小渕恵三の発言 (本会議)
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○国務大臣(小渕恵三君) 鶴岡洋議員にお答え申し上げます。
まず、自由党との連立の理由につきまして、国民に明確に説明すべきではないかという御指摘でございました。
私は、この内閣の最大の使命が、現下の経済危機を乗り越え、国家の発展と国民生活の安定を図り、明るい未来を切り開いていくことであると考えております。こうした国家と国民に対する重大な責任を全うするためには、経済再生を初めとする必要な施策を適時適切に実行していくことが不可欠でございます。
しかるに、さきの臨時国会の最大の課題でありました金融関連法案の審議の経緯は経緯といたしましても、私としては、現下の難局を切り開き責任ある政治を実行していくためには、より安定的な形での政権運営、できればかたい形でともに政権に協力し合う形が望ましいと考え、そのための方策につき真摯に模索してまいりました。
こうした問題意識に立ち、自由民主党と自由党との間で真剣な話し合いを重ねた結果、私と小沢党首の間で、現在は国家的危機のただ中にあるとの時局認識を共通のものとし、国家と国民のため政権をともにし、責任ある政治を行うことで合意いたしたところでございます。
以上、自由党との合意の経緯や背景につきまして私の考えの一端を申し述べましたが、各位の御理解をお願い申し上げる次第でございます。
なお、私は、自由党との協力に加え、国家国民のための政治の原点を肝に銘じ、各党各会派に対しましても、党派を超えてそのさまざまな御意見に真摯に耳を傾けるとともに、御理解と御協力を広くお願いいたしてまいりたいと考えております。
次に、林産物、水産物など九分野についてのお尋ねがございました。
APECでは、自主性の原則を守り、WTOで包括的に交渉を行うとの立場は貫くことができたと考えております。九分野の来年のWTOでの扱いは、今後検討されてまいるところでありますが、我が国は二〇〇〇年からの交渉は包括的なものとすべしとの立場でありまして、林、水産分野については、その実情、輸出入国の貿易関連措置の状況、地球環境問題等の視点も十分考慮に入れまして、交渉に臨んでまいる決意であります。
次に、緊急対策に盛られた減税につきましてのお尋ねがございました。
個人所得課税の恒久的減税についてでありますが、個人所得課税につきましては、抜本的な見直しを展望しつつ、国民の意欲を引き出す観点から、最高税率を六五%から五〇%へ引き下げるとともに、あらゆる所得階層に効果が及ぶよう、期限を定めない定率減税方式を組み合わせることによりまして、減税規模は四兆円を予定いたしておるところであります。
本年の定額方式は、諸外国の中でも高い課税最低限がさらに高くなるなど、所得税制として本来好ましくはないが、できる限り早期に減税を実施するための臨時異例の一年限りの措置としてとったものであります。
来年から、今年の定額減税にかえて定率減税を行うことによりまして、今年よりは減税額が減少する所得階層が生じますが、来年の定率減税は恒久的な減税として行うものでありまして、一年限りで打ち切られる特別減税と単純に比較することは適当でないと考えておりまして、このような大規模な減税を一時的でなく、期限を定めず継続して実施することが、最終的に消費者や企業のマインドを高め、景気に効果的に作用するものと考えております。
次に、具体的御提案といたしまして高速有料道路の無料化について御指摘があり、お尋ねがありました。
有料道路は、借入金による道路建設を行い、料金収入によりその費用を返済するものとなっておることは御承知のとおりでございます。有料道路を無料化すれば、料金収入以外の新たな国民負担がこれまた必要となってまいります。料金につきましては、公的助成を行いながら物流コスト等にも配慮し、適正なものとなるよう努めてまいりますが、無料化いたしますことは非常に困難であります。
緊急経済対策における貸し渋り対策について、次にお尋ねがありました。
今回の緊急経済対策におきましては、中小企業等貸し渋り対策大綱に盛り込まれた信用保証制度及び融資制度の拡充等の施策の強力な推進によりまして、中小企業について総額四十兆円を超える規模の資金需要への対応を可能にすることといたしております。加えまして、貸し渋りに対する監視体制の強化等につきましては、万全を期してまいりたいと思っております。
次に、親企業の下請企業への不当な圧迫に対する厳正な取り締まりについて御指摘がございました。
親事業者の下請事業者に対する買いたたき、受領拒否、支払い遅延等の違法行為につきましては、定期調査を行う等、下請代金支払遅延等防止法の厳正な運用に努めており、今後とも同法のより積極的かつ厳正な運用により、これら親事業者の違法行為を厳しく取り締まってまいります。
次に、児童手当制度の支給額や支給年齢を拡大してはどうかというお尋ねでありました。
児童手当につきましては、三歳未満の時期に給付を重点化した制度改正を行ったという経緯や児童手当のあり方についてさまざまな意見があることを考えますと、慎重な検討が必要であると考えております。
次に、年金の問題でありますが、基礎年金の国庫負担率を二分の一へ引き上げるべきとの御意見であります。
基礎年金の国庫負担率の引き上げにつきましては、莫大な財源を必要とすることから、現下の厳しい財政状況等にかんがみ、今回の年金改正で実施することは困難であると考えております。
基礎年金の国庫負担の問題につきましては、新たな財源確保のための具体的な方法と一体として検討する必要があり、将来の検討課題として、国の財政状況等を踏まえつつ、国民負担全体のあり方、社会保険料と税の役割のあり方等あわせて議論すべきものと考えております。
次に、介護保険制度の円滑な施行についてお尋ねがありました。
まず、新高齢者保健福祉推進十カ年戦略に基づきまして、介護サービスの供給体制の整備に全力で現在取り組んでおるところでございます。また、保険料を収納率で割り戻す方式につきましては、介護保険の財政運営の安定を図る上で必要な措置であり、関係審議会の意見を踏まえながら、適切に対応する所存でございます。
次に、学生手当制度の創設についてお尋ねがありました。
教育費につきましては、教育の機会均等の理念を踏まえ、適切に対処していく必要があると考えており、従来から予算、税制等でさまざまな措置を講じておるところでございます。学生手当制度につきましては、既に育英奨学制度や特定扶養親族控除制度等が設けられていることから困難な問題もあり、慎重な検討が必要であると考えております。
奨学金制度につきまして、学生が自立して学べるようにするために、さらにこの制度を充実することが重要であります。御指摘の日本育英会の有利子奨学事業につきましては、貸与人員の拡充、貸与月額の選択制の導入など、学生のニーズに配慮した制度となるよう、現在検討を行っておるところでございます。
最後に、新しい学習指導要領に関してのお尋ねでありました。
完全学校週五日制のもとで、ゆとりの中で生きる力の育成を目指す新しい学習指導要領の円滑な導入を図ることは、極めて重要な課題であります。広く啓発活動に取り組むとともに、高等学校、大学の入学者選抜の改善、教員採用の改善、研修の充実、教職員の配置のあり方等の検討等、その理念の実現のための積極的な施策を推進してまいります。
さらに最後に、徳川家康の言葉を鶴岡議員御引用されました。先輩として叱咤、御激励の言葉と拝聴いたした次第でございますが、改めて謙虚にこれを受けとめ、諸課題に取り組んでまいりたい、この決意を表明いたしまして答弁とさせていただきます。
残余の質問については、関係大臣から答弁いたします。(拍手)
〔国務大臣西田司君登壇、拍手〕