木村仁の発言 (金融問題及び経済活性化に関する特別委員会)

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○木村仁君 立法というものは非常に慎重にやらなければいけませんし、またあるいは問題が起きた場合の司法行政、司法、それも裁判というものは非常に慎重にやらなければいけない。当然でございます。行政についてもそれは同じでございますけれども、私は行政というのはもうある場合には拙速主義でも何もやらないよりはやった方がいい、そういう気持ちを持っておるわけでございます。
 例えば、この三月の資本注入のことを、昨日来の議論で、あれは失敗であった、あれで貸し渋り対策が回避できなかった、そういうような御認識が一般には多いようでございます。
 しかし、私は若干違った考え方を持っております。あれは、ああいうスキームをつくって十三兆円の資金を準備して、そして金融機関の状況を調べながら資金注入を行った。あのときは、たしか銀行に対してこの資金は必要かどうかということを政府はお尋ねになったと私は思います。恐らく政府の方にも資金を大胆に注入することにはちゅうちょがあったでございましょうし、また金融機関の方にも情報を開示することを避けるために、つまり自行が非常に多額の公的資金注入を要請すれば銀行の経営状態が悪いという不信を招くのではないか、そういう考えのためにお互いちゅうちょして一兆八千億にとどまったのだろうと私は考えております。もし、あれを一兆八千億でなくて十兆あのときに資本注入をしていたら、現在このようなことにあるいはなっていなかったかもしれない。
 それから、一兆八千億というものも、これは自動車で混雑した道を走っているときにどっちに行った方がいいかと言っているのと同じで、本当は両方やってみなければどういう結果になったかわからないのですけれども、それでも一兆八千億で私は貸し渋り対策にいささかでも貢献しているのではなかろうか。今それは恐らく大部分毀損されているという状態になっているかもしれませんが、またこれからの行政あるいは金融機関独自の御努力のいかんによっては次第に回復していく資金である、そう考えております。富士の山ほどお金を積んで端から一円ずつ使いたいというような行政ではやっぱりうまくいかないことが多いのではないか、私はそういうことを申し上げたかったのでございます。
 そして、その後この八つの法案が粛々と成立してまいる過程で、早期公的資金の注入、破綻前の注入ということについても新たなスキームをつくりたい、そういう動きが今進んでいるわけでございますけれども、私はそれもこの大規模な公的資金の注入によって日本の金融システムの安定を図っていきたいという政府、大蔵大臣の強い意志の一つのあらわれであるというふうに理解いたしておりますが、それでよろしいのでございましょうか。

発言情報

speech_id: 114314057X00619981007_011

発言者: 木村仁

speaker_id: 24801

日付: 1998-10-07

院: 参議院

会議名: 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会