佐々木憲昭の発言 (本会議)
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○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、国連総会及び日米首脳会談について総理に質問をいたします。
初めに、金融問題についてであります。
第一は、長銀への公的資金の投入についてです。
総理は、アメリカで、長銀を破綻させずに住友信託銀行と合併させる、破綻していては合併できない、資本注入のスキームはぜひ必要と述べました。これは長銀に対して破綻認定なしで資本注入を行うという従来の方針を重ねて表明したものであり、それが自民党、民主党、平和・改革、三党首の十八日の合意にも反しないという認識を示したものであります。
それならば、三党首の合意内容は、仮に長銀への公的資金の投入の根拠となる現在の資本注入スキームを廃止したとしても、それにかわるものとして新しい特別公的管理あるいは早期健全化スキームなどで装いを変え、長銀に対してあくまでも公的資金の投入を行おうとするものであることは明らかではありませんか。答弁を求めます。(拍手)
第二は、十三兆円の資本注入スキームについてであります。
三党の合意事項の中に「金融機関の過少資本状態の解消等、金融システムの早期健全化スキームを、早急に検討する。」というくだりがあります。これは、現行の金融安定化法を廃止した後でも、新たな資本注入の枠組みをつくって、十三兆円の公的資金投入のスキームを事実上継承しようとするものではありませんか。
現に総理は、同行記者団との事前の懇談で、日本の大手銀行は絶対に破綻を起こしてはならないし、そのために努力する、米側にもきちんと話をすると述べています。また、日米首脳会談の席上、クリントン大統領は、日本の金融当局が存続可能な銀行を十分な額の公的資金によって支援すべきだと述べ、この点をお互いに確認し合っています。これは極めて重大であります。
これまでの十三兆円のスキームでは、健全銀行に資本注入することが表看板となっていました。したがって、破綻の蓋然性の高い銀行には資本注入はできないというのが原則だったのであります。ところが、今度は、過少資本状態の解消ということで、不良債権を処理し自己資本が低下した銀行や破綻寸前の銀行にまで、堂々と公的資金を投入できることになるのであります。これでは十三兆円のスキームの大々的な拡大になるではありませんか。答弁を求めます。
第三は、一般の金融機関からの不良債権の買い取りという新たに持ち込まれた合意内容についてであります。これは健全な金融機関の不良債権を公的資金で買い取るというものであります。この点は、今の金融安定化法にも、提出されている三野党の法案にも、また政府・自民党の金融再生法案にも一切なかった内容であります。一体、どの段階で、どのような理由で、だれが持ち込んだのか、明確に答えていただきたい。
これは、預金者保護に限定するという十七兆円の枠組みの建前をも真っ向から踏みにじり、銀行救済に大変質させるものであります。これが実行に移されたならば、体力のある大手銀行の不良債権処理にまで、大っぴらに公的資金の投入が広がることになります。今、預金保険機構は、正常債権以外の分類債権すべてを買い取ることになっております。銀行の自己査定で八十兆円から九十兆円あると言われている分類債権を買い取ることになれば、公的資金の投入額は空前の規模になるではありませんか。答弁を求めます。
次に、ガイドラインとTMD、戦域ミサイル防衛問題についてお聞きをいたします。
総理は日米首脳会談でガイドライン関連法案の早期成立とTMDの共同研究の着手を約束されたと報道されていますが、これは極めて重大であります。
ガイドラインはアメリカの無法な軍事干渉に日本を自動的に参戦させる仕組みであり、日本が引き受ける行為は、憲法が禁止した戦争行為そのものであります。しかも、その対象範囲とされる周辺は事実上無限定であり、自衛隊の出動に際し国会の承認を排除するなど、国民主権の原則を真っ向から踏みにじるものであります。ガイドライン関連法案の撤回を強く求めます。
同時に重大なことは、首脳会談でTMDの共同研究の作業について合意したとされていることであります。これは、宇宙から飛んでくるミサイル弾道を、イージス艦などに配備したミサイルで撃ち落とすものだと説明されています。
しかし、TMD計画は、今後日本が兆円単位の巨費を投入しても完成する保証もなく、特定国に対する軍事的対抗措置でアジアに新たな軍事的緊張の悪循環をつくり出すだけであります。しかも重大なのは、TMDがクリントン政権の拡散対抗構想の重要な一環をなし、アメリカの挑発的な先制攻撃戦略を軸とした危険な軍事路線を推進するための軍拡計画の一環であり、決して防御的な構想ではないということであります。
ガイドラインの立法化とTMDへの参加に反対し、憲法の平和原則に基づいた平和外交を積極的に進めることを強く求めるものであります。(拍手)
最後に、核問題についてお聞きをいたします。
インドとパキスタンの核実験は、五つの核兵器保有国による核兵器独占体制の矛盾をあらわにいたしました。今こそ、期限を区切って、核兵器廃絶の国際協議の開始、未臨界実験を含むすべての核実験の中止、核兵器の先制的な不使用などの具体的課題に取り組むべきであります。米下院でも、この六月、核兵器全面禁止廃絶条約の早期締結のために多国間交渉を開始することを大統領に求める決議案が、十五名の議員によって共同提案されるという新たな動きもあります。
ところが小渕総理は、八月十一日、我が党の不破委員長の質問に答え、期限つき核兵器廃絶や核兵器使用禁止の主張は、核兵器国を含む多くの国が受け入れておらず、核兵器国と非核兵器国の対立を助長し、核軍縮の進展を妨げるおそれがあると答弁したのであります。これは極めて重大であります。総理の答弁は、核保有国の意向に反することは何も言うなということと同じではありませんか。
被爆国の政府として、アメリカなど他の核保有国が賛成しないなら、それを変えるための国際世論を高めていく責任があるのではありませんか。総理は、核兵器保有国が核廃絶条約の早期締結に向けて交渉のテーブルに着くべきだとは全く考えないのか、それを核保有国に向けて訴えるつもりはないのか、明確な答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕