古賀一成の発言 (行政改革に関する特別委員会)

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○古賀(一)委員 私は、いわば、この法律が地方分権推進法という名前のとおりの法律であるだろう、そしてまたあってほしい。しかし、今そうはなっていない、これがまず先行したんだ、その説明はわかります。だから、今後のことのために、いわばこの分権推進法という法律、分権推進という名前を入れるならば、あるべきであった措置の第一番目として財源がこれには入っていない、それなら財源を今後しっかり考えるべきだという点を言いたいことと、ほうっておけば、これはまた霞が関任せ、政治は発信をしない、どういう方向で財源をつくるべきかというのを、また私は役所任せになると思うのです。
 そのときにまた、介護保険がそうだったのか財政構造改革法がそうだったのかと、いろいろ評価の分かれるところでありますけれども、私は、やはり役所は政治の発信なしに任されるから困っている面もあると思うのですね。やはりそこは、財源についてはぜひとも、これは総理大臣マターだと思うのですが、今後埋めていく、措置をしていくというお話ですから、しっかりとした私は政治の発信、そして国会におけるしっかりとした政治のチェック、こういうものがあるべきだと思います。
 この財源については、今ちょっと大臣の方から反論がございました。この分権法については市町村合併も入っておるという、それは確かにそうでございます。
 これはでも、私は、説を曲げないという頑固さから言うわけじゃありませんが、基本は機関委任事務の整理関係だけであります。国の関与もしかりであります。紛争処理の機関設置も機関委任事務の仕分けに伴うものでありまして、私は、市町村合併については、これまで三年にわたりまして地方行政委員会で強く言ってまいりました。それをこの機会に、地方自治法の改正もあるからついでに入れたというのが実態でありまして、私は、あくまでこの法律は機関委任事務の整理法というふうにやはり言うべきだろう、かように思うわけであります。
 それで、今の大臣の答弁の中で、漠とした財政危機に関する意見の開陳がございましたけれども、私は、これは容易ならざる状況だろうと思っております。
 地方交付税という今お話がございました。地方の一般財源を今後ふやしていく措置も、法律を抜きにやるんだ、この法律は関係なくいろいろな手だても講じつつあるんだというお話がございましたけれども、では、交付税の問題一つとっても、これは大臣のおっしゃるようなそう簡単な問題ではないと思うのですね。
 つまり、ことしの予算で地方交付税は、あるべき地方交付税額のうち、ざっと二十兆のうち、八兆円が穴があいているわけです。穴があいているのです。その積もり積もった穴を埋めた特会借入金は、二十九兆円の有利子の借入金があるのです。だれが払っていくか、これはあてもない二十九兆円という、いわば国鉄の債務と全く一緒ですよ。そういうのがあるのです。
 そして、恐るべきことに、私は地方行政委員をやっておりますから、全委員の皆さんに訴えるつもりもございまして申し上げますが、今までの交付税というものは、東京都あるいは神奈川県、大阪、そういった大都市圏の本社を抱えたところ、人口を抱えたところ、そういうところの法人税あるいは所得税、いわば税収豊かなそういうところの税収の三二%を、国で集めて、それを所得再分配のように貧乏な田舎に、過疎山村に、税収の上がらないところに配分するシステムがまさに地方交付税制度だったんですね。
 ことしから東京都が交付金をもらうわけですよ。これは地方交付税ではないけれども、地方特例交付金といういわば交付金を東京都がもらうという状況になっているぐらい、実は今、地方財政及び地方財政を支える国側も大変なんです。この原資は何かといえば、何と孫子に対する借金ですよ。つまり、赤字国債で平成十一年度の東京都の穴埋めをやった。来年からは千二百五十億の実は赤字国債を原資とする補給金が東京都に行くという状況になっているんです。
 東京都ですらこうでありますから、ほかの自治体、私の福岡県も、太田大臣と同じ福岡でありますけれども、恐らく経常収支比率はことし、福岡もとうとう一〇〇%だろうと思うんですね。もう大阪、神奈川はとっくに一〇〇%を超えております。経常収支が一〇〇%を超えたということは、わかりやすくいえば人件費の一部が払えないということでありますから、こういう状況に立ち至っておるわけでありまして、私は、地方財政の状況、歳入歳出両面での状況は、これは火の車と言ってもいいと思うんでありまして、今回もこの分権法に入れろと言っても間に合うはずがありません。しかしながら、これは絶対に措置しなきゃならぬ。措置するときに、先ほど言いましたように、まあ霞が関皆さん、ようわからぬけれども頼むよでは、私は絶対これは中央官庁は動けないと思う。やはりそこで総理は方向性を出して、おれが責任を持つ、この方向でやれということを私は発信をすべきだと思うんです。
 その地方財政に関する第二問に私は入りたいと思います。
 私は、地方財政のうちとりわけ地方歳入について、極めて疑問というか、もう立ち行かないだろうという危機意識を持っております。これはまたこの地方分権のテーマでもあると思うんですね。私は、地方歳入の基本構造を変えない限り、地方分権は到来しないと思います。
 構造を若干申し上げますと、まず地方歳入の一番のものは、当然、地方税であります。これはもう三割自治と言われてきたわけでありまして、その三割自治という比率の低さがまず第一点。ところが、それだけじゃないですね、地方税についての従属構造は。地方税制も全部国が決めているんです。
 そして、去年もそういうことがありましたけれども、毎年のように起こります。いわゆる経済の運営を国が行って、それが特別減税がおくれたどうのこうのといったことで景気がうまくいかないと、実は年末ぎりぎりの予算編成の間際に今までの言を翻したように例えば経済対策を打つ、そういうことで自治省に指示が来て、おい、何兆円規模の地方の補正を組めと。今まで起債はまかりならぬと言っておった自治省も一変いたしまして、今度は借金しろ、地方単独もこれだけふやせ、こういったことで、つまり経済政策のしりぬぐいというか末端を担わされておるのも地方なんですね。だから、地方税一つとっても、三割自治、地方税制は国が決める、そういった従属構造があるんです。
 地方交付税は今申し上げたとおりです。これは私は決して一番すばらしい一般財源とは思いません。緩やかな中央支配の仕組みじゃないかという気すら最近してきております。そして、地方の自主的な創意工夫のマインドが、地方交付税でこの借金は措置してくれるというようなことがずっと重なってきて、地方自治体は起債も借金と思わなくなってきているような、そういう精神構造になりつつある。私はこれも大問題だと思うんです。そして補助金、そして地方債、こうなるわけでありまして、すべてが実はこの歳入について問題だらけであります。
 ちなみに、これは地方行政委員会でるる申し上げましたけれども、地方債のふえ方というのは異常でございまして、平成四年、七十兆円でございました。たった七年間で何と百六兆ふえまして、百七十六兆という恐るべきスピードで今地方債はふえております。私は、こういうことを見たときに、なぜこの地方分権法が財源のザという言葉すらないのかということについて、もう大変な心配を持つわけであります。
 どうでしょうか、今地方財政の項目を申し上げましたけれども、地方財政のこの基本構造に、今後、地方分権の立場から、いつ、どういう形で切り込んでいこうとされておるのか。先ほど言いました政治の発信といいますか方向づけと、その部分の一端でも今御披露をいただければと思います。自治大臣、よろしくお願いします。

発言情報

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発言者: 古賀一成

speaker_id: 24335

日付: 1999-06-02

院: 衆議院

会議名: 行政改革に関する特別委員会