小渕恵三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小渕恵三君) 土井たか子議員にお答えいたします。
 まず、政治献金についてのお尋ねでございましたが、政治活動に関する寄附につきまして、特定分野、業界を対象とした規制は定められておりませんが、自由民主党は、住専問題等により、都銀、地銀等からの献金を自粛していたところであり、先般、改めて、金融システムの安定のため公的資金が投入されることにかんがみ、過去における借入金の返済に充当するものを除き、銀行業界からの政治献金を自粛することといたしました。
 また、企業、労働組合等の団体献金につきましては、平成六年の政治改革における政治資金規正法の改正により規制が強化され、さらに、改正法附則により、施行後五年を経過した場合には、団体献金のうち、資金管理団体に対するものについては禁止する措置を講ずるとともに、政党及び政治資金団体に対するものについては、政治資金の個人による拠出の状況を踏まえ、政党財政の状況を勘案して、そのあり方の見直しを行うものとされているところでございます。
 この問題につきましては、自社さきがけの間で真剣に検討が重ねられてきましたが、結論は得られませんでした。各党会派におきまして十分御論議をいただくべき問題と考えております。
 金融機関の不良債権の公表についてお尋ねですが、本年三月期から、全国銀行については米国のSEC基準と同様の基準によって不良債権の情報開示が既に行われておるところであります。また、来年三月期からは、全金融機関について、これを連結ベースにより罰則つきで義務化することとしており、これにより、不良債権の開示制度は国際的に遜色のない水準のものとなると考えております。
 不良債権を抱える金融機関の経営者の経営責任についてお尋ねがございましたが、その責任は、まず何よりも経営者みずからが判断し、さらには株主等が追及していくべきものと考えます。もちろん、金融機関の破綻処理に当たって、経営者の退任及び民事、刑事上の厳格な責任追及という原則は、今後とも貫く必要があります。
 今回の個人所得課税の減税についてお尋ねですが、今回の改正による個人所得課税の減税規模は四兆円を目途といたしております。減税方式といたしまして、最高税率の引き下げに加えて、期限の定めのない定率減税を組み合わせるとの意見が有力であると承知いたしております。
 また、課税最低限は引き下げる環境にないと考えております。
 なお、税制改正の詳細につきましては、政府及び党の税制調査会における幅広い検討の結果を踏まえて、決断をいたしてまいりたいと思っております。
 所得税の累進税率についてでございますが、今回、国民の意欲を引き出す観点から、最高税率の引き下げを行うことといたしておりますが、所得再分配機能は所得税における重要な機能であり、今後とも維持すべきものと考えております。
 歳出を医療、福祉、教育にシフトすべきではないかとの御指摘でございますが、政府としては、これまでも医療、福祉、教育の分野に適切な施策を講じてきたところであります。先般の総合経済対策、補正予算におきましても、福祉、医療、教育に対し、事業規模で一兆円に上る重点的な配分を行っており、今後とも適切な施策の実施に努めてまいる所存でございます。
 年金についてのお尋ねでございました。
 基礎年金の国庫負担の引き上げについて、前回改正時におきまして、財源を確保しつつ検討を加えるとされておりますが、莫大な財源を必要とすることから、現下の厳しい財政状況にかんがみ、国庫負担の引き上げを行うことは困難であると考えております。
 財政構造改革の凍結のための法案を今国会に提出すべきとの御意見でございますが、財政構造改革を推進するという基本的な考え方は守りつつも、まずは景気の回復に全力を尽くすため、財政構造改革法は、当面、これを凍結することといたしております。
 財政構造改革法の凍結の最終内容は、予算編成過程における景気回復のための税制改正を含めた、具体的施策の内容等の議論を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
 次に、外交問題でございますが、ミャンマー情勢についてお尋ねがございました。
 我が国としても、現状を懸念しておりまして、状況の改善には、同国政府、スー・チー女史を含むNLDとの対話が重要であると認識をいたしております。このような観点から、米豪等国際社会と協調しつつ、直接ミャンマー政府に対話の実施を働きかけるとともに、ASEAN諸国にも、同国政府に対し、同様の働きかけを行うよう、慫慂しておるところであります。
 我が国において難民として認定を求める外国人についてのお尋ねですが、ミャンマー人に限らず、難民の地位に関する条約、難民の地位に関する議定書及び出入国管理及び難民認定法に従って、適正な取り扱いを行っておるところであります。
 次に、周辺事態安全確保法についてのお尋ねでございますが、本法案は、周辺に対する事態に対応して我が国が実施する措置等を定め、もって我が国の平和と安全の確保に資することを目的とするものであり、平和に向けた我が国の戦後の歩みの基盤を崩すものとの指摘は当たらないものと考えております。
 周辺事態安全確保法の地方公共団体に対する協力要請についてのお尋ねでありますが、本法案では、周辺事態に対する対応の重要性にかんがみまして、地方公共団体に対する一般的な協力義務について定めるものであります。この場合、あくまでも協力を求めるということでありまして、地方公共団体に対して強制するものではありません。
 また、本法案は、有事態勢への協力を国民に白紙委任させようとするものでももちろんありません。
 次に、台湾に関するお尋ねでございますが、我が国の基本的立場は、日中共同声明に述べられておりますとおり、かかる基本的立場を堅持した上で、我が国として、東アジアの平和と安定の観点から、台湾をめぐる問題が関係当事者間で平和的に解決することを希望しておりまして、こうした考えを従来から中国側に伝えておるところでございます。
 日米安保条約の極東の範囲についてお尋ねでございますが、日米安保条約に関する政府の立場に変更はありません。
 また、我が国としては、今後とも日中共同声明を堅持するとともに、台湾に関して、中国政府が、台湾をめぐる問題は中国人同士の問題として平和的解決を目指していると承知をいたしておりまして、この問題が当事者間の話し合いにより、平和的に解決することを強く希望いたしております。
 新たな指針と我が国の負担についてお尋ねでございますが、新たな指針及びそのもとでの取り組みは、いずれの政府にも、立法上、予算上または行政上の措置をとることを義務づけるものでもありません。新たな指針の協力項目に掲げられている活動を行う際の日米間の経費負担の問題につきましては、日米間で具体的な話し合いが行われたわけでなく、今後検討してまいります。
 次に、歴史認識についてのお尋ねでありますが、政府の考え方は一九九五年の内閣総理大臣談話のとおりであり、その基礎の上に立って関係諸国との信頼関係を一層強化していくとともに、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、これを通じて平和の理念と民主主義を推進していく立場をとっております。中国や韓国とも、こうした立場を踏まえて、関係の発展に努めてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕

発言情報

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発言者: 小渕恵三

speaker_id: 19131

日付: 1998-08-11

院: 衆議院

会議名: 本会議