柳沢伯夫の発言 (行政改革に関する特別委員会)
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○柳沢国務大臣 少し時間がたちまして、必ずしも記憶が明確というわけではありませんけれども、先生からの御質問ということで、少し思い出しながらお話をさせていただきます。
今回、行政改革におきまして、私はかなり早い段階からタッチをする、事務局長を務めるということをさせていただいてまいりました。どういう切り口でやるかというときに、いろいろなスローガンがありまして、やはり官から民へということが非常に大きなテーマである、こういうように考えたわけでございます。
日本の国、東洋の国が主としてそうかと思いますけれども、やはり天子様の官僚組織というか、官に行けば、とにかく森羅万象、何でも相談に乗って問題を解決してくれる、こういうことで店が広がっている、これが中央官庁組織と言ってよかろうかと思います。これを本当に、民の活躍の場、官から離れて民が自由奔放にその力を発揮するような場にするというには一体どうしたらいいだろうかということを考えたときに出てきたのが、ルール化ということでございます。
えてして、日本の官僚組織がやってきた今までの行政というのは、設置法による行政までも認めてしまう、そういうやり方でございました。これは断固、近代の法治国家のもとでは本当はもう認められてはならないものでございますけれども、長い伝統のもとでそういうことが認められてきたという惰性が続いておったというふうに思います。
そこで、私どもは、作用法がないところには行政はないんだ、こういうようにしなければいけない。国民に働きかけるんだったら、作用法をちゃんと国会で制定してもらって、それに基づいてやるんだ、こういうことでなければいけない。もやもやした設置法で物すごい裁量を行うというような行政のスタイルは断固ここで断ち切らなければいけない、このように考えました。
それには、今のように企画立案と執行とが同居をしていたのでは、全くこれは言うべくしてでき得ない。このように思いまして、私どもは、企画立案の部門と執行の部分というものを截然と分かって、執行の部分、つまり国民に直接働きかける、国民との間に接触を持つ行政機関というものはすべからく行政法を背負った行政機関でなければならない、こういうことを考えて、そういうものを独立の組織としよう、これが考えた第一のテーマでございました。これによって透明性を確保しようという考え方でございます。
〔委員長退席、杉山委員長代理着席〕
それからもう一つ、何といっても、企画立案と執行が一緒になっていれば、これは仕事をつくる人と仕事をやる人が一緒になっているということであります。私仕事つくる人、私仕事やる人ということになりますと、勢い、仕事をつくる人は仕事をふやしてしまう。ここで行政の肥大化が戦後どんどん膨れていった。
私は、自分の先輩の天下りのための就職先をつくったなどとは申しませんけれども、そういう面もひょっとしてなきにしもあらずではなかったか、こういう思いもありました。こういうことをやらせないためにも、仕事をつくる人というものは仕事をやる人と截然と分かたなければならない、このように考えて独立行政法人というものを考えました。
最後に、もう一つは、批判とか評価とかというものに行政がたえるものでなければならない。これも、企画と立案が一緒になっていたら、評価も批判もできないわけです。無限定の仕事を持っているものに対して、どういう評価ができ、どういう批判ができるでしょうか。これは不可能でございます。
私どもは、目的をはっきりして、目標がはっきりした行政をしている、そういうものでなければ批判も目標設定もできない、このように考えまして、世上、カンパニー制なんというような、きのう田中慶秋先生がおっしゃっていましたけれども、あそこは何をしているかということをわかりやすくする、こういうことを私どもは志向したわけであります。
今日どうかということですが、今回は通則法の制定のみだそうでございまして、実は、細田先生、私が今エージェンシーの長をやっているんです。三条委員会の委員会制のもとではありますが、私は今、二つの作用法を背負って行政をしている。みんなから見られて、やることはすべて国民監視のもとで行われている。こういう行政組織をつくりたいというのが我々の当初の議論でございまして、先ほど山口先生が言ったように、いろいろ悔いはありますけれども、よくここまで来た、これをさらに大きなものにしていくことによって、日本の官から民へというものが本当の意味で実現するのではないかと期待をしております。