堺屋太一の発言 (財政構造改革に関する特別委員会)

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○堺屋国務大臣 衛藤委員から御指摘いただきましたように、一昨年から昨年にかけて、政府だけではなしに官民挙げて大合唱、経済が回復してきたから財政あるいは年金等を再建しろという大合唱があったことは事実でございまして、これが大変大きな影響を与えました。それは二つあります。
 一つは、将来財政が悪くなる、年金が破綻するというような長期の暗い話をすることによって、日本人の心を非常に長期的に暗いものにしてしまった。これが設備投資にも影響いたしましたし、住宅投資にも影響して悪影響を与えた。もう一つは、それを真に受けてと言ったら語弊がありますが、本当に実行して公共事業等を縮小した。これもまた現実的な悪影響があったと思います。
 そういう意味では、まことにタイミングが悪かった。ちょうどそこへアジア危機が来まして、日本の金融危機が露呈するというようなことが重なったわけであります。
 今回の緊急経済対策を立てるに当たりまして、私たちはそういった事情を深く反省いたしまして、どういうような経済構造になっているのか、日本の経済の不況の原因というのを非常に注意深く観測いたしました。
 その結果、やはり一番の問題は金融問題である。金融システムの安定がなければならないというので、さきの臨時国会で六十兆円に及ぶ、まさに人類史上初めて、またGDPの一二%というのも、これはフィンランドか何かに例があったようでございますけれども、一番大きな比率、そういったスキームをつくっていただきました。そして、さらに今度の補正予算でも、今度の緊急対策でも五兆九千億円の貸し渋り対策その他をつけました。
 まず金融不安の環を切る。そして、そこから生じている企業のマインドの冷え込みあるいは設備投資の落ち込みをとめまして、そしてその次に需要不足を解決しなければいけない。これは、まさにお説のとおり、消費が六〇%、民間設備投資が一五%でございますから、これが少し冷え込むと公共投資の方を少々やりましてもなかなか持ち上がらない。それを意識しまして、この二十兆円をはるかに超えるような大きな対策費を組みました。十七兆円の事業費と六兆円の減税を含めて非常に大きな対策を組みました。これで需要不足をかなり補う。
 そして、もう一つは、やはり消費が冷え込まないためには人々に安心してもらわなければいけない。それで、公共事業も、単に事業費を積み上げただけではなくして、まず第一に即効性があること、第二番目には波及効果があること、そして第三番目には未来性のある事業を選ぼうということを考えました。
 それで、空間倍増計画であるとか、あるいは産業再生計画であるとか、特に小渕総理のイニシアチブによりまして二十一世紀先導プロジェクトというのを、これは各省をまたがって、所信表明演説の中にはバーチャルエージェンシーなんという言葉も出てまいりましたが、そういうような新しいものをつくって自信を持つ。
 同時に、もう一つはやはり雇用対策でございまして、かつてない一兆円規模の雇用対策。こういう金融と需要不足と雇用不安という三つの点で不況の環を切っていこう、こういうようなシナリオを明確にしました。この点が今までのやり方と違うところじゃないかと考えております。

発言情報

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発言者: 堺屋太一

speaker_id: 30364

日付: 1998-12-02

院: 衆議院

会議名: 財政構造改革に関する特別委員会