小渕恵三の発言 (本会議)
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○国務大臣(小渕恵三君) 市田忠義議員にお答え申し上げます。
まず、私の就任以来の講じた経済政策についてでございます。
これまで私は、日本経済を再生させるため、まず総合経済対策の実施に全力を挙げてまいりました。あわせまして、金融機能再生法及び金融機能早期健全化法を車の両輪とする法的枠組みを整えました。さらに、経済戦略会議を発足させ、国民の将来に対する自信と安心を高める政策等を検討することといたしました。このように、私は、政権発足以来、思い切った施策を果断に決定し、実行に移してまいったつもりであります。さらに今般、緊急経済対策を取りまとめたところでございます。
次に、消費税減税についてお尋ねがございました。
消費税率の引き上げを含む税制改正は、少子・高齢化の進展という我が国の構造変化に税制面から対応するものでありまして、我が国の将来にとって極めて重要な改革であったと考えます。消費税に限らず、税は低い方がいいという面はありますが、税財政のあり方を考えましたとき、消費税率の引き下げは困難であり、この点、国民の皆さんにも御理解をいただきたいと考えます。
なお、消費税減税が当面の景気に与える影響につきましては、税率引き下げの実施までの間に相当の買い控えが発生するなど、さまざまな問題もまたあることを考えなければならぬと思います。
次に、解雇規制と人減らしの抑制についてお尋ねがありましたが、解雇につきましては、判例の考え方を踏まえて労使間で話し合われるべきものでありまして、一律に規制するような立法措置を講ずることは適切でないと考えます。政府といたしましては、緊急経済対策を迅速かつ効果的に実施するとともに、雇用活性化総合プランに基づき、雇用の維持安定に努めてまいりたいと考えております。
次に、サービス残業の解消についてお尋ねがありました。
サービス残業の実態を統計的に把握することはなかなか困難であります。時間外労働の適正化につきましては、これまでも重要課題として取り組んできており、今後とも、さきの国会で成立をいたしました改正労働基準法に基づく時間外労働の上限基準が労使に遵守されるよう的確に指導することなどにより、長時間残業の抑制を図ってまいります。
次に、介護、福祉、教育、防災分野における人材の確保についてお尋ねがありました。
福祉等の分野におきまして必要とされる人材の育成は、厳しい雇用失業情勢の改善のためにも重要でありまして、必要となる教育訓練の機会を確保するなど、国民生活に必要な分野での人材の育成に全力で取り組んでまいります。
次に、緊急経済対策について御指摘がございました。
今般の対策におきましては、社会資本の整備につきまして、景気回復への即効性や民間投資の誘発効果、地域の雇用の安定確保の観点から、従来の発想にとらわれることなく、二十一世紀を見据え、真に必要な分野、具体的には情報通信・科学技術あるいは環境、福祉・医療・教育などの分野に大胆に重点化することといたしております。
この緊急経済対策を初めとする諸施策を強力に推進することによりまして、不況の環を断ち切り、平成十一年度には我が国経済をはっきりプラス成長に転換させ、平成十二年度までには経済再生を図るよう、これまた内閣の命運をかけて努力をいたしておるところでございます。
公共事業についてお尋ねがありました。
今般の緊急経済対策におきまして、社会資本の整備につきましては、従来の発想にとらわれることなく、申し上げましたように二十一世紀を見据えて真に必要な分野、情報産業・科学技術、環境、福祉・医療・教育などの分野に重点化いたしておりますが、また、その実施に当たりましては、地方財政の運営に支障が生じないよう配慮するとともに、コスト縮減、費用対効果分析の活用などを通じ、効率的、効果的な実施を図ってまいりたいと考えております。
次に、個人所得課税の恒久的減税につきまして、減税額が少なくなる所得階層がどのぐらい生じるかとのお尋ねがありましたが、本年の定額方式は、課税最低限が極端に高くなるなど所得税制として本来好ましくはないが、できる限り早期に減税を実施するために臨時異例の一年限りの措置としてとったものであります。来年以降の定率減税は恒久的な減税として行うものでございまして、一年限りで打ち切られる特別減税と単純に比較することは適当でないと考えております。
次に、日米防衛協力のための指針及び関連法案等に関するお尋ねでありますが、指針に明記したとおり、日米両国の行為は国際法の基本原則、国連憲章等、国際約束に合致するものでありまして、関連法案等でもこの原則に変更はありません。また、対米協力を行うか否か、いかなる協力を行うかは我が国が主体的に判断いたしますので、指針及び関連法案等が米国の軍事行動に無批判に追従、加担するものとの批判は当たらないものと考えます。
周辺事態安全確保法案に基づく活動についてお尋ねがありましたが、本法案に基づいて実施することを想定しております後方地域支援等の活動は、侵略に加担するものではなく、また、それ自体は武力の行使に該当せず、米軍の武力の行使との一体化の問題が生ずることも想定されないものであります。したがいまして、憲法との関係で問題を生ずることはございません。
次に、平和条約交渉における日ロ双方の提案についてのお尋ねでありました。
これらの提案は、現在継続中の交渉の内容にかかわる問題であります。その内容を明らかにできないことについてはぜひ御理解を願います。
平和条約交渉につきましては、従来から我が方の一貫した方針に従い、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結し、もって両国間の関係を完全に正常化すべく全力を尽くしておるところでありまして、今後ともこの考えに基づきまして交渉を進めてまいりたいと思っております。
千島列島の扱いについてお尋ねがございました。
サンフランシスコ平和条約におきまして、我が国は同列島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄いたしております。一方、北方四島は我が国固有の領土であります。政府といたしましては、このような従来からの一貫した立場に基づきまして、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結すべく、引き続き全力を傾注していく考えであります。
次に、NEC関連企業との装備品調達契約をめぐる水増し請求、過払いについてお尋ねがありました。
日本航空電子工業、日本電気及び日本電気電波機器エンジニアリングにつきましては、現在その規模等を明らかにすべく、特別調査などを実施いたしておるところでございます。なお、立件されました東洋通信機及びニコー電子につきましては、過去五年間にさかのぼって国損額を算定し、その返還を早急に実現してまいる所存でございます。
防衛庁の調達品に関する水増し等のお尋ねでありましたが、防衛庁調達実施本部では、今回の過払い事案の反省を踏まえ、今後五年間で一般確定契約を主体とする企業約二百八十社を中心にそれぞれ個別に綿密な調査を行うとともに、再びこのような事案が起こらないよう、防衛庁として防衛調達機構・制度の抜本的改革に取り組み、防衛調達の透明性の向上を図ってまいる所存でございます。
防衛調達の公開性に関する御質問でありましたが、防衛装備品はその特殊性から製造会社が限定をされ、随意契約による調達が多くならざるを得ない事情にありますが、再び今回のような事件を起こさないよう、防衛調達の透明性の向上を図るべく、企業間の競争原理を活用する施策を講ずるほか、第三者監視機関によるチェック体制の確立等の施策に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、救難飛行艇をめぐる疑惑及び自民党への政治献金の割り当てについてお尋ねがありましたが、救難飛行艇をめぐる疑惑に係る事件の真相につきましては、今後の捜査等で明らかにされると考えます。また、報道されているような自民党への政治献金の割り当てを防衛庁が行ったという事実は、防衛庁で十分調査いたしましたが、確認されていないと承知いたしております。
来年度の防衛関係費の編成についてお尋ねがありましたが、これにつきましては、我が国の安全保障上の観点と経済財政事情等を勘案いたしまして、節度ある防衛力の整備を行うことを基本とし、調達価格の抑制等、あらゆる経費につきまして合理化、効率化を図りつつ、所要の編成を行っていくべきものと考えております。
政党助成金についてのお尋ねがございました。
まず、使途制限の問題につきましては、政党助成法は政治活動の自由を阻害することのないよう、その使途は制限しないこととされております。
次に、政党財政のあり方との関係につきましては、この政党交付金は、議会制民主政治における政党の重要性や政治改革の趣旨を踏まえて導入されたものと承知をいたしており、民主政治の発展に重要な意義を持つ制度であります。
また、政党交付金の各政党への配分との関係で、政党支持の自由を制限するとの御指摘については、その配分は得票数割と議員数割により算定されるものでありまして、また個々の国民の政党支持の自由を何ら制限するものではありません。
最後に、解散についてのお尋ねがありましたが、我が国は現在、国家的危機ともいうべき内外とも困難な状況にあります。まずは我が国の経済再生に向け、あらゆる施策を果断に実行していくことこそこの内閣の最大の使命であります。改めてこのことに思いをいたすとき、安定的で確固たる政権運営に全力を傾注すべきであり、解散は全く念頭にございません。(拍手)