明石康の発言 (国際問題に関する調査会)
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○参考人(明石康君) 日本が常任理事国になるべきだ、なるのが望ましいというのが、私は、国連の非常に多くの国の希望であり意見であるのではないかというふうに考えております。
問題は、日本がなることではなくて、日本以外にどの国を入れるべきかということに関して、おれもおれもという国が結構いるということが問題が紛糾する原因であるということで、日本それ自体についてはそんなに問題がないと思います。
それから、拒否権を持つことのメリットであります。拒否権というのは、そもそも悪い面、国連の安保理の決定がそのことによって妨げられるというデメリットがございますけれども、拒否権は一つの安全弁であり、大国が支持しないことを国連がやってもそれには成果が恐らくないでしょうから、いい結果になることはないでしょうから、大国が不満を持って国連を出てしまうようなことがないように、また、国連のほかの加盟国が大国との戦争に巻き込まれることがないように保障する一つの安全弁なんですね。ですから、国際連盟のときのようなことに、つまりアメリカが参加しなかった、また旧ソ連も一度参加して除名され、日、仏がやめてしまった連盟のようなことにならないように、拒否権は挿入されたわけです。
拒否権を持つことのメリットというものは、拒否権は加盟の問題で非常に多用され、ある意味では悪用、乱用されたと思いますけれども、その問題はほぼ解決しましたので、事務総長選挙とかという問題で現在の常任理事国と同じように拒否権を持つということは、にらみをきかす上でやはり必要だと思います。国連事務総長も、安保理メンバーと相談するときに、拒否権を持った国との相談を一番先にやるんですね。
そういうことがありますので、問題は拒否権を持つか持たないかではなくて、拒否権の適用範囲をできればこれからは狭めていくべきである、それが国際社会の大勢ではないか。つまり、国連憲章第七章の事項に関してのみ拒否権を、つまり武力の行使に関してのみに拒否権の適用範囲を限定するという方向に国際社会を持っていくのが正しいんではないかと思います。
それから、憲法九条。私は、憲法九条と積極的な国連参加ないしはPKO参加というのは矛盾しないと考えております。この場合のPKOというのは、さっき申し上げた国連憲章六章に基づく、つまり私の申し上げた三原則に基づく在来型のPKOでありまして、多国籍軍的なものとかそういうものを除外してのPKOでございます。九条があるために国連活動が活発にできないというのは、私はそういう主張をする人の逃げ口上ではないかというふうに考えております。
それから、広報・PR活動の欠如というのは全くこれは日本人の通弊でありますし、日本人の謙譲の美徳のせいであろうかと思います。国民性として言挙げせざる国民でありますけれども、今、佐々木先生のおっしゃったとおり、やはり国連外交、会議外交に参加するというのは口舌の徒になるということを意味するわけでありまして、レトリックを駆使する必要もあるわけです。それはやたらに多くを語るということではありません。しかしながら、言うべきことは言う必要がありますし、現在の我が国の国連外交官の中にもそういう能力を備えられた人はいっぱいおります。毎年、国連総会が終わった後で我が国の代表の発言集がまとめられますけれども、それをごらんになれば、いろんな委員会ないしは安保理で大使を初め日本の代表の方々が日本の立場を結構雄弁に主張しておられるというのはわかるんじゃないかと思います。しかしながら、もっともっとやるべきであるという点では同感です。