藤井孝男の発言 (本会議)
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○藤井孝男君 私は、自由民主党を代表して、民主党、平和・改革及び自由党の三会派提出の法案について質問をいたします。
現下の経済の状況はまことに厳しいものがあります。バブルの発生と崩壊の過程の中で、長期化する景気の停滞とも相まって、金融機関は多額の不良債権を抱えており、我が国経済が再活性化するためには、その抜本的処理を早急に促していく必要があります。
また、ロシアの経済危機等を背景に、世界の市場は極めて不安定な状態にあります。ここ数日の世界の市場を見ても、株価の乱高下、為替の動揺など、世界同時不況の前兆との論評も出ているほどです。その中で、我が国発の金融恐慌を引き起こさないというかたい決意のもと、政治主導の責任ある危機管理が今まさに求められているものであり、しかも迅速な対応が不可欠であります。立法府の一員として、こうした現下の状況についてどのように認識されているのか、まずお尋ねをいたします。
次に、ようやく提案されました三会派の法案について質問いたします。
三会派の御提案につきましては、我々として、幾つかの点について危惧するところはありますが、金融再生に向けた真剣な取り組みの具体化として、今後、早急に建設的な議論をしていきたいと考えております。こうした観点から、大きな問題点に絞って、以下御質問をいたします。
まず第一に、野党案では、公的ブリッジバンクの仕組みがありません。そして、金融整理管財人で対応をすることを原則としております。
しかしながら、金融機関の破綻に際して、民間の引受金融機関が登場しない場合に、受け皿としての公的ブリッジバンクを用意しないで預金の流出がとまると確信できますか。資産の急速な劣化や資金調達困難に陥った破綻金融機関が、善意かつ健全な債務者にどのようにして融資を維持継続できるのでしょうか。また、そのように資産が劣化した場合、公的ブリッジバンクをつなぎとしないで、他の民間金融機関に業務を移管するまで持ちこたえることができると考える理由は何なのでしょうか。また、受け皿金融機関を用意しなければ、結局破綻金融機関の善意かつ健全な借り手の債権も、ほとんどが整理回収銀行に行くこととなってしまうのではないですか。
答弁を求めます。
政府提案は、こうした問題を解決できるとともに、善意かつ健全な借り手への配慮に万全を期すことができるものとなっております。
すなわち、取引先の銀行が破綻しなければ通常どおり融資を受けられる善意かつ健全な借り手であっても、融資先と金融機関との円滑な取引関係を築くにはある程度時間を要すると考えられること、地域によっては代替し得る金融機関の数が少ないこと、民間金融機関が融資審査や債権管理を厳正化しつつある金融環境にあること等から、新たな取引銀行が見出せず、急には融資が受けられなくなる事態が想定されます。したがって、金融機関の破綻に際して、民間の引受金融機関が登場しない場合に、善意かつ健全な債務者対策に万全を期すためには、つなぎとして公的ブリッジバンクを用意できるものとなっております。
こうした点から申し上げれば、政府提案の方がすぐれていると思いますが、どうお考えでしょうか。(拍手)
第二に、野党案では、金融再生委員会が破綻銀行の全株式を強制買収することとされておりますが、そもそも、株主の権利を行政が強制的に奪うことについて、どのような根拠に基づいてこれを認めることとするのでしょうか。また、株券は流通しており、収用決定と同時にその権利が失われるとすれば取引の安全を著しく害するのではないですか。また、銀行株は、突然その株主が制限される可能性がある魅力に乏しいものとなるわけですが、そのために株価が暴落するおそれがあるのではないですか。
民主党の当初案では、一円で株式を買い取るとなっていました。さすがにそれは非現実的であるということで今回の御提案になったのでしょうが、具体的な手続のことを考えた場合、そもそも収用に当たっての正当な対価の算定は可能ですか。また、補償手続には膨大な事務負担とコストを要すると考えられますが、そうしたことを考えたことがあるのでしょうか。また、株主から訴訟が頻発するおそれがありますが、このような困難を伴う行政処分を機動的に発動できると本当にお考えなのでしょうか。明確な答弁をお願いいたします。
第三に、こうした点はさておいても、現下の問題は、金融システムの危機が発生するのをどのように防ぐかという点にあるはずです。
三会派の御提案では、連鎖破綻等内外の金融システムの機能の維持に重大な支障を生じるおそれがある場合には、破綻金融機関の公的管理ができることになっております。しかし、そもそも破綻してしまえば、こうした危機は既に起きてしまうのではないですか。このような事態が生じてしまっては取り返しのつかない事態となるので、事前に防ぐ工夫こそが求められているのではないでしょうか。
また、金融、経済は生き物であります。刻々状況が変わるそうした金融、経済を日常的にフォローする体制にない裁判所に、危機的な状況を判断することができますか。また、二十四時間以内に判断する材料を裁判所は持ち合わせているのですか。御答弁をお願いします。
以上、私として危惧する点を中心にお尋ねをいたしました。
ただ、冒頭に申し上げましたとおり、世界の市場が不安定な状況の中、金融再生法案の処理が長引けば、我が国が世界的な経済危機に追い打ちをかけることにもなりかねません。重ねて申し上げますが、今こそ、ともに英知を結集し、政治主導の責任ある危機管理が求められており、迅速な対応が不可欠であります。いずれにせよ、重要なことは、現在の危機的な状況を打破するために、いたずらに日にちを費やすのではなく、早急に結論を得るということであります。
そうした観点から、三会派の御提案の法律案については、その内容を十分に検討していきたいと考えておりますことを再度申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
〔伊藤英成君登壇〕