明石康の発言 (国際問題に関する調査会)

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○参考人(明石康君) 山本先生はかつて国連職員でもありましたので、今、御質問になったことに対する答えはもうみずからできておられるんじゃないかと私は想像しております。
 安保理常任理事国になるのに対する障害の中に、一部の国の国連大使の活動があるというのはまさにそのとおりでありまして、実はこの大使たちがまだ国連で頻繁に会ってコーヒーを一緒に飲んでおる、それで情報を交換し合い作戦を練っておるということで、非常に難しいわけです。
 国連でのこういう難しい問題を解決するためには、我が国がまたそういう老練な、老獪な大使にまさるとも劣らぬ佐藤大使のような方を派遣するということも一つの方法でありますけれども、そういう一部の国に対するバイラテラルな日本からの働きかけによる説得という道もオーソドックスな一つの道だと思います。それから、国会議員による接触、これも限界が残念ながらありますし、使い方によってはマイナスの効果を及ぼし逆効果になることもあり得ると思いますけれども、行政府との密接な協力のもとに議員の声を聞かすということは、状況次第ではいいことだと思います。
 それから、山本委員の言われた、安保理に入って何をするのかという点が必ずしも明確でない、そういう点は正直に言ってあると思います。
 それからもう一つ、日本はいつもアメリカの陰に隠れておるんではないか、安保理に入っても結局アメリカが二票を持つということに終わりはしないかという懸念を漏らす人もいることはいると思います。しかしながら、日米の関係というのは、やっぱり戦後日本の安全を保つ上で一番重要な要素であったし、また、今後も当分そうであると思います。ですから、日米関係を損なうことなしに、例えば核軍縮・核不拡散の問題にしろ、アメリカと必ずしも同じではない、イニシアチブをとり意見を表明するということは私はあり得るんじゃないかと思います。
 御承知のとおり、現在、東京フォーラムと称されております核不拡散・核軍縮に関する緊急行動会議がつくられましたけれども、こういうところから出てくる提案、これは政府間の機関でも何でもありませんので、そういったようなものを利用して、日本らしい、必ずしもアメリカの意見とは同じではない意見を率直にそういう場を利用して表明していくということもあり得るんじゃないかと思います。
 現実の日本の国連外交を見ており、安保理の発言を聞いておれば、日本がそんなにアメリカに追随しているわけではありませんし、むしろアメリカをリードしている場合もありますし、アメリカに反対している場合もあります。対人地雷の禁止条約に関してもアメリカとたもとを分かって日本は行動したわけでありますから、マスコミが報道するほどアメリカべったりではありませんし、これに関してもまた、さっきの話ではないですけれども、PRが必要であるという感じがしております。
 一言で言いますと、安保理の常任になるための何か秘訣とかとらの巻とか特効薬は存在しない、いろんなことを多用しながらやっていく必要があるということだと思います。
 それから、ことしいっぱいが山であるということ。私は、山は幾つもあるし谷も幾つもあると思います。これからの一つの山は、紀元二〇〇〇年におけるいわゆるミレニアム特別総会というのを国連が計画しておりますけれども、二〇〇〇年を目指しての国連改革というのを国際的に呼びかけるのも一つの手ではないかと思っております。

発言情報

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発言者: 明石康

speaker_id: 32147

日付: 1998-09-25

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会