対しましては、見解を述べよということでございますが、改めて、それぞれの諸点につきまして、考え方を申し述べさせていただきたいと思います。
その前に、個人としてということでございましたが、私の総理就任に際しまして、お祝いの言葉を述べられました。率直に、長い間政治行動もともにしてまいりました党首でございますので、ありがたくちょうだいをいたした次第でございます。
ただ、公の立場で申し上げますれば、私は、今こうしたお祝いをお受けするような気持ちになれないわけでございまして、現下、与えられた私に対する責任は、この難しい時局に際して、困難な諸問題を全力を挙げて解決すること、ひたすらこのことでございますので、ぜひ、そのお気持ちはありがたくお受けしたいと思います。(拍手)
解散・総選挙についてのお尋ねでございましたが、私は、まず基本的認識として、解散権が総理に与えられた最大の権限であると理解しております。したがいまして、政治的な決断を行わなければならないときには解散を断行し、国民の信を問うことは当然であると考えております。
ただ、これは、解散を今しないことが憲政の常道でないというお考えのようでございますが、過ぐる参議院の選挙につきましては、私ども、その国民の与えられた結果については真摯に受けとめなければならないとは思いますが、私は、この問題につきましては、やはりこれらに対する責任を十分果たすことが現在の私に与えられた任務であると考えておりまして、現時点におきましては、解散をするような考え方は有しておりません。(拍手)
公共事業を中心とする補正予算の編成が無意味ではないかという御意見をいただきました。
平成十一年度に向け切れ目なく施策を実行すべく、公共投資の追加を含めた事業規模十兆円を超える第二次補正予算を編成することが、減税その他の措置と相まって、消費者や企業マインドを高め、景気回復には効果が必ずあるもの、そう考えておりまして、これを実行いたしてまいりたいと考えております。
消費税の減税についての御主張もございました。
消費税五%の引き上げを含む税制改正は、少子・高齢化の進展という我が国の構造変化に税制面から対応するものでありまして、我が国の将来にとって極めて重要な改革であったと考えております。したがって、現在、消費税の引き下げは考えておりません。
今回の個人所得課税の減税についての御意見もございましたが、今回の改正は、抜本的な見直しを展望しつつ、国民の意欲を引き出す観点から、最高税率を五〇%に引き下げることといたしております。
今後、さらに我が国の将来を見据えたより望ましい制度の構築に向けて、幅広い論点に立ち、腰を据えて検討していく必要があると考えております。こうした点につきまして、政府及び党の税制調査会においても引き続き検討していただきたいと考えております。
法人課税の実効税率を国際水準並みに引き下げるべきとの御意見をいただきましたが、我が国企業が国際社会の中で十分競争力を発揮できるよう、法人課税の実効税率を四〇%程度に引き下げることといたしております。
また、連結納税制度につきましては、引き続き検討を深めていく必要がある課題であると考えております。
いずれにいたしましても、自由党から減税につきましていろいろと御主張をちょうだいいたしましたが、私ども現内閣といたしましては、所信表明でも申し上げましたように、所得税並びに法人課税につきまして諸外国並みに引き下げる、このことをもっても大変な大きな決断でございまして、まずはこのことを実行させていただきたい、このように考えておる次第でございます。
減税財源は、国、地方の歳出削減により捻出すべきであるという御意見をいただきましたが、もちろん、こうした歳出削減につきましては、政府としても徹底的に考えていかなければならない問題と考えており、経費の節減、国有財産の処分などを進めながらこれを実行していきたいと思っておりますが、当面は赤字国債を充てることといたさなければならないと考えております。長期的には、今後の経済の活性化の状況、行財政改革の推進等と関連づけて考えていくべきものと考えております。
次に、地方分権に関連をいたしまして、国からの補助金を廃止し一括交付方式に改めるべきだとの御指摘がありましたが、地方分権の推進に当たりましては、地方の自主性を高めるため、国と地方の役割分担を踏まえ、国庫補助負担金の整理合理化や事務権限の移譲などに応じ、地方税財源の充実確保を図ることが重要だと考えております。
今後、地方分権推進計画や中央省庁改革基本法を踏まえ、公共事業に関し、できる限り、個別の補助金にかえて、適切な目的を付した統合的な補助金を交付し、地方公共団体に裁量的に施行させるなど、補助金の整理合理化を図り、地方分権を積極的に推進していくことといたしておるところでございます。
金融機関や不良債権に関しての御意見もいただきました。
今般の金融再生トータルプランは、不良債権処理のため不可欠なものであると考えております。また、金融機関の破綻処理に当たりましては、これまでも、預金者保護、信用秩序の維持を基本としつつ、破綻金融機関を存続させない、経営者の厳格な責任追及を行う等の方針に従い、一貫して対応を行ってきたところであり、決して金融機関の救済のために行ったわけではありません。
次に、自立心を持った国民を育成することが必要であるとの御指摘でございます。
本件は、言うまでもありませんが、教育基本法は、教育は、人格の完成を目指し、自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行うことと定めております。この精神を踏まえ、豊かな人間性を備えた子供たちの育成を図るため、心の教育の推進や道徳教育の充実など、教育改革に最善を尽くしてまいりたいと思います。
と同時に、この教育によりまして、日本国民、自己責任の世界に入ってまいりました我が国といたしましては、おのおのみずからの責任を自分の責任として対処しなければならない世に合う政策をとっていかなければならないと考えております。
消費税を福祉のための特定財源とするとの御意見もございました。
お聞きをいたしておりまして、消費税を三%に引き下げた上で、こうした福祉のみを目的とした財源としてこれが足り得るものかどうか、この点も極めて困難ではなかろうかというふうに考えております。かつて細川内閣のときに七%の福祉目的税が主張されましたけれども、結果的に国民の理解と協力は得られなかったことを考えますと、なかなか困難な問題ではなかろうかと思っております。
財政の一般論といたしまして、目的税的な仕組みは、財政を硬直化させる傾向を持つことから好ましくないこと、消費税と社会保障経費との間に直接的な受益と負担の密接な関係を見出せないこと、福祉が税収によって逆に制約を受けるのではないかとの懸念の問題があることを踏まえて、慎重に考えるべきものと考えております。
次に、安全保障の問題につきましてでありますが、我が国は、従来より日本国憲法のもと専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないとの基本理念に従い、日米安保体制を堅持し、節度ある防衛力の整備に努めるとともに、我が国を取り巻く国際環境の安定を確保するため外交努力を行うことを安全保障政策の基本として、今後ともこれを堅持していく方針であります。
戦後五十三年、自由民主党の政府、とってまいりました安全保障政策によりまして今日のこの平和な日本があることを考えますと、この方針は決して誤りのなかったものと我々は確信をいたしておるところでございます。
自衛隊による武力行使等に関する御主張につきましては、政府といたしましては、従来から、憲法九条において認められる自衛権の発動としての武力の行使は、我が国に対する急迫不正の侵害があること、これを排除するため他の適当な手段がないこと、必要最小限度の実力行使にとどまるべきことという三要件に該当する場合に限られておると解しております。
日米安保体制に関する御意見もいただきましたが、日米安保体制は、我が国の安全の確保及びアジア太平洋地域の平和と安定に不可欠であります。安保条約上の義務の履行を初め、今後とも日米安保体制の信頼性の強化に努力するとともに、防衛大綱及び中期防に基づき、適切な防衛力の整備に引き続き努めてまいります。
国連平和活動への参加についてでございますが、国連平和活動の内容が必ずしも明確ではございませんが、我が国として、国連を中心とした国際平和のための努力に対し積極的に寄与することが必要であると考えております。今後とも、憲法が禁ずる武力の行使または武力による威嚇に当たらない範囲内で、国連平和維持活動等には積極的に参加いたしてまいります。
政府委員制度を廃止すべしとの御主張でございました。
政府委員は、国会法に基づきまして、国務大臣を補佐する目的で両議院の議長の承認を得て任命しているものであり、現在の委員会の審査方式を前提とすれば、ある程度の任命はやむを得ないと認識いたしております。委員会を議員同士の議論の場とするという問題につきましては、各党各会派間で十分御議論いただきたいと考えております。
なお、大臣を補佐する副大臣、政務次官制度の導入につきましての御主張もございました。
これまでも、政務次官制度により、より積極的に活用する観点から、閣僚経験者を政務次官に充てるなど取り組みを行っておるところでございますが、さらに本年五月には、国会答弁、国際会議等における政務次官の積極的な活用を初めとする政務次官の機能強化のための措置を講じておるところでございます。
なお、副大臣制度につきましては、立法府と行政府との関係、政治と行政との関係、行政の中立性の要請等に十分配意しながら検討されるべきものと考えております。
中央省庁等の改革は小さな政府の実現につながらないとの御意見でございますが、政府は、中央省庁等改革基本法に基づき、二十一世紀に向けた新しい行政システムを確立するため、内閣機能の強化、新たな省庁体制の実現等を内容とする所要の法案の準備を進めるとともに、独立行政法人化等や業務の徹底した見直し、規制緩和や地方分権の推進を通じ、中央省庁のスリム化の徹底を図ってまいりたいと思います。(拍手)
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〔議長退席、副議長着席〕