与謝野馨の発言 (経済・産業委員会)
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○国務大臣(与謝野馨君) 私は、九月二十日から二十四日までの海外出張において、インドネシア共和国、マレーシア及びシンガポールを訪問し、各国首脳、閣僚等との会談を行いました。
今回は、小渕政権成立後、閣僚による初めてのASEAN訪問であり、各国において経済再生内閣として我が国の経済回復にかける決意を表明するとともに、アジアに対する我が国の責務遂行の考えを説明いたしました。
まず、我が国の経済再生策については、金融システム安定化策、第二次補正予算の編成、所得税及び法人課税の減税などの景気回復策等を説明いたしました。各国からは、アジアの発展の牽引車として、我が国の経済回復に強い期待が表明されました。
また、我が国のアジア支援策については、これまでに表明した四百三十億ドルに及ぶ支援及び今後の支援策、特に現地中小企業に対する貸し渋り等に対する資金調達円滑化のための施策、雇用確保のための人材育成策等について説明し、各国から高い評価を得るとともに、さらなる支援の要請を受けました。
来るべき十一月のAPEC首脳・閣僚会合については、現在のような世界的な経済困難の時期にこそアジア太平洋地域の経済発展に向けて力強いメッセージを発するべきである旨を強調し、各国の賛意を得ました。また、林・水産物を含む早期自主的分野別自由化については、APECの自主性の原則が重要であるとの我が国の立場への理解を求めたところ、各国から我が国がすべての分野で参加することを望む旨の期待が表明されました。
インドネシアにおいては、ハビビ大統領から、民主化や法の支配の実現など、政治改革推進への決意が述べられるとともに、金融システム改革などの経済改革についての説明がありました。また、米の追加的支援の要請がありました。さらに、中小企業に係る金融・政策面での支援の要請があり、年内に実務者ミッションを派遣することで合意するとともに、内需低迷で大きな打撃を受けている自動車産業分野を活性化するために、官民によるダイアログの場を設けることに合意するなど、両国間の産業協力の推進を図りました。
マレーシアにおいては、マハティール首相から、円借款について可能な限り早期の実行を期待する旨の表明があり、さらに案件を精査するために専門家を派遣する旨の説明を行いました。また、最近同国が導入した為替管理の強化策の評価について意見交換を行いました。先方からは、所定の効果を上げている旨の説明があったのに対し、当方からは、緊急避難的措置としては理解できるが、専門家の間では長期的に維持可能な措置であるか否かについて懸念があること、特に投資環境への影響が懸念されていること等を指摘いたしました。
シンガポールにおいては、リー・シェンロン副首相との間でASEANの経済情勢に関する意見交換を行いました。また、我が国の経済回復とアジア支援に向けた具体的措置について広く理解を求めるため、シンガポール政府・貿易開発庁及び在シンガポール日本大使館の共催により講演を行いました。
私は、今回の訪問において、ASEAN諸国が現下の経済危機を乗り切るために我が国の経済回復及びアジア支援に期待するところが極めて大きいことを強く感じました。今回の意見交換を踏まえ、今後とも我が国の速やかな景気回復と金融システムの安定化のために万全の措置を講ずるとともに、アジア経済再生のために積極的な支援を行う必要があると考えます。
引き続き、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。
以上です。