明石康の発言 (国際問題に関する調査会)

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○参考人(明石康君) 日米安保との関連で国連が日本の安全にどれだけ寄与しておるのか、寄与できるのかという御質問に対しては、私は日米安保はより直接的な形で日本の安全に貢献しておると思います。国連がなし得る寄与というのはより中長期的な寄与であり、世界全体の安全とか平和を維持強化するという点で国連は活躍しておりますので、日本の安全に対する寄与は直接的というよりは間接的な寄与である、しかしながらそれは決して無視できない寄与であろうかと思います。
 しかし、この間の朝鮮民主主義人民共和国からのミサイル発射事件でもおわかりのとおり、そういう問題を国連安保理によって取り上げるというような事態もあり得るわけでありますから、日本の安全保障のためには、そういう日本がする努力、日本と米国との双務的な関係で努力すること、アジアという地域的な観点で努力すること、国連という世界的な次元で努力すること、そういうものが非常に弾力的にかみ合わされた形で総合的な日本の平和戦略というものがつくられないとだめではないかというふうに考えております。
 それから、今、田村委員の申された経社理の強化、活用というのは非常におもしろい観点で、まさに見逃し得ないし、我が国はその持っておる経済力、それからさっきも申し上げたとおり、開発途上国、特にアフリカ重視政策というのは非常に注目されておりますので、そういったような日本の強みをこれから生かしていく、そのために経社理をうまく使うということは非常にいい観点だと思います。
 それとの連関でもう一つ申し上げると、実は国連にもう一つの理事会がございます。安保理事会、経社理事会、それから信託理事会というのがあります。ところが、信託統治地域はもうなくなりましたので、この信託統治理事会は今はもう休業状態なんです。これを何とか活用して、人類の共通財、環境問題、人権問題、そういった国連憲章がつくられたときに余り考えられていなかったような人類の共通の関心事を取り上げた新しい理事会をつくり上げたらどうだろうという案が一つございます。こういったような問題でもあるいは日本がイニシアチブをとり得るのではないか。特にNGOとか有識者、学者の意見なんかも参照しながら、具体的な提案をつくり上げるのも一つの道ではあろうかと思います。
 それから、職員の枠で、若手の職員と上層部の職員の間、中間層が邦人の場合は欠けておるんじゃないかという御指摘は全くそのとおりであります。それに関しては私の知る限り外務省も非常に懸念しており、現在外務省が考えておる、また現実に実現しつつあるアイデアの一つが、日本じゅうのそういう人材をきちんとアイデンティファイするための人材ネットワークをつくり、その中から有資格の人たちを国連のしかるべきポストに送り込むという発想であります。国内が不況にさらされておって失業問題が深刻になっていく中で、それこそ国連にとってはこれがむしろ一つのチャンスになり得るわけなので、こういったような道も探られていいと思います。
 そういう職員の送り込みというものも、国連自体も縮小しておる以上、送り込みの作業それ自体、非常に労多くして効果の少ない仕事でございますけれども、これはもっともっと参議院の皆様その他の御支援を得た上で強力に推進されるべき問題の一つであろうかと思います。

発言情報

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発言者: 明石康

speaker_id: 32147

日付: 1998-09-25

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会