宮澤喜一の発言 (金融問題及び経済活性化に関する特別委員会)
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○国務大臣(宮澤喜一君) この問題は本来金融監督庁の御所管の問題でございますけれども、かなり政治的な国会での御議論等の問題がございましたから私にお尋ねがあったかと思います。
本来、今年当初あたりに長銀がこういう危機に見舞われるということを恐らく予想した人は非常に少なかったわけでございますけれども、夏前にある雑誌がこれについて報道を始めたことから多くの人が問題をいろいろ言いはやすようになりまして、その風説もあって長銀としては急速に経営が不安になってまいりました。
そこで、長銀の当事者は非常なリストラを計画して、しかしその結果、もう長銀の名において生き残ることは恐らく難しい、したがって関係者は責任を負い、海外活動はやめ、本店も売って、そうして責任をとった形で、しかし世間に迷惑をかけない方法として住友信託銀行と合併をする。事実上吸収合併ということでございましょうが、そういう決心をされて、リストラを条件に公的資金の導入、と申します意味は、リストラを進めてまいりますとある段階で過少資本になりますので、そこで公的資金の導入を求めて、その後に住友信託銀行と合併をしよう、そういう考えを経営者が持たれて、それを金融監督庁に申し出られたといういきさつであったと思います。
それはそれとして、二つの金融機関の私契約において吸収合併が成り立つ、その間に公的資金が関与をするということは現行法の一つの筋道でございますから、できることならば支援をすべきであろうというふうに政府としても考えたわけでございます。
しかるところ、この問題は法案の御審議との関連におきまして衆議院の特別委員会で連日議論をされることになりました。衆議院の特別委員会で質問者が一番問題にされましたのは、リストラ案の中でノンバンクの幾つかの、三つでございますが、大きなものについて、これを倒産させると二次災害が起こる。そして、日本リースは全体として二兆以上の債務を持っておりますから、そうしますと、この債権者たちが恐らくその結果として連鎖反応を受ける、こういうことから、長銀としては長銀と住友信託銀行の合併条件のシナリオの中にノンバンクの債権放棄をする、こういうシナリオになっておりました。
その理由は、長銀がいわゆる母体行である、事実また母体行でございましたから、母体行として責任をとることによって二次的なリアクションを防ごう。また日本リースは、リース事業は実際に経営が持続可能のものでございますから、これをつぶすということは社会的なコストでもある、こう考えた結果、その債務五千二百億円はまず免除をしよう、こういうリストラ計画になっておったわけでございます。
このことについて一番衆議院の特別委員会の御議論が集中しました。と申しますのは、これは二つの金融機関の間のいわゆる合併の条件であるので、私どもはそれについてとやかく申すべきではないと考えましたけれども、そのノンバンクの関係先には甚だ好ましからざる債務者がいるというようなことが御議論になりまして、その後に公的資金の導入がございますと、公的資金がそういう好ましからざる債務者の救済に使われるという結果になるのではないか、こういう御指摘でございます。その御指摘は事柄としては全く誤りとは申せない。
ただ、合併契約をした両行のお互いの利益及びその後の連鎖反応を避けたいというそういう意図そのものは理解できると私どもは考えましたけれども、やはり公的資金がそのように結果として役立つということは適当なことでない、こういう御議論が非常に強うございました。
そこで、これをめぐりましていろいろ御議論があり、法案の御審議もしたがって非常な影響を受けまして、結局最後のところは党首会談がございまして、どうもこういう処理はよろしくないということに結論がなってまいりました。それならばどういう処理をするかということで、また三党の法案の御審議にそこが影響いたしてまいりまして、現在御審議中のこの法案では、長銀のようなケースも、これは今破綻をしておりませんけれども、しかしそれも公的管理の方法を設けることができるではないかと、こういう御議論になって今日に至ったように承知しております。