小渕恵三の発言 (本会議)

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○国務大臣(小渕恵三君) 渕上貞雄議員にお答え申し上げます。
 まず最初に、自由民主党と自由党の合意についてお尋ねがございました。
 既にお答えいたしている点もありますが、改めてお許しをいただきまして、私どもの考え方を申し述べさせていただきます。
 私は、この経済危機を乗り越えて国家の発展と国民生活の安定を図り、明るい未来を切り開いていくことがこの内閣の最大の使命であり、また政治に課せられた最大の責任であると認識いたしております。こうした政治に課せられた責任を全うするために、経済再生を初めとする必要な施策を適時適切に実行していくことが不可欠であると考えております。
 しかるに、さきの臨時国会の最大の課題でありました金融関連法案の審議の経緯は経緯としながらも、私としては、現下の難局を切り開き責任ある政治を実行していくために、より安定的な形での政権運営、できればよりかたい形でともに政権に協力し合う形が望ましいと考え、そのための方策について真摯に模索してまいりました。
 こうした問題意識に立ちまして、自由民主党と自由党との間で真剣な話し合いを重ねた結果、私と小沢党首との間で、国家と国民のため政権をともにし、責任ある政治を行うことで合意いたしたところであります。
 以上、自由党との合意の経緯や背景について申し述べさせていただいたところでございます。
 次に、議員定数の削減の問題につきまして、参議院改革との関連でのお尋ねがございました。
 この問題につきましては、自由民主党と自由党との間で協議を開始することといたしたところでありますが、特に参議院におかれましては、この問題が参議院改革の一つの課題として位置づけられているものと承知をいたしております。したがいまして、各党各会派におかれましても十分な御論議を深めていただきたいと考えております。
 次に、地方分権推進委員会第五次勧告に関しまして、今回の省庁再編は省庁を大くくり編成し、その一環として国土交通省を設置するものでございます。同省の公共事業については、中央省庁等改革基本法及び地方分権推進委員会第五次勧告に即し、国と地方の役割分担の見直しや統合的な補助金制度の導入を進めるとともに、地方支分部局への権限の委譲等を行うことによりスリム化に努めてまいりたいと考えております。
 次に、国と地方の歳入歳出の割合の乖離についてのお尋ねがありました。
 地方分権推進計画にもありますように、国と地方の歳出純計に占める地方の歳出の割合は約三分の二であるのに対し、租税総額に占める地方税の割合は約三分の一となっており、歳出規模と地方税収入との乖離が存在をいたしております。地方税につきましては、地方分権推進計画を踏まえまして、基本的にこの乖離をできるだけ縮小するという観点に立ちまして、課税自主権を尊重しつつその充実確保を図ってまいりたいと考えております。
 次に、国民の不安の解消策についてのお尋ねでございました。
 特に年金、福祉、医療、介護等の社会保障制度につきましては、国民の信頼にこたえ、将来にわたりまして安定的に運営できる社会保障制度を構築していくことが必要であることは申すまでもございません。このため、経済との調和を図りつつ、必要な給付は確保しながら、制度の効率化や合理化等社会保障制度構造改革に引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
 介護保険制度は、保険者である市町村を国と都道府県、医療保険者が重層的に支える仕組みとなっております。このような仕組みによりまして、将来のさらなる高齢化の進行のもとでも、各市町村における安定的な財政運営が図られるものと考えており、御提案の介護保険基金の趣旨は必ずしも明らかではありませんが、新たにそうした基金を今設けるということは考えておりません。
 次に、飲食料品にかかる消費税額戻し金制度についてでございますが、実務的に対象者の本人確認や対象者の所得を的確に把握するための制度がない現状におきましては、二重給付や不正な受給を防止できないという難しい問題があると考えております。
 次に、雇用の問題でございますが、雇用の創出・安定策についてお尋ねがございました。
 緊急経済対策における雇用活性化総合プランによりまして、このミスマッチ解消や雇用維持等を図るほか、社会資本整備等同対策に盛り込まれた施策を総動員いたしまして、百万人規模の雇用の創出・安定に全力で取り組んでまいりたいと思います。
 次に、公共事業による雇用促進についてのお尋ねもございました。
 公共事業は地域の雇用確保に資する重要な事業であり、政府といたしましては、第一次補正予算による追加事業の早期執行、緊急経済対策による社会資本の重点的整備を推進いたしまして、雇用の安定・創出に努めてまいります。
 なお、個々の工事におきましての失業者の雇用を義務づけることは、種々の問題があるものと考えております。
 次に、安定的雇用が景気回復のために重要であるとの御指摘でございます。
 緊急経済対策を迅速かつ効果的に実施いたしますとともに、雇用活性化総合プランに基づきまして、新規雇用創出、労働者の就職支援、ミスマッチの解消によりまして雇用の確保に努めてまいるとともに、このような施策によりまして国民の雇用に対する不安を払拭することが日本経済の早期回復に資するものと考えております。
 次に、社民党のスーパーゴールドプランの策定に関連いたしまして、御紹介をされながら、百万人規模のホームヘルパー等の雇用創出の御提言をいただきましたが、訪問介護員、ホームヘルパーの雇用についてのお尋ねにつきましては、これまでも新高齢者保健福祉推進十カ年戦略、新ゴールドプランに基づきまして、その確保に現在着実に取り組んでおるところでございます。
 新ゴールドプラン終了後のホームヘルパーの養成などの施策につきましては、各地方自治体が作成する介護保険事業計画をも踏まえまして対応してまいりたいと考えております。
 新事業創出促進法案についてお尋ねでありました。
 この法案は、今後の雇用機会の担い手として期待し得る新たな事業の創出を促す観点から、幅広い政策支援の体系の構築を目指すものであります。御指摘のような例も含めた多様な形態の創業につきましては、信用保証の創設、中小企業事業団による助成、政府の研究開発予算の中小企業への支出目標の導入などの支援を幅広く行ってまいりたいと考えております。
 次に、年金問題につきましてお尋ねがございました。
 基礎年金の国庫負担率を来年度二分の一へ引き上げるべきとの御意見でありましたが、基礎年金の国庫負担率の引き上げにつきましては、莫大な財源を必要とすることから、現下の厳しい財政状況等にかんがみ、今回の年金改正で実施することは困難であると考えております。
 基礎年金の国庫負担の問題につきましては、新たな財源確保のための具体的方法と一体として検討する必要がございまして、将来の検討課題として、国の財政状況等を踏まえつつ、国民負担全体のあり方、社会保険料と税の役割のあり方等とあわせて議論すべきものと考えております。
 また、基礎年金の財源を最終的に全額国庫負担へ移行すべきとの御意見でありましたが、全額国庫負担による税方式につきましては、給付と負担の関係が明確である社会保険方式の長所が失われること、年金の性格が生活保護と類似のものに変化し、資力調査等の導入による給付制限が避けられないのではないかといった問題点があり、慎重な検討が必要であると考えております。
 介護保険の保険料についてのお尋ねでありましたが、市町村間の財政力の格差につきまして、国費を財源とする調整交付金等によりまして調整されることになりますが、サービスの充実度に違いがある場合には、保険料の水準が異なることもあると考えております。このため、新ゴールドプランを着実に推進すること等によりまして、均衡のとれたサービス基盤の整備を進めてまいりたいと考えております。
 福祉の経済効果について御質問でありましたが、所得保障や各種サービスの提供を行う社会保障制度は、安定した購買力を国民に付与したり、新たな産業や労働需要を創出することにより、経済の発展に寄与するという積極的な役割を果たす面もあると認識いたしております。
 一方、今後の本格的な少子・高齢化の進行に伴いまして、社会保障に係る給付と負担の増大が見込まれることから、二十一世紀においても経済の発展、社会の活力を損なわないよう、新ゴールドプランの推進など国民の新たな需要に適切にこたえつつ、制度の効率化や合理化を進めるなど、社会保障構造改革に引き続き取り組んでいく必要があると考えております。
 次に、政治改革関連法案についてのお尋ねがございました。
 私は、所信表明演説で述べましたように、政党助成金の不正使用疑惑により同僚議員が逮捕されたことはまことに遺憾であり、こうした事件が再び起きないよう、政治家個人が厳しく身を律していかなければならないと考えております。また、政治が国民から十分信頼を得られますよう、御提案をいただいております政治改革関連法案の早期成立を期待いたします。
 次に、国会議員等の入札干渉等の処罰等に関する法律案についてお尋ねがございました。
 この法案は、公の入札などの公正の確保を図り、あわせて政治倫理の確立に資する見地から、自由党の議員立法として提出されたものと承知をいたしております。政府といたしましては、このような国会議員等の政治倫理の確立に資する法律案につきましては、まず各党各会派で十分御議論いただくことが基本であると考えており、その結果を踏まえまして適切に対処してまいりたいと思います。
 次に、日韓問題についてでありますが、排他的経済水域内における水産資源対策についてお尋ねがございました。
 日韓漁業協定による新しい漁業秩序のもと、漁獲可能量制度の的確な運用や栽培漁業センターの整備等によりまして、適切な資源管理と積極的な水産資源の確保対策を推進いたしてまいります。
 漁業者の経営安定対策についてお尋ねでありました。
 新しい漁業秩序のもとで、関係漁業者の経営の安定を図るよう、必要な対策を実施するための振興基金の創設等を第三次補正予算案に計上することといたしております。
 男女共同参画についてのお尋ねがありました。
 先般、男女共同参画社会基本法に関する答申におきまして、人権尊重や差別的取り扱いの撤廃が盛り込まれており、政府といたしましては、この答申を踏まえ、法律案を次期通常国会に提出することといたしております。また、政府の国内行動計画であります男女共同参画二〇〇〇年プランにおきましては、男女共同参画の視点に立った社会制度等の見直しについて盛り込まれております。今後とも、男女共同参画社会の実現は政府の最重要課題であるとの認識のもと、最大限の努力をいたしてまいりたいと思っております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 114415254X00319981202_016

発言者: 小渕恵三

speaker_id: 19131

日付: 1998-12-02

院: 参議院

会議名: 本会議