日野正晴の発言 (金融問題及び経済活性化に関する特別委員会)
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○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。
私どもの立場は、長銀と住友信託銀行との合併を認可するかどうか、この点にかかわってくるわけでございます。合併の認可は私どもの権限とされておりますので、両行が合併したい、こういうふうに申し出てまいりましたので、そのための所要のいろいろ準備、手続をする必要がございました。もともと普通銀行と信託銀行との合併でもございますし、それから両行はそれぞれ従来違った分野で活動してきた銀行でございまして、両行の合併というのは我が国の金融システム全体にとって大変望ましいものである、こういう認識を私どもとしては持っておりまして、できるならばその合併に向けてできるだけの支援をしてまいりたいと、こう考えていたところでございます。
ところで、合併はあくまでも私的な契約でございますので、この両行がどういつだことを合併の前提として考えているかということをお尋ねいたしましたところ、両行のお考えといいますか、住友信託銀行の強い希望といいますのは三点に絞られておりまして、一つは、住友信託銀行は正常債権だけを引き取りたいと。それから第二点は、金融監督庁が現在検査を行っているけれども、自分たちは独自の検査、これをデューデリジェンスと呼んでおりましたが、それをやった上で資産の内容を査定したいと。それから第三点は、先ほどから出てまいりました日本リースその他の関連会社に対する不良債権といいますか、そういったものをきれいにしてきてもらいたいという、この三点に絞られたわけでございます。
しかも、これらの三つを充足していこうといたしますと、先ほど大蔵大臣からも御答弁がございましたように、どうしても長銀の資本が非常に薄くなります。そのためには、現在与えられております現行法のスキームでは十三兆円の世界がございますので、これをぜひ活用させていただきたい、こういうことでございました。
ところが、この十三兆円の希望がありましても、現実問題といたしましては、優先株の引き受けということになりますと長銀は定款の変更もいたさなければなりませんし、そのために必要な株主総会の招集その他もろもろの手続がございまして、日程的にはかなり急いでも両行の間での合併契約が成立し、さらにそこから計算して二カ月ぐらい、恐らく十一月か十二月にかかってから初めてその十三兆円を使わせていただくための申請が長銀から行われるだろうと、こういうことで手続が進んでいたわけでございます。
ところで、先ほどから大蔵大臣もるる御説明なさいましたように、衆議院の特別委員会でこの合併スキームに対しましていろいろ御批判がございました。特に、この関連会社、ノンバンクに対する不良債権を処理することがすなわち公的資金の投入と直接に結びつくのではないかという御批判がございました。いろいろ検討いたしまして、確かに不良債権を放棄するということは直接国民の税金を使わせていただくその十三兆円の世界と結びつくことになるという強い御批判から、これはやはり放棄せざるを得ないということになりましたために、合併契約そのものはまだ完全にとんざしたわけではございませんけれども、しかも十三兆円の法律も今や風前のともしびとなっているわけでございまして、そういうわけで必ずしもその合併契約が当初の両行のもくろみどおりには進行しないような状態になってきたわけでございます。
そういったことで、あの時点で直ちに十三兆円の申請をするということは、物理的といいますか、そういった意味でも不可能でございましたし、いろいろ手続を進めていく上で時間がかかっていたということもございます一方で、国会での御審議などがございましたために、こういう御審議の結果、新しいスキームがこれからつくられようとしているわけでございますので、今後は、国会の御審議を踏まえた上で、新しいスキームのもとでこの長銀問題を処理していくのが最も妥当な適正な方法ではないかと考えておりますし、金融監督庁としてもそういった線に沿ってこれからやってまいりたいと考えている次第でございます。