小渕恵三の発言 (本会議)
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○国務大臣(小渕恵三君) 小川勝也議員にお答え申し上げます。
まず最初に、いわゆる総量規制についてお尋ねがありました。
平成二年三月に導入された総量規制は、総合的な土地政策の一環として、金融面からも地価問題に積極的に対応し、金融機関の土地関連融資を融資全体に対して均衡のとれた水準にするとの政策目的から講じられたものであります。したがいまして、この措置のみの評価申し上げることは極めて難しいところでありますが、当時の地価をめぐる状況を踏まえれば、適切な措置であったと考えております。
過去の対策についてお尋ねがありました。
九〇年代に入ってからの累次の経済対策による公共投資の増加につきましては、バブル崩壊後の民間部門の設備投資の落ち込みを相殺する形で、景気がスパイラル的に悪化していくのを防止し、その下支えに貢献してきたものと考えております。また、減税は、可処分所得の増加を通じて個人消費にプラスに働き、さらに、民間部門のマインドの好転にも寄与したと考えられ、他の施策と相まって景気に効果的に作用したと考えております。
橋本内閣の経済政策についてお尋ねでしたが、政府としては、昨年来、二十一世紀を切り開く緊急経済対策、二兆円規模の特別減税に加え、金融システム安定化対策の迅速かつ的確な執行に努めてまいりました。さらに、四月には総合経済対策を策定いたしました。このように、その時々の経済状況に応じて財政・金融両面にわたり、可能な限りの措置を講じてきたところであります。
現内閣といたしましては、緊急経済対策を初めとする諸施策を強力に推進することによりまして、不況の環を断ち切り、平成十一年度には我が国経済をはっきりしたプラス成長に転換させ、平成十二年度までに経済再生を図るよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。
景気が回復した後の経済政策についてでございますが、今般の緊急経済対策における景気回復策は、二十一世紀型社会の構築に資するよう、即効性、波及性、未来性の三つの観点を重視して取りまとめたものであります。当面は公的需要を中心に景気の下支えを図りながら、民間消費などの回復を通じた民需主導の経済発展に円滑にバトンタッチすることを目指すとともに、景気回復の動きを中長期的な安定成長につなげるため、二十一世紀の多様な知恵の時代にふさわしい社会の構築に向けた構造改革を推進してまいります。
経済の現状及びそれに対する対応についてお尋ねがありました。
現下の日本経済は、金融機関の経営に対する信頼の低下や雇用不安などを背景として、家計や企業のマインドが冷え込み、消費、設備投資、住宅投資が低迷している状況にあり、地価や株価の低下と相まって企業や金融機関の経営環境を厳しいものにいたしております。さらに、貸し渋りや資金回収を招くという、いわば不況の環とも呼ぶべき厳しい状況の中にあります。
今般の緊急経済対策は、失業者をふやさない雇用と起業を推進することを目標に掲げておりますが、本対策を初めとする諸施策を強力に推進することによりまして、不況の環を断ち切り、国民の間に生まれている我が国経済社会の将来に対する不安感を払拭するため全力を尽くしてまいりたいと思います。
次に金融問題でありますが、大手十八行の不良債権額についてのお尋ねがありました。
不良債権問題につきましては、不良債権のディスクロージャーの拡充等により、金融機関経営に対して市場規律を徹底し、早期処理を促進することが必要であることは申すまでもありません。このような観点から、不良債権額のディスクロージャーにつきましては、従来からその拡充を促しているところでありますが、また、リスク管理債権額につきましては、来年三月期から罰則つきの開示を義務づけておるところであります。
大手銀行に対する資本注入についてのお尋ねでありましたが、今般の資本増強制度におきましては、金融機関等の自助努力、情報の適切かつ十分な開示等を基本的な原則といたしまして、また、金融機関等が適切に資産の査定、償却、引き当て等を行うことを前提といたしております。政府といたしましては、この制度の趣旨を踏まえ、我が国金融システムの再構築と経済の活性化が図られるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。
橋本行革への評価についてお尋ねがありました。
中央省庁改革は、本年六月に成立した中央省庁等改革基本法に基づき、二十一世紀に国が果たすべき機能を十全に発揮するため、中央省庁のスリム化を行うとともに省庁の大くくり再編を行うものでありまして、本内閣におきましても最重要課題の一つとして、強い決意でこれを推進してまいりたいと思っております。
行政改革についての哲学と決意についてお尋ねがありました。
行政改革は、国の行政組織及び事務事業の運営を簡素かつ効率的なものにするとともに、その総合性、機動性、透明性の向上を図り、これにより戦後の我が国の社会経済構造の転換を促し、自由かつ公正な社会の形成を目指そうとするものであります。このような認識に立ちまして、最重要課題であります中央省庁等改革に全力で取り組むとともに、規制緩和、地方分権など、さまざまな課題につきましても、強力にこれを推進してまいる決意であります。
国土交通省に関するお尋ねがありました。
今回の省庁再編は、省庁を大くくり編成し、その一環として同省を設置するものであります。同省の公共事業については、中央省庁等改革基本法及び地方分権推進委員会第五次勧告に即し、国と地方の役割分担の見直しや統合的な補助金制度の導入を進めるとともに、地方支分部局への権限の委譲等を行うことによりスリム化に努めてまいりたいと思います。
情報公開法の制定についてお尋ねがございました。
情報公開法は、国民に開かれた行政の実現を図るために重要な法律であると私も認識しております。このことはこれまで申し上げてきたところでありますが、今後とも与野党間で十分な御論議をいただき、速やかに国会において成立させていただきたいと考えております。
次に、文教関係で、教職員配置改善についてでありますが、現在、一人一人の個に応じた多様な教育を展開することができる教職員配置を柱とする第六次改善計画を推進し、鋭意取り組んでおるところでございます。厳しい財政状況の中ではありますが、教育の重要性にかんがみ、現行改善計画につきましては十二年度完成に向けて着実に推進してまいります。
教育の理念についてのお尋ねもありました。
次代を担う子供たちがたくましく、心豊かに成長することは、二十一世紀を確固たるものとするための基本と考えております。このことを踏まえ、国、地方公共団体、学校、家庭及び地域社会がそれぞれの基本的役割を果たしつつ、相互に連携を図ることを重視し、今後とも教育改革に取り組んでいく所存であります。
次に、食糧安全保障並びに食糧自給率についてのお尋ねがございました。
食糧を安定的に供給していくことは、申すまでもなく国の基本的責務であり、そのために国内農業生産を基本に位置づけ、各般にわたる政策を講じていくことが重要であると考えております。また、食糧自給率の目標につきましても今後検討を進めまして、関係者の努力喚起及び政策推進の指針として適切に策定いたしてまいりたいと考えております。
次に、直接所得補償についてのお尋ねがありました。
なるほどヨーロッパで実施されております直接所得補償は、価格支持水準の削減の見返り等として行われておるものでありまして、我が国農業情勢に照らした場合、そのまま適用することには困難な事情があると思います。いずれにいたしましても、農業経営の安定は重要な課題であり、そのあり方につきましては、農政改革の中で十分検討してまいりたいと思います。
次に、防衛庁長官に対する本院の問責決議についてでありましたが、本決議の重みは十分承知をいたしております。国民の信頼回復のため、防衛庁における証拠隠し疑惑をめぐる真相の解明や調本組織の徹底的見直しなど、再発防止策の推進に全力を尽くすことが額賀前長官の責務と考えてまいりましたが、先月末、同庁の改革に道筋をつけたことを受けまして、同長官から辞職の申し出がありましたので、これを許可いたしたところであります。
装備品調達制度の改革案についてでありますが、今般の背任事件に関し、問題点をきっちり解明して十分な体制を構築するようにとの私からの指示を受け、額賀前防衛庁長官を中心に防衛調達改革の基本的方向が取りまとめられたところであり、これを踏まえ、企業間の競争原理を活用する施策を講じるほか、内部監査機能強化の観点からの機構改革、第三者機関によるチェック体制の確立等の施策に取り組んでまいる考えであります。
継続審議となっております国家公務員倫理法案や政治改革関連法案についてお尋ねがありました。
私は、所信表明演説でも明らかにいたしましたとおり、公務員や政治家それぞれが厳しく身を律し、みずからの職務を全うするよう強く求めるとともに、行政や政治のいずれもが国民から十分な信頼を得られるよう、議員立法として御提案をいただいておる国家公務員倫理法案や政治改革関連法案の早期成立を期待いたしておるところでございます。
国会議員等の入札干渉等の処罰等に関する法律案についてお尋ねがありましたが、政府といたしましては、このような国会議員等の政治倫理の確立に資する法律案につきましては、まず各党各会派で十分御議論いただくことが基本であると考えており、その結果を踏まえて、適切に対処してまいりたいと考えております。
次に、環境政策についてお尋ねがありました。
環境政策は、国民の健康を守り、良好で快適な生活環境の確保を図るとともに、すぐれた自然環境やかけがえのない地球環境を保全する上で極めて重要であると認識いたしております。私は、大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済社会システムを見直し、循環を基調とした、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を実現してまいりたいと考えております。
最後に、二十一世紀における価値観についてお尋ねがありました。
これを一概に論ずることはなかなか難しいものの、一般論として、これまで以上に個人の選択肢や価値観が多様化、多元化していくものと見込まれ、その中で個々人が自己責任に基づき自由に選択、決定していくようになると考えられます。
また、二十一世紀におきまして、我が国の経済社会全体としていかなる社会を目指すのかという点につきましては、私の目指すものは、国内的には一人の能力がより自由で、より公正な形で最大限発揮できるような活力ある社会であって、同時に安全や生活のよりどころなど安心が保障される社会であり、その結果、経済的な繁栄にとどまらず、国民が誇りに思うことができ、同時に国際社会の中で信頼されるような国家、いわば富国有徳を目指すべきものと考えております。
以上、御答弁申し上げます。(拍手)
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