明石康の発言 (国際問題に関する調査会)

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○参考人(明石康君) 今、馳委員からの御質問の第一点、安保理に入ったとしてどういうビジョン、どういう指針で対処するのかということに関しましては、もちろん我が国の場合、戦後憲法を持っておりますし、非核三原則、武器輸出三原則、ODA憲章、そういう立派なものがあります。そういうものがやはり安保理に対処する大きな政策的な枠組みを提供するんではないかと思っております。
 それから、ポスト冷戦期に入って確かに、さっきも申し上げたとおり、国連憲章で予想されなかったような事態に国連が当面していろいろ苦慮しておるという現状がございます。それに対しては、今、委員が御指摘のように、もっともっと予防外交というものを活用しなくちゃいけないわけでありまして、その一端にはPKOの予防的な展開というものもあります。
 例えば、旧ユーゴスラビアの中のマケドニアにはそういう形でPKOの予防展開が行われておりますし、カシミールの事態はインドとパキスタンの間で非常に微妙でございますけれども、ここにも非常に小規模な国連の停戦監視団が派遣されておって、事態を改善してはおりませんけれども、ともかくもより悪化するのを防いでおるという役割は果たしておると思うんです。こういうものをますますふやす上で、それこそ日本はより多くの役割を果たし得ると思います。
 カンボジアでも立派な役割を果たしましたし、アジアにおいては東ティモールとかミャンマー、それからアフガニスタンあたりで、日本は安保理内外においてとてもいい発言をしております。そういう線を進めるべきだと思いますし、アジアの中の既存の機構、さっきも申し上げたとおりに包括的政治機構はできておりませんけれども、ARFその他をより有効に活用することによって、アジア全体の信頼醸成の推進、予防外交の強化ということに努めるのがポスト冷戦期の日本に期待されておる役割であると思います。
 それから、邦人職員の件でありますけれども、私も馳委員と同じ懸念を有しております。日本の与えられておる望ましい職員の範囲がございまして、そのミニマムの、最小のところにもまだ七、八十名足りないという現状がございます。
 私、いろんな大学で若い人たちと接触する機会がございまして、最近の若い者はなんと言う人もいますけれども、最近の若い学生は結構まじめであり、国際問題に関心があり、最近も秋野さんの非常に痛ましい事件がございましたけれども、日本のそういう生ぬるい安全な雰囲気に浸っておるだけでは満足しない、そういうチャレンジしょうという精神を持っておる人はおると思います。
 そういう人たちが海外に出ても心配がないというふうにいろんなアフターケアの制度を整えること、それから給与の問題、給与の不十分さ、これも難しい問題であります。これについてはちょっと時間がないかと思いますけれども、佐藤大使がこれから国連に行かれて恐らく邦人職員の方々との接触も持たれると思います。若い人たちが安心して仕事ができるようにするために政府としてすべきこともいろいろあるでしょうし、また、余りあからさまにそれをやるとマイナスの効果が出てきてほかの国からやっかまれるという面もありますので、そういう非常にデリケートな面も配慮すべきだと思います。
 それから、私の例を言って非常に恐縮でございますけれども、国連職員を一度一時的に外務省に臨時採用する、中途採用して何年かしてまた国連に送り返すという形をとるのも、一つの味のある職員の活用の仕方ではないかというふうに考えております。
 そういうことで、若い人たちにはなりたい人がいるのですけれども、問題は国連の側にもありまして、国連も経費削減で職員の総数も減少する一方でございますし、我が国のようなこれから国連で勢力をふやそうという国にとっては、いろんな意味でのハンディが伴っておるという点も確かにございます。

発言情報

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発言者: 明石康

speaker_id: 32147

日付: 1998-09-25

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会