土肥隆一の発言 (厚生委員会)

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○土肥委員 ですから、公務員としての役割も持っていると、ますます責任は大きいわけでございまして、多面的な働きをしていただかなければならない。
 大和川病院の例がすべてではございません、最もあしき例だと思いますけれども、しかし、これが私が取り上げてから五年間放置されたということも含めて、あるいはその前からさまざまな問題があって、それも含めてないがしろにされてきた。指定医はほとんど機能していない。
 これは大阪府がつくった報告書でございます。「安田系病院問題に対する大阪府の取り組み」、平成十年十一月、大阪府が発行したものでありまして、私が読む限り、かなりの改善とか、あるいは自分たちの仕事が不十分であったということを認めておりまして、大変正直には書かれているのですけれども、同時に、今度は患者さんサイドの裏づけをしなければならない、あるいは人権問題などを扱っている市民団体の意見も聞かなければいけないわけであります。
 大和川病院の報告書だけでも、例えば、診察回数は月一回だったというのが三一・八%あるのです。月一回もなかったという人が四・六%いるのです。これは、大阪府が転退院をした後の患者さんのお一人お一人に会ってアンケート調査をしたのです。二百八十一例でございます。調査不能が六十四となっております。
 お医者さんはきちんと診察してくれましたかというだけで、いいえというのが四五・二%もあるのです。薬の説明はしない、退院までずっと同じ薬を飲んでいたという人もいるわけですね。看護婦さんの態度は、何を言っても聞いてくれない、余り姿を見なかったとも出ております。
 それから、冷暖房はない、ロビーのみ冷暖房があったとか。あるいは電話の使用。もう本当に精神病院の一番基本的に許されている電話をかけるという自由すら、詰所の中と外に移動できるようになっておりまして、一日に一、二時間だけ許可いたしまして、その後は全部詰所の中に入れてしまうわけであります。そして、全体で一回五百円分の十円玉しか用意しなくて、患者さんたちはその五百円分の十円玉の中で一枚、二枚と使っていく。ですから、電話の自由というのが許されていない。
 それから、手紙も制限されている、検閲すらする。面会などは、日曜、祭日はだめだと表に堂々と張り紙がしてありまして、面会時間は十分から十五分程度で終わってください、そのように書いてあるわけですね。外出はもう本当に許されない状況であります。暴力や暴言があったり、あるいはやくざまがいの人が入院患者におってその人が取り仕切っていたり、とにかく、この病院は一体何なんだ、どうしてこういうことになったんだということを考えるときに、私はもう本当に途方に暮れてしまう思いがいたします。
 そこで、指定医がこういう状況を見て、本当にこれは何とかしなきゃいけないと思ったのかどうかわかりません。それくらいの感じがいたします。先ほども言いましたように、すっかり病院管理者に牛耳られているということでございます。
 ですから、この法案、三十七条の二ができたわけでありますから、今度はしっかりと調査をしていただきまして、本当にこの項が生きてくるのかどうか。そして、指定医の身分上あるいは地位上の保全もしてあげなきゃいけないし、公務員的な働きもするわけでありますから、処遇面というか、給料についてもやはり相当いいものを用意する。そのことによって初めて良心的な精神科医が生まれるであろうし、また大勢のお医者さんたちが精神科医を目指すということもあろうか、私はこう思うわけであります。
 そういう現状とこの法文の、例えば大和川病院における例を挙げましたけれども、到底これは不可能な話だというふうに感じております。今回この法案でこれ以上のことを言っても仕方がないわけでありまして、ぜひともこれは今後の五年で検証させていただきたい、このように思う次第であります。
 次に、私は、きょうは病院の関係の微妙な点だけを質問させていただいているわけでありますが、例えば、今度は患者さんの場合ですけれども、退院等の請求が三十八条の四に出てまいります。法文を読みますと、「精神病院に入院中の者又はその保護者は、厚生省令で定めるところにより、都道府県知事に対し、当該入院中の者を退院させ、又は精神病院の管理者に対し、その者を退院させることを命じ、若しくはその者の処遇の改善のために必要な措置を採ることを命じることを求めることができる。」と。これは大変な条文ですね。この一点だけで、退院を希望する患者さんがこんなにも自分の立場が認められているのかと思えば、それはもう喜ぶだろうと思うのです。だけれども、これも現実的に行われているのかどうか、行われるのかどうか、それを私は大変疑うわけであります。
 法文上は大変立派です。だけれども、一たん入院しますともう出てこられないのじゃないか。任意入院は医療入院に切りかえられ、そして面会は許されず、外出も許されず、そのうちに社会的な適応が無理になってきますと病院にいるしかないというふうな患者さんが何万人といると私は感じます。
 この条文は一体具体的にはどういうところに使われるのでしょうか、お答えいただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 土肥隆一

speaker_id: 29990

日付: 1999-05-19

院: 衆議院

会議名: 厚生委員会