行政改革に関する特別委員会

1999-06-02 衆議院 全367発言

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会議録情報#0
平成十一年六月二日(水曜日)
    午前九時一分開議
  出席委員
   委員長 高鳥  修君
   理事 伊吹 文明君 理事 岩永 峯一君
   理事 杉山 憲夫君 理事 虎島 和夫君
   理事 山口 俊一君 理事 小林  守君
   理事 田中 慶秋君 理事 若松 謙維君
   理事 中井  洽君
      岩下 栄一君    衛藤 晟一君
      小野寺五典君    大野 松茂君
      金田 英行君    熊谷 市雄君
      倉成 正和君    河本 三郎君
      坂本 剛二君    実川 幸夫君
      砂田 圭佑君    田村 憲久君
      滝   実君    谷  洋一君
      戸井田 徹君    中野 正志君
      細田 博之君    牧野 隆守君
      松本 和那君    水野 賢一君
      宮島 大典君    宮本 一三君
      目片  信君    森  英介君
      山本 幸三君    岩國 哲人君
      桑原  豊君    古賀 一成君
      島   聡君    中川 正春君
      中桐 伸五君    平野 博文君
      藤田 幸久君    松崎 公昭君
      山元  勉君    山本 譲司君
      石井 啓一君    石垣 一夫君
      佐藤 茂樹君    並木 正芳君
      桝屋 敬悟君    小池百合子君
      佐々木洋平君    西川太一郎君
      三沢  淳君    鰐淵 俊之君
      春名 直章君    平賀 高成君
      松本 善明君    吉井 英勝君
      濱田 健一君    深田  肇君
 出席国務大臣
        外務大臣    高村 正彦君
        大蔵大臣    宮澤 喜一君
        文部大臣    有馬 朗人君
        厚生大臣    宮下 創平君
        通商産業大臣  与謝野 馨君
        建設大臣
        国務大臣
        (国土庁長官) 関谷 勝嗣君
        自治大臣    野田  毅君
        国務大臣
        (内閣官房長官
        )       野中 広務君
        国務大臣
        (総務庁長官) 太田 誠一君
        国務大臣
        (金融再生委員
        会委員長)   柳沢 伯夫君
 出席政府委員
        内閣審議官
        兼中央省庁等改
        革推進本部事務
        局長      河野  昭君
        内閣審議官
        兼中央省庁等改
        革推進本部事務
        局次長     松田 隆利君
        内閣官房内閣内
        政審議室長
        兼内閣総理大臣
        官房内政審議室
        長       竹島 一彦君
        人事院事務総局
        任用局長    森田  衞君
        内閣総理大臣官
        房審議官    佐藤 正紀君
        総務庁長官官房
        審議官     西村 正紀君
        総務庁行政管理
        局長      瀧上 信光君
        国土庁計画・調
        整局長     小林 勇造君
        外務省経済局長 大島正太郎君
        外務省条約局長 東郷 和彦君
        大蔵大臣官房長 溝口善兵衛君
        大蔵大臣官房審
        議官      福田  進君
        大蔵省主計局次
        長       坂  篤郎君
        文部大臣官房長 小野 元之君
        文部省初等中等
        教育局長    辻村 哲夫君
        文部省教育助成
        局長      御手洗 康君
        文化庁次長   近藤 信司君
        厚生省生活衛生
        局長      小野 昭雄君
        厚生省老人保健
        福祉局長    近藤純五郎君
        厚生省児童家庭
        局長      横田 吉男君
        社会保険庁次長 宮島  彰君
        農林水産省構造
        改善局長    渡辺 好明君
        通商産業大臣官
        房商務流通審議
        官       岩田 満泰君
        通商産業省環境
        立地局長    太田信一郎君
        建設大臣官房長 小野 邦久君
        建設省都市局長 山本 正堯君
        建設省河川局長 青山 俊樹君
        建設省住宅局長 那珂  正君
        自治省行政局長
        兼内閣審議官  鈴木 正明君
        自治省行政局選
        挙部長     片木  淳君
        自治省財政局長 二橋 正弘君
        自治省税務局長 成瀬 宣孝君
 委員外の出席者
        衆議院調査局第
        三特別調査室長 鈴木 明夫君
委員の異動
六月二日             
 辞任         補欠選任
  岩下 栄一君     目片  信君
  戸井田 徹君     滝   実君
  細田 博之君     坂本 剛二君
  岩國 哲人君     桑原  豊君
  中桐 伸五君     松崎 公昭君
  山本 譲司君     古賀 一成君
  桝屋 敬悟君     石井 啓一君
  小池百合子君     佐々木洋平君
  三沢  淳君     鰐淵 俊之君
  松本 善明君     吉井 英勝君
  畠山健治郎君     濱田 健一君
同日               
 辞任         補欠選任
  坂本 剛二君     細田 博之君
  滝   実君     田村 憲久君
  目片  信君     岩下 栄一君
  桑原  豊君     島   聡君
  古賀 一成君     山本 譲司君
  松崎 公昭君     中桐 伸五君
  石井 啓一君     桝屋 敬悟君
  佐々木洋平君     小池百合子君
  鰐淵 俊之君     三沢  淳君
  吉井 英勝君     松本 善明君
  濱田 健一君     畠山健治郎君
同日               
 辞任         補欠選任
  田村 憲久君     戸井田 徹君
  島   聡君     岩國 哲人君
本日の会議に付した案件
 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第九一号)
 内閣法の一部を改正する法律案(内閣提出第九六号)
 内閣府設置法案(内閣提出第九七号)
 国家行政組織法の一部を改正する法律案(内閣提出第九八号)
 総務省設置法案(内閣提出第九九号)
 郵政事業庁設置法案(内閣提出第一〇〇号)
 法務省設置法案(内閣提出第一〇一号)
 外務省設置法案(内閣提出第一〇二号)
 財務省設置法案(内閣提出第一〇三号)
 文部科学省設置法案(内閣提出第一〇四号)
 厚生労働省設置法案(内閣提出第一〇五号)
 農林水産省設置法案(内閣提出第一〇六号)
 経済産業省設置法案(内閣提出第一〇七号)
 国土交通省設置法案(内閣提出第一〇八号)
 環境省設置法案(内閣提出第一〇九号)
 中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一一〇号)
 独立行政法人通則法案(内閣提出第一一一号)
 独立行政法人通則法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第一一二号)
    午前九時一分開議
     ————◇—————
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高鳥修#1
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律案並びに内閣法の一部を改正する法律案等中央省庁等改革関連十七法律案の各案を一括して議題といたします。
 本日は、特に地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律案について審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古賀一成君。
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古賀一成#2
○古賀(一)委員 民主党の古賀一成でございます。
 きょうは、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律、いわゆる地方分権一括法につきまして、私、この数年来、地方行政委員会の理事を仰せつかっておりまして、地方分権あるいは地方財政というものを一生懸命考えてきた一人の男として、ぜひきょうは、分権一括法の審議が進みつつあるということで、私もこの場に立たせてくれということで参上したわけでございます。地方行政委員会、この後も何人かの委員がこの場に参りまして質疑をしていくことに相なろうかと思いますけれども、トップバッターとして質問を申し上げたいと思います。
 この法律は、もう言うまでもありませんけれども、この数十年来、地方の時代とか地方の分権のあり方とか論議される中で、地方分権推進法、そして五次にわたる委員会の勧告、そして分権推進計画がつくられてくる、こういう、いわば鳴り物入りで、長期間をかけて、そのいわば最終的なアウトプットとしてこの法律が出てきたものと私は理解をいたしております。
 そして、この法律を、私も法律をつくっておったこともかつてありまして、そういう目でも、あるいは政治家としても、もちろん野党としても見させていただきましたけれども、この法律、これだけの経緯とこれだけの国民の期待を担って出てきた法律としては、果たして地方分権推進法と言える法律だろうかということに大変私は疑問を持ちます。
 この条文の各論に及びましていろいろな改正点についての質疑が繰り広げられつつありますけれども、私は、むしろ、一カ所一カ所というよりも、この法律全体の性格あるいは取り扱いについて大変大きな疑問を持つわけでありまして、国会議員の一人として質問をきょうはさせていただきたいと思います。
 私は、一言で言えば、この法律は、つまり地方分権というこの問題は、政治がいかにかかわるか、あるいはかかわってきたのかというのが問われている最大のテーマの一つだったと思うんですね。結論から申し上げますと、この法律は、極めて事務的でございまして、極めて政治のにおいがしない、政治家のリーダーシップのにおいがしないと言っても過言でない法律だと私は思うのであります。
 その中身につきましては後ほどるる質問をさせていただきますが、まず冒頭に官房長官にお聞かせをいただければと思うんですが、総理にお願いをしておりましたけれども、きょうは御出席ではございません。
 今言いましたような問題を持つ中で本委員会においてこの一括法の審議が始まったわけでありますけれども、私は、会期末間近に、いわば次の世紀の国の形を決める本法を、中央省庁再編法と一緒くたにしてといいますか、まぜこぜにしてといいますか、そして、時間的には短時間でやらざるを得ないという状況の中で審議し決めていこうという、これに対して、先ほど言いました政治のかかわり方ということが問われる法律でありまして、私は、こういうやり方はいかがなものかと強い疑問を持つわけであります。私は、本国会の会期に拘束されずに、真剣に、もっと長い時間をかけて論議すべき法律であろうと思います。御所見をお伺いいたしたいと思います。
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野中広務#3
○野中国務大臣 委員が熱心に地方行政にお取り組みいただいておるところを感謝する次第であります。
 今私がお伺いをいたしておりますと、中央省庁の再編移行とこの地方分権とが一体となって、審議を十分行っていく上に懸念があるというお話でございますけれども、委員は多年、国政なり、あるいは議会に出られてからも地方行政にかかわっておられるわけでございますけれども、中央省庁の再編という目標を達成いたしますのは、平成十三年の一月に先立ちまして、いわゆる地方の分権を推進していかなければならないわけでございまして、したがいまして、この施行期日を平成十二年の四月一日といたしたわけでございます。
 これは、御承知のように、地方公共団体におきましては、法案が成立をいたしました後、それぞれ各府省におきまして政省令の改正を行わなくてはなりません、そして、これを受けまして、地方公共団体の相当数の条例の制定、改廃等を行う必要があるわけでございます。したがいまして、平成十二年の四月一日にやって、その後、平成十三年の一月に中央省庁の再編をやらなくてはその実効を上げることができないということで、この準備作業の必要とする期間を入れさせていただいたわけでございますので、ぜひ今国会においてこの成立をお願いをしたゆえんは、そこにあるわけでございます。
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古賀一成#4
○古賀(一)委員 今のお話でございますと、要するに、平成十二年四月一日、これが先にありきという話でございまして、それは政治的にかつて決められた経緯は知っておりますけれども、問題は、これだけの二本の大法案、しかも、これはもう次の世紀へ向けて国の形を決めていく法案でありまして、施行期日が平成十二年の四月一日だ、条例制定等の都合がある、それは本質ではないと私は思うんですね。
 総理もサミットに行かれます。クリントンがどうおっしゃるか知らないけれども、要するに、さきの国会、この前終わったばかりの国会で、まあ一月足らずで、日本は国の形を決める、地方分権、中央省庁再編をやったんですね、やってきましたと。それで本当に日本は国の形を真剣に論じたのかと言われると私は思うんです。
 その平成十二年というのは、私は十三年でも十四年でもいい。むしろ、問われているのは、まさに明治維新以来つくられてきたこの国の形を一部なりとも次の世紀へ向けて変えていこう、これに政治がかかわっていく、そのために必要な時間であるならば、施行期日を延ばせばいい話であって、今の官房長官の御答弁、いわば、もうあと一週間か二週間か知りません、私は議運ではございませんからわかりませんが、いずれにしても、その程度の、あと一、二週間、三週間といった限られた時間で、この二つの大論点に政治がかかわっていく、それぐらいの時間しかないということには私は納得できません。
 しかもこれは、分権推進法に始まりまして、五次にわたる勧告。ずっと政治は待たされてきた話なんですね。要するに、法案が霞が関で各省折衝を終わって出された瞬間、さあ一週間、さあ二週間。ほかの法律でございますと、さあ一日で仕上げてくれ、こういうことがもう当たり前のようになってきたのが昨今の霞が関と永田町の関係でございまして、私は、非常にこれは禍根を残すと思います。
 私はそれを強く訴えて、これは恐らく水かけ論になるでしょうが、マスコミの方も聞いておられます。わずかこの数週間でこの法律を仕上げるということに関して大変な疑問を持つということを申し上げておきたいと思います。
 それで、もう一点でございますが、この審議のあり方に関しまして、ただいま官房長官からも御答弁がありましたけれども、中央省庁再編と地方分権を一緒にやっていく、現にそういうことで動いておりますが、四百七十五本の法律があると言われております。これも大変なんですが、私はこれを、交互にであれ、いわばごちゃまぜにしてやっていくということは論点がぼけるのではないか。やはり我々野党が申し上げてきたように、まず地方の分権のあり方というものを、本来であれば、その専門的委員会を、特別委員会でも設置をして十分論議した後、それを踏まえて中央省庁の形を検証するというプロセスが論理的であったと私は思うんですね。
 何か料理に例えれば、本当はフランス料理のように、はい、これがオードブルです、これがメーンディッシュです、デザートです、そういうきちんきちんとした論議をすべき重要法案だと私は思うんです。ところがこれは、だしもいわゆるデザートもメーンディッシュも全部同じなべに入れて、どれがどこに入っているかわからないような、そういう形で審議されているということに私は大変な疑問を持ちます。もうこれについては質問しませんが。
 次の質問に移らせていただきたいと思います。
 ところで、これだけ鳴り物入りで我々を待たせてくれた、また国民の期待も大きいこの法律でございますが、これは、地方分権の理念あるいは目的という規定がないんですね。恐らくこれはまだ新聞にも書かれていません。自治体の関係者、この法案を恐らくまだもらっておりません、見ていないと思うんですが、地方分権の理念や目的に関する条文が見られない、これは大変奇異なことだと私は思います。
 これだけ政治、行政あるいは社会にわたってこの論議がされてきた、その法律がついに出た、目的に関する、理念に関する条文がないと私は思うのでありますが、これについて、なぜそうなのか御説明をいただきたいと思います。
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野田毅#5
○野田(毅)国務大臣 地方分権の理念というのは、憲法上、地方自治の本旨以下いろいろ、具体的には法律、国権の最高機関である国会が定めたその法律の範囲内において具体的なことを条例で制定していくわけでありますが、今回の一連の地方分権推進のための作業の中で、そのスタートになったのが地方分権推進法、これは御案内のとおりでございます。
 この中で、目的あるいは地方分権の推進に関する基本理念というのが第一条、第二条ということで、いわば今回の大作業のスタートに当たってのきちんとした方向性、理念をそこに置いて、きちっとうたっておるということ、まずそれがスタートである。その大方針に基づいて地方分権推進委員会が作業を始めていただいて、作業の結果、累次にわたる勧告をお出しいただいて、それを、昨年、政府としての第一次の分権計画ということで策定をして、それをもとにして、それを基本として、今回、具体的な各関係法案の改正作業に至っている。
 したがって、今回の一括法案では、今四百七十五本という数にもお触れになりましたが、そういった関係の具体的な法律そのものについての所要部分を、技術的にこの改正作業をやっていくということでありますから、今回、そういう意味で、目的、理念についてあえてこの法案の中には書き込まなかったということでありまして、基本精神はもう、くどいようでありますが、地方分権推進法、この中に目的、理念がうたわれている。
 それからいま一つは、いわば地方自治に関する基本法とでもいうべき地方自治法の今回の改正後の条項の中で、地方公共団体の役割と国の配慮、第一条の二のところで、地方団体が行うべき事務あるいは国が役割を果たしていくべき事務ということについて書き分けをいたしておるということで大体御判断をいただけるのではないかというふうに考えております。
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古賀一成#6
○古賀(一)委員 私はそうではないと思うんですね。この地方分権推進一括法、これはやはり、理念あるいはその目的というものを書くだけの内容がないからだと私は思うんです。これは極めて事務的な法律でございまして、機関委任事務の廃止に伴う、あるいは機関委任事務の区分のし直しに伴う関係法律の整理法というのがこの法律の本質なんですね。そしてこの間、いわば政治が空白だったのかリーダーシップがなかったのか、要するに地方分権についてはこういう理念で、こういう方向で骨太にやれという政治の発信がなかったから、霞が関も要するにこういう事務的な法律をつくるしかなかったということがこの法律の本質じゃないかと私は思うんですね。私は、こう決めつけて問題がないと思います。
 だから私は、それは地方分権推進法に書いてあるとはおっしゃっても、まさに最終の法律として、あれはスタートの法律ですから、これはその成果、アウトプットの法律で、まさに自治法の改正の、目的も何もない、その条文から始まる、あとずらずらと四百七十五本の法律の事務的改正あるいは手続の関連の規定、これで、まあ後ろに置いてありますけれども、あれだけの厚さになった。
 私はまさに国会議員としてお訴えをしたいのは、やはり政治がこの問題に本当にかかわってこなかった、かかわり得る最大のチャンスは今のこの委員会である、したがって、十分にこれは時間をかけて再度やるべきだと私は主張を繰り返したいと思います。
 三問目に入ります。
 それでは、条文には書いていない、でも、では政治的に見て、この地方分権一括法の理念、方向性を国民に一言で説明してほしいと言った場合、内閣としてどういうようにアピールあるいは説明をされるのか。ひとつ、造語でも結構でございますから、国民の皆さんあるいは地方公共団体の首長さんに、地方分権推進法、これは要するにこういう方向の、こういう理念の法律ですと説明する場合に、どう説明されるのでありましょうか。
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野田毅#7
○野田(毅)国務大臣 もう三問目に入っちゃったんですが、その前にちょっと、決めつけられたので、決めつけられると困るので申し上げておきますが、先ほど申し上げましたとおり、目的、理念については、地方分権推進法、この中ではっきり書き込まれております、時間の関係上読みませんけれども。
 そういう意味で、法体系の中でそういう、言うなら地方分権推進に関する基本的な目的、理念という法律が現にある。その法律に基づいて具体作業をやって、その作業結果の一つの成果として、その全作業を終わった集大成ではありませんが、その途中経過ではあるんですが、その大部分はかなり入ってきた。そういう意味で、整理法に近いと言われればそれはそのとおりでございまして、だから、もう一遍ここで入れろということであるならそれは検討しなきゃならぬと思いますが、ただ、法体系として、基本的な目的、理念が現に法律の中にある。その法律の決めたその手続に従って作業をやってきた成果でありますから、そういう分権推進法と今回の一括法との関係ということをぜひ念頭に置いて、トータルとして御判断をいただきたいということを申し上げるわけであります。
 それから、一言で言えというのはなかなか難しいんですが、これはかねてから申し上げておりますとおり、明治以降の国つくりの中で、一刻も早く欧米諸列強に侵食されないような国つくりをしていかなければならぬ、そのために早期に日本国を近代化させてキャッチアップしていかなきゃならぬ、そういう中で必死の思いで明治維新がなされ、いろいろな制度改革を、改革というよりも革命だと思いますが、徹底した見直しをやった。その中で、廃藩置県、言うなら旧幕藩体制下におけるあらゆるシステムを徹底的に見直しをして、新たなシステムをつくり上げてきた。
 今回、それはそれなりの一つの成果をもたらしてきたのは事実であるけれども、やはりこれから二十一世紀に向けた日本の国つくりのあり方として、国、地方を通ずる行政システムが果たしてそういうことでいいのかどうか、あるいはそのシステムを動かす人間の意識そのものにおいても転換をしていかなければならないのではないか。そういう中で、官と民との関係あるいは国と地方との関係、あるいは自立といいますか、私はよく言うんですが、みずから立つという自立と自己規律という自律、そういう意味で、自己責任ということをきちんと踏まえた上で国づくりもしなければいけないし、地域づくりもしなければいけないし、人間としてのビヘービアそのものも、みずからの規律ということをしっかり根に据えて行動していかなければならぬ。そういう意味で、トータルとしての関係を総合的に構築していこうというのが中央における改革のテーマであり、あるいは地方における改革のテーマであり、あるいは規制緩和というテーマであり、さまざまなものがパッケージになっていると認識をしています。
 その中で、地方分権というのは、今日までの中央集権的な、いわば地方を国の下部機関として見ていくという上下、主従と言うと語弊があるかもしれませんが、そういう関係から、対等、協力の関係に切りかえていこうということを大目標とする考え方に立つわけでありまして、その理念は地方分権推進法の中に規定をしております。その理念にのっとって作業した結果、今回のこういう一括法という形で御提案を申し上げているということでありますから、先ほどいろいろ御議論がございましたが、全部耳がそろうまで待っておけ、そのときに用意ドンでやればいいんだという発想もあるかもしれませんが、それをやっていますと、いつまでたってもずるずる延びてしまいます。そこでああでもない、こうでもないという議論を、そういうことをやってじんぜん日を過ごしていくよりか、今日のスピードを求められている時代においては、今まとまっているだけでは不十分かもしれないが、少なくともまずまとまったところからしっかりと実行に移していく、足らざるところがあるならばなおさらに追加をして、完成の域に近づけていくということが今求められているのではないか、そのように考えておるわけであります。
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古賀一成#8
○古賀(一)委員 一言でという質問を投げかけましたけれども、大変長い御説明をいただきまして、その中でキーワードと思われるのは、上下から対等へという言葉が一言、キャッチフレーズらしい言葉で返ってきたわけであります。これについては、私は、もちろん気持ちはわかりますけれども、ではこの分権一括法が上下関係から対等になっているかということは後ほどいろいろ申し上げますし、実は今これが一つの分権推進法から派生した第一番目の成果だ、次もある、その次もあるということでございますので、きょう、私は、地方分権について問題になっている極めて大きい問題を幾つか申し上げますので、ぜひ今後の立法に、しかも速やかな立法に配慮をお願いしたいと思います。
 さて、今、上下から対等へという話になりましたけれども、私は、今後出てくる法律に関しては大変期待をいたします。しかしながら、今、トップバッターとして出てきましたこの分厚い法律についてもやはり指摘をせざるを得ません。これは、先ほど言いましたけれども、機関委任事務のいわゆる整理法でございまして、もう一つ言葉をかえて言うならば、私は、霞が関のいわば寄せ木細工のような感じがしてなりません。各省庁の手数料関係あるいは機関委任事務関係、もろもろそれに関連する事務の関係がずらずらと並べられまして、これだけの厚さになったわけでありますけれども、これは国民から見たらほとんどわからないと思うんですね。機関委任事務という言葉の概念すらわからない、あるいは名前すら聞いたことがない、そんな人がほとんどなんです。分権分権と法律には書いてあるけれども、機関委任事務が整理された、何のことであるか、私はこういう感じだと思うんですね。
 私は、やはり、今政治が求められてきたのは、地方分権は政治がやってくれる、今、国会でやってくれていると、それはやはり国民にわかる、難しい概念はあったって、一言で言えばこうだ、例えば「財源まで踏み込む真の分権」を目指した法律だとか、あるいは「自主と創意の実態分権」を目指す法律であるとか、少なくともそういうキャッチフレーズが本当は必要なんでありますけれども、実はそれまで言える中身になっていない。余り細工が細かいものですから、東照宮の左甚五郎、あれがつくっているときに、何だおまえ下手くそじゃないか、こんな粗っぽい彫刻をしてと言ったけれども、張ってみると、遠くから見た一般の庶民には、あれは猿だ、あれは魚だとわかる、そういう骨太のデザイン、骨太のシナリオというのは私はないと思うんです。
 小さな寄せ木細工をこれだけ集めて、タイトルには分権推進と書いてあるわけでありますけれども、その名前に値しない法律でありますから、私は、これは法律の名前を変えたらどうかと思うんですね。機関委任事務の概念のし直しに伴う関係法律の整理法及び手数料の整理に関する法律というふうに、ちゃんと名前を変えたらいいと思うんです。分権推進法という名前とこの法律の中身については、大いにそごがある。だから、財源の話あるいは補助金行政の話、いろいろな、後ほど申し上げます計画行政の話、こういうものが全部まとまったときに分権推進集大成法というのを私はつくられればいいと思うんであります。私は、この点、名前とこの法律の実態には大きな差があるということをはっきり申し上げておきたいと思います。
 さて、次の質問に移りたいと思います。
 今度は、地方分権の財源の問題に移らせていただきたいと思います。
 今、地方自治体があるいは地方自治が直面する最大の問題は、財源そのものだと思うんですね、地方財政そのものだと私は思います。これについて、さきにもう質問があったようでありますけれども、全然触れられていない。これは、先ほどの野田大臣のお話によれば、今後出てくる代物である、こういうことだと思うんですが、それにしても、私は、一番地方自治のベースとなる、そして、今地方自治が抱える最大の問題のこの地方財政に関して何ら手当てがないということは、これまた大変なミスマッチの法律ではないかという気がいたします。
 この点について、私は、いわばエンジン抜きの自動車のような感じがしてなりません。今求められているのは、日本経済がおかしい、日本の成熟化社会で高齢化という坂もある、だから地方と国をいわば前輪駆動、後輪駆動に置いて、両方の車輪でこの困難な坂を上っていこう、私は、そういうイメージの今置かれた立場だと思うのですね。だから、私は、日本の新しいパラダイムとして地方分権をやる、それが日本の社会を、あるいは今の立ち至っておる経済を何か一歩でもよくしていく、その仕組みじゃないかと、みんな地方の自治体の方は思っていると思うのですね。
 ところが、この出てきた自動車というものは、地方を四輪駆動の後輪、前輪にするという話は全くございませんで、車体の色というかそういうものを変えました、後部座席をちょっと広くしましたといった程度の設計ではないか、私はかように思うのです。
 私は、そこでまず、地方財政の破綻に対する御認識を、そして今後どうされようとしているのか、自治大臣にこの点、御認識をお伺いいたしたいと思います。
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野田毅#9
○野田(毅)国務大臣 たくさんのいろいろ御意見を承ったので、テーマがたくさんあったのですけれども、地方財政をどうするかということに先立って、ちょっと誤解があるといけませんので申し上げるのですが、今回のこの一括法は、先ほど来るる申し上げましたが、全部を網羅して、全部セットされたということではございません。これはもう申し上げたとおりです。
 ただ、その中に、例えば地方分権を推進していくためのいわば受け皿としての市町村の合併を初め、地方行政体制の整備という部分も入っておりますし、それから、国が地方に関与するときの原則というものをどうすべきかということも入っておりますので、そういう意味で、単に機関委任事務に関連することだけを規定したというものでないということは、ぜひ申し上げておかなければならぬと思っています。
 それから、いま一つは、地方分権推進委員会においても、第五次勧告で、その中で公共事業あるいは非公共事業あるいは長期計画の見直しの問題について勧告をいただきました。それをもとにして三月に第二次計画を作成して、その中で、必要な法改正を伴うものはまたきちんと整理した上でお願いをしなければいけないと思っておりますが、法改正を必要としないものなどについては、既に実行に移しておることもございますし、特に、来年度の予算編成過程の中で反映されていくべきもの、かなり交通整理をした上で計画を立てておるわけであります。このことはどうぞ御理解をいただきたいと思っております。
 そういう中で、地方分権を本当にさらに肉づけをしていくためには、その背景となる財政的な裏づけというものをぜひ必要とするという、この認識は全く同意見でございます。ただ、財政的に、どうやってその自主性、自立性を担保するような財政的な裏づけができるかということについては、なかなかすぐに、きょうあしたという形の結論が出にくいことは御案内のとおりであります。
 まず、その中で、今日の地方財政が、国と同様、本当に今塗炭の苦しみの中にあって、危機状況にあることはそのとおりでございます。平成十一年度においては、その中で、いろいろ交付税に関連しての、国から地方の法人税に関する交付税率の引き上げ等々、臨時異例ではございますが、当面の措置として対応し、結果において、個別の地方自治体が今日の財政危機を乗り越えて、できるだけ自主性、自立性を持って財政運営をやっていけるような背景をつくろうという意味で、一般財源の強化を、地方税が落ち込んだ部分を交付税によって賄っていくということによって一般財源の強化措置をとったことは御案内のとおりであります。これを永続的に続けることができるかというと、それは問題なんで、そういう意味で、地方税自身をどうやって強化していくか、独立財源というものをどうやって強化していくかということが最大のまず課題である。
 ただ、その点については、かねてから申し上げておりますとおり、法人系統あるいは個人所得課税系統あるいは消費あるいは資産課税、そういったそれぞれの税体系ということも当然頭に置きながら作業しなければなりませんが、その際、一番大事なことは、税収の安定性というものはやはり必要である。地方行政サービスは、必ずしも景気変動にパラレルに行われるような性格のものではありませんで、そういう意味では、税収の安定性ということを、それを実現できるような税制を仕組んでいかなければならないし、それから、受益と負担との関係ということもやはりある程度考えていかなければならぬ。地方行政サービスはかなり基礎的な住民サービスということでありますから、そういう意味で、納税者の仕組み方ということも当然そこはあってしかるべきではないかということ。あるいは地域間の偏在、税の偏在ということもできるだけ少ないものを選んでいかなければなりません。そういったことを基本として、その上で、地域間の財政調整制度としての交付税というものも考えていかなければなりません。
 さらに、先ほど来申し上げましたが、補助金等の見直しの問題。これを、どんどん個別の補助金をなくしていこう、地方自治を推進していこうということであれば、ただ補助金カットというだけではございませんで、補助金、負担金は整理されていく、しかし事務だけはふえていくということでは困りますから、どうやってそれを一般財源化し、地方自治体への財源として肉づけをしていくかという作業も当然必要でございます。
 長くなって恐縮でありましたが、事柄が非常に大事なテーマでありますので、恐縮でございますが、お許しをいただきたいと思います。
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古賀一成#10
○古賀(一)委員 私は、いわば、この法律が地方分権推進法という名前のとおりの法律であるだろう、そしてまたあってほしい。しかし、今そうはなっていない、これがまず先行したんだ、その説明はわかります。だから、今後のことのために、いわばこの分権推進法という法律、分権推進という名前を入れるならば、あるべきであった措置の第一番目として財源がこれには入っていない、それなら財源を今後しっかり考えるべきだという点を言いたいことと、ほうっておけば、これはまた霞が関任せ、政治は発信をしない、どういう方向で財源をつくるべきかというのを、また私は役所任せになると思うのです。
 そのときにまた、介護保険がそうだったのか財政構造改革法がそうだったのかと、いろいろ評価の分かれるところでありますけれども、私は、やはり役所は政治の発信なしに任されるから困っている面もあると思うのですね。やはりそこは、財源についてはぜひとも、これは総理大臣マターだと思うのですが、今後埋めていく、措置をしていくというお話ですから、しっかりとした私は政治の発信、そして国会におけるしっかりとした政治のチェック、こういうものがあるべきだと思います。
 この財源については、今ちょっと大臣の方から反論がございました。この分権法については市町村合併も入っておるという、それは確かにそうでございます。
 これはでも、私は、説を曲げないという頑固さから言うわけじゃありませんが、基本は機関委任事務の整理関係だけであります。国の関与もしかりであります。紛争処理の機関設置も機関委任事務の仕分けに伴うものでありまして、私は、市町村合併については、これまで三年にわたりまして地方行政委員会で強く言ってまいりました。それをこの機会に、地方自治法の改正もあるからついでに入れたというのが実態でありまして、私は、あくまでこの法律は機関委任事務の整理法というふうにやはり言うべきだろう、かように思うわけであります。
 それで、今の大臣の答弁の中で、漠とした財政危機に関する意見の開陳がございましたけれども、私は、これは容易ならざる状況だろうと思っております。
 地方交付税という今お話がございました。地方の一般財源を今後ふやしていく措置も、法律を抜きにやるんだ、この法律は関係なくいろいろな手だても講じつつあるんだというお話がございましたけれども、では、交付税の問題一つとっても、これは大臣のおっしゃるようなそう簡単な問題ではないと思うのですね。
 つまり、ことしの予算で地方交付税は、あるべき地方交付税額のうち、ざっと二十兆のうち、八兆円が穴があいているわけです。穴があいているのです。その積もり積もった穴を埋めた特会借入金は、二十九兆円の有利子の借入金があるのです。だれが払っていくか、これはあてもない二十九兆円という、いわば国鉄の債務と全く一緒ですよ。そういうのがあるのです。
 そして、恐るべきことに、私は地方行政委員をやっておりますから、全委員の皆さんに訴えるつもりもございまして申し上げますが、今までの交付税というものは、東京都あるいは神奈川県、大阪、そういった大都市圏の本社を抱えたところ、人口を抱えたところ、そういうところの法人税あるいは所得税、いわば税収豊かなそういうところの税収の三二%を、国で集めて、それを所得再分配のように貧乏な田舎に、過疎山村に、税収の上がらないところに配分するシステムがまさに地方交付税制度だったんですね。
 ことしから東京都が交付金をもらうわけですよ。これは地方交付税ではないけれども、地方特例交付金といういわば交付金を東京都がもらうという状況になっているぐらい、実は今、地方財政及び地方財政を支える国側も大変なんです。この原資は何かといえば、何と孫子に対する借金ですよ。つまり、赤字国債で平成十一年度の東京都の穴埋めをやった。来年からは千二百五十億の実は赤字国債を原資とする補給金が東京都に行くという状況になっているんです。
 東京都ですらこうでありますから、ほかの自治体、私の福岡県も、太田大臣と同じ福岡でありますけれども、恐らく経常収支比率はことし、福岡もとうとう一〇〇%だろうと思うんですね。もう大阪、神奈川はとっくに一〇〇%を超えております。経常収支が一〇〇%を超えたということは、わかりやすくいえば人件費の一部が払えないということでありますから、こういう状況に立ち至っておるわけでありまして、私は、地方財政の状況、歳入歳出両面での状況は、これは火の車と言ってもいいと思うんでありまして、今回もこの分権法に入れろと言っても間に合うはずがありません。しかしながら、これは絶対に措置しなきゃならぬ。措置するときに、先ほど言いましたように、まあ霞が関皆さん、ようわからぬけれども頼むよでは、私は絶対これは中央官庁は動けないと思う。やはりそこで総理は方向性を出して、おれが責任を持つ、この方向でやれということを私は発信をすべきだと思うんです。
 その地方財政に関する第二問に私は入りたいと思います。
 私は、地方財政のうちとりわけ地方歳入について、極めて疑問というか、もう立ち行かないだろうという危機意識を持っております。これはまたこの地方分権のテーマでもあると思うんですね。私は、地方歳入の基本構造を変えない限り、地方分権は到来しないと思います。
 構造を若干申し上げますと、まず地方歳入の一番のものは、当然、地方税であります。これはもう三割自治と言われてきたわけでありまして、その三割自治という比率の低さがまず第一点。ところが、それだけじゃないですね、地方税についての従属構造は。地方税制も全部国が決めているんです。
 そして、去年もそういうことがありましたけれども、毎年のように起こります。いわゆる経済の運営を国が行って、それが特別減税がおくれたどうのこうのといったことで景気がうまくいかないと、実は年末ぎりぎりの予算編成の間際に今までの言を翻したように例えば経済対策を打つ、そういうことで自治省に指示が来て、おい、何兆円規模の地方の補正を組めと。今まで起債はまかりならぬと言っておった自治省も一変いたしまして、今度は借金しろ、地方単独もこれだけふやせ、こういったことで、つまり経済政策のしりぬぐいというか末端を担わされておるのも地方なんですね。だから、地方税一つとっても、三割自治、地方税制は国が決める、そういった従属構造があるんです。
 地方交付税は今申し上げたとおりです。これは私は決して一番すばらしい一般財源とは思いません。緩やかな中央支配の仕組みじゃないかという気すら最近してきております。そして、地方の自主的な創意工夫のマインドが、地方交付税でこの借金は措置してくれるというようなことがずっと重なってきて、地方自治体は起債も借金と思わなくなってきているような、そういう精神構造になりつつある。私はこれも大問題だと思うんです。そして補助金、そして地方債、こうなるわけでありまして、すべてが実はこの歳入について問題だらけであります。
 ちなみに、これは地方行政委員会でるる申し上げましたけれども、地方債のふえ方というのは異常でございまして、平成四年、七十兆円でございました。たった七年間で何と百六兆ふえまして、百七十六兆という恐るべきスピードで今地方債はふえております。私は、こういうことを見たときに、なぜこの地方分権法が財源のザという言葉すらないのかということについて、もう大変な心配を持つわけであります。
 どうでしょうか、今地方財政の項目を申し上げましたけれども、地方財政のこの基本構造に、今後、地方分権の立場から、いつ、どういう形で切り込んでいこうとされておるのか。先ほど言いました政治の発信といいますか方向づけと、その部分の一端でも今御披露をいただければと思います。自治大臣、よろしくお願いします。
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野田毅#11
○野田(毅)国務大臣 地方財政の厳しい現状についてるる御指摘がありました。私は、その厳しさの認識においては全く同感であります。したがって、これをどうやって立て直していくかということが最大課題であります。
 実際にこれを具体的にどういう形でいくか、先ほど地方税の仕組み等に関しては考え方を申し上げました。そこで、手順ということを考えますと、やはり国と地方の間の税源配分を含めたことまでいかなければなりません。その際に、やはり本委員会でも申し上げておるんですが、ノーマルな姿の税収構造ということをまず把握するということが大前提になるのではないか。
 つまり、法人税収そのものにしても、今から七、八年前と今日とで大幅に今は税収がダウンしております。したがって、経済の成長率が今日の異常な姿から、何とかそれを経済再建ができてノーマルな形になっていく、せめて基本的に実質成長率が二%程度が維持できる、そういう経済回復のシナリオに入って、ノーマルな税収構造が法人系統でどういう形で入ってくるのか。あるいは消費、あるいは個人課税、いろいろな資産課税もそうでありますけれども、そういう中できちんとしたものをとらえた上で仕組んでいくということがなければ、結局、行き当たりばったりということにならざるを得ない。そういう意味で、今すぐそれをお示しするのはなかなか難しいということを申し上げておるわけであります。
 しかし、そうはいっても、今の危機的な個別の地方団体の財政状況の危機を放置するわけにいかないということから、今御指摘ありましたように、交付税、言うなら緊急避難的措置に近いと思っています。当面の措置として交付税でせめて一般財源という形だけは保障しなければいけないという、本年度及び当分の間の措置、こういうことでありますが、そういう措置をとったということであります。
 この点は、本当に将来を考えていきますときに、課税自主権の拡大の問題であったり、役割分担の見直し、いわゆる権限移譲ということに伴って、本当の意味で自治体が自主性、自立性というものを最大限に発揮することができるような、そのかわり自己責任ということをも伴うわけでありますけれども、そういう形にどうやって持っていくか、それの財政的な裏づけをどうやっていくか、これはゆるがせにできない残された最大課題の一つであるというふうに考えております。
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古賀一成#12
○古賀(一)委員 さきの質問等でも、景気が回復してというお答えがあったようでありますが、今、ノーマルという話がありましたけれども、私は、今までのやり方から見ればアブノーマルなことをやることが改革だと思うんですよね。経済がノーマルな成長過程に入るまでということであれば、私は、この矛盾というものは、いつまでもいつまでもノーマルが来ずに、いわゆる低迷が続いたまま推移していくのじゃないかと思うのですね。この数年の地方財政の構図は全部そうですよ。いや、景気がよくなれば何とかなると思ったところが、何と今言いましたように、地方債だけでも七年間で百六兆の残高がふえて百七十六兆になった。今、せめてもの救いが、例えば地方交付税で措置したのだとおっしゃるけれども、それとて、今申し上げましたように二十兆のうち八兆円穴があいて、しかも隠し借金まがいの二十九兆の累積債務がある。
 私はこれは、新進党当時御一緒に総括補助金みたいな議論を大臣とさせていただきましたけれども、もうそういうふうに、ノーマルな経済成長が達成できたときに試算をするというような状況じゃないと思う。私は、今こそ、今この国会には間に合わないでしょうけれども、次期通常国会に法案を出すというぐらいのことがなければ、今の状況は解決できないと思います。
 我々民主党は、もちろん巨大なる立法スタッフを抱えておるわけじゃありません、霞が関を抱えておるわけじゃありませんが、財源移譲法案というものを、やはり何かの突破口を見つけようということでその法案の準備をしてきたところでございまして、私は、やはりそれぐらいのやる気でやるべき問題だろうと思います。この点はもうそのぐらいにしますが、財源が要するに本法には手当てがないというのははっきりしました。
 二番目でございます。
 私はかねてより、国と地方を律するもの、これは機関委任事務だけじゃない、実は、国が地方を何らかの形で動かして、そしてそれが結局、結果として地方自治を阻害しておるという話はいろいろな切り口があると思っておったわけでございますが、その一つに上意下達計画行政というカテゴリーがあると思うのですね。
 例えば、わかりやすく言いますと、かつて私はこの場で、この委員会のこの場で阪神大震災の直後に質問をしたわけでありますが、例えば防災計画がございます。これは、中央防災会議というのがございまして、防災基本計画というのを国が決める。その災害対策基本法に基づいて、都道府県計画をつくりなさい、これも全部法律で体系が決まっておる。それで、中央計画、都道府県計画を受けて、地域防災計画をつくりなさいとなっているのですね。
 私は、阪神大震災のときにこれを見た。神戸市の地域防災計画を全部読んでみました。それはもう恐るべき抽象的な文章なんです。極端に言えば、火事が起こったら消防車は当然出動するものとする、この程度の実は書きぶりなんです。つまりこれは災害対策基本法、中央防災会議、中央計画、これが指示したところの都道府県計画、そしてそれに基づいてようやく地域の防災計画をこの枠組みでつくれという、いわば中央からのずっとそういう計画がここに及んでいるわけですよ。こんな話は山ほどあるのですね、世の中。ところが、防災といえほかの行政といえ、現場の生の知恵というか、それが一番求められる分野について、そういう中央の上意下達型の計画行政がまかり通っている。そこに私は、阪神大震災のあの災禍の広がりがあったと思うのですね。
 私はそういう面で、今度のこの法律に、いわば地方を縛る、そういう計画行政のあり方というものを見直すプロセスがあったのか、そして今後これをどうとらえようとしておられるのか、総務庁長官、ひとつお答えをいただければと思います。
    〔委員長退席、杉山委員長代理着席〕
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太田誠一#13
○太田国務大臣 古賀委員におかれましては、福岡県庁でも、あるいは建設省においても大変よいお仕事をしてこられましたので、大変重みのあるお考えからの御質問と思います。
 その中で、この法律について先ほどから、名前がちょっと大き過ぎるのじゃないかという御指摘がございましたが、それは、地方分権一括法ということから人が想像するものが大変こんな大きなものであるということは確かでございまして、しかしながら、私も古賀委員ほど地方自治のことに詳しいわけじゃありませんが、たびたび私も機関委任事務制度やあるいは国の関与について、一方では地方自治の精神をうたいながら、現実の制度がそこで国と地方の分野が重なっておって、ここがのどに刺さった骨のようになっておる。ここをクリアしないと次のステップになかなか進めないというようなものではないのかというふうに思っておりましたので、それを長年の地方行政についての専門家の方々は、ここを何とかクリアしよう、地味ではあるけれども、あるいはまた素人にはよくわからないけれども、ここは自分たちがクリアしなくちゃいかぬということで、情熱を注いで、第一次の計画のときにそれを片づけようとされたのではないかというふうに思っております。それは、いわゆる政治家はロマンを求めるものでありますから、なかなか古賀委員の求めるロマンにこたえるものでは今の段階ではないわけでございますけれども、大事な第一歩をここでクリアしたのだ、第一段階をクリアしたのだ、そういうふうにお受けとめをいただきたいと思うのでございます。
 そこで、上意下達型行政というのを、そこをまさに、一方で地方分権といいながら、地方の事務の中に国の命令でもって動く部分があるということをどうかしようというので機関委任事務の制度や国の関与などを縮減したということは、まさにそういうふうなことで出てくるわけでございます。
 それから、きょうこの二つの法案を一緒に審議をしておることについても御批判がございましたけれども、もともとは、これを進めているエンジンの役割をしております行政改革の基本法というのは、去年の六月に通りました。その行政改革の基本法の中で、一方では中央省庁の改革をやろう、一方では地方分権に、権限を移譲するようなことをやろうということはそこに書いてあって、一つの精神から生まれた二つの法律、そのお互いがどうかということはありますけれども、もともとの考え方は同じエンジンから出てきた、推進されたことでございますので、そこは、国の事務事業を地方公共団体にできるだけゆだねるということが、これは考え方の基本としてあるわけでございます。それは、現にその部分に関する限りは、今おっしゃった財源のこととか、あるいはさまざまほかに問題はありますけれども、多分これは、そういう精神においてはそういうところをちゃんと忠実に反映しているというふうに思うのでございます。
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古賀一成#14
○古賀(一)委員 この法律の本質を、長年のどに刺さっておった小骨を抜いたという話があるのです。それはよく理解できます。
 では、今後、小骨を抜いた後の、本当の体力アップする次の分権があるのだというシナリオを、本当に私は発してもらいたいと思うのですね。そうじゃなければ、恐らく、この国会が終わって、地方分権推進法がついに通りました、これでよくなりますというようなことになるのじゃないかと思うのですよ、ほっておれば。ヤジいや、それは看板と中身に偽りあり、えてしてこういう格好いい名前の法律が通るとこれですべてがよくなるということで、大体失敗することが多いのですね。財政構造改革法案がまさにそうでございました。この点、私は、小骨が抜けただけだ、そういう理解で次の質問に移ります。
 さて、もう一点の問題は、この機関委任事務については縦の上下関係の区分の仕分けになるわけでありますが、これはあくまで建設省なら建設省、農林省なら農林省、これはやはり結局縦割りの中での事務の、どっちが自治事務に近いかというか、こっちが法定か、そういう概念ですね。あくまで縦割りを前提にしているのです。
 ところが、一番今問われているのは、これは中央もそうです、地方も特にそうです、問われているのは、縦割り行政そのものなんですね。これがまさに本質ですよ。
 市町村長は住民から選ばれた大統領です。では、大統領だから自由闊達に圏内の施設をデザインし、濶達にコンセプトをつくってやっているかというと、やれないんです。結局、これはどこ省の補助金、だから総合施設というのはつくれない。そこに実は、首長ですら大統領でない。むしろ、土木部長は、知事に言う前に建設省に話をつけるのが先。縦割りの縄で縛られたのが今の地方自治体の首長の実態じゃないかと私は思うんですね。これが私は地方分権の最大の問題だと思うんです。
 ところが、今度の法律、縦割りのパイプの中での中央か地方かというやりとりはしました。しかし、縦割りというものについては何の問題意識もないと言っても私はいいのではないかと思うんですが、この点についてはどういう論議をし、これは何を解決したのか、お答えをいただきたいと思うのです。
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太田誠一#15
○太田国務大臣 まさに今言われたことが事柄の本質であると。縦割り行政をどうするかということの問題意識からこの中央省庁等改革の話が始まっているわけでございます。
 どのようにその答えを出したのかといえば、これは一つは、それこそさっきの首長さんの、つまり住民の代表として選挙で選ばれた首長さんの限界について触れられましたけれども、それは、政治主導ということを言っておるのは、そこは選挙で選ばれた、部分ではなくて全人格的に国の政策にかかわる政治家の主導ということを強調しているのは、まさにその縦割りの部分をどうするかという問題意識から来るわけであります。それは恐らく古賀委員も同じお考えだろうと思うんです。
 それで、具体的にどうするのかということでございますが、これは一つは、総合調整機能を担う内閣官房そして内閣府というものをつくるということが一つの重要な、一格上のものをつくってそこがコントロールするんだ、それぞれもう手がつけられない、ばらばらのままということでなくて、上にもう一つつくって、総理大臣直結のものをつくるということが一つのやり方であって、そしてしかも、内閣総理大臣に発議権を与え、その発議権を支えるためにこういう新たな機構をつくるということでございますから、それが一つのアプローチ。
 それからもう一つは、この間から大変いろいろな御批判がありますけれども、少なくとも共通の目的というか、あるいは類似の、あるいは競合する関係にある省庁を統合して、大くくり化して、より広い範囲の中から優先順位がつけられるようにするというアプローチが二番目でございます。
 それから三番目に、府省の間で、府省間での政策調整をやることにするというようなこと。
 その三つぐらいのことが調整を、省庁の壁を取り払って、それを越えた調整を行えるようにするということが、これが行政の中で行われる一つの仕掛けになるわけでございます。
 そして、さらに言えば、今言った内閣府と各省庁の関係についてリーダーシップを発揮するのは、総理がもちろんリーダーシップを発揮するわけだけれども、官房長官もそういう枠組みの中でもっと強いリーダーシップを発揮するし、あるいは省庁間の調整であれば、省庁間の権限の行使というのは結局は大臣から来るわけでありますから、主任の大臣がお互いにもっと切磋琢磨をして、お互い相手のやっていることも批判するし、意見を言うということをお互いにやるようにするという仕組みをここでつくっているわけであります。
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古賀一成#16
○古賀(一)委員 今のは中央省庁の再編の話でありますけれども、いわゆる地方との絡みで……ヤジいや、中央省庁をそういうふうに変えていけば地方との関係はよくなってくるという保証は何もないわけで、そこは別の仕掛けが私は要ると思うんです。
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野田毅#17
○野田(毅)国務大臣 まさに別の仕掛けが今回の法案の中で、地方自治法改正案の中で入っておるわけでありまして、国が地方自治体に対する関与のあり方についての基本原則、いわゆる関与の法定主義、あるいはこの透明化を図っていくこと、あるいはルール化を図っていくことなどをあわせて規定をいたしておるわけでございます。
 やはり、日本は法治国家でありますし、いろいろな行政が法律に基づいて行われていく、その法律は国会で決められるわけであります。しかし、実際にその仕事を全部中央の官庁の中だけでやっていいかというと、そうではない。そういう中であっても、住民により身近な事柄は地方自治体自身の仕事としてやっていただこうという形になっておるわけであります。
 そういう意味で、地方自治体が自分たちの自主性、自立性の中で仕事を処理していただく、その範囲をどんどん広げていくということが大事なんだというのが今回の中身でありまして、中央省庁の問題と同時に、国と地方のかかわり方ということについて、今回、従来もやもやしておった部分も法定主義だ、つまり法律あるいは政令に基づかなければ法定受託事務に関して関与ができないというような形に持っていったわけでもございます。この点はぜひ御理解をいただきたいと思っています。
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古賀一成#18
○古賀(一)委員 官房長官、何か次の御予定もあるのかもしれませんので、この分権法について、いろいろ申し上げておりますけれども、せっかくでございますから、総理にかわってお答えをいただきたい質問が一つございます。
 それは、もうちょっといろいろ突っ込みたいところもあったんですが、この問題を総括するならば、私は、地方分権一括法案というのは要するに、ダイナミズム、躍動感がない地方分権法じゃないかと思うんです。
 毎週私は九州に帰っています。そうしたら、分権法はどうなるんですか、新聞では余り見ませんけれども中身はどうですかと。先週も地方議員二十名ぐらいを集めて勉強会をやりました。るる説明をしました。地方の期待というか、これに寄せ続けてきた思いというのはやはり相当なものがあるんですね。狂犬病とか何か、こざこざとしたあんな仕事ばかり押しつけられても我々困ります、財源はどうなっているんですか、縦割りどうなんですかと、もう山ほどあるんですね。そういう面から見ると、そういった本当の意味での問題あるいは本当の悩みというものを受け入れるだけの躍動感、ダイナミズムが私はないと思うんです。
 私は、この論議を国会で、今国会と言わず会期末と言わず、本当は次期通常国会まで、国の形を決める重要な仕事でありますから、こういった野党の我々の意見なんかも組み入れて、それは大作業ですよ。大作業でありますけれども、私は、新たに政治の指摘というものを受けて、霞が関に、論点はこういうのが見つかった、あと三カ月、半年かけても構わぬと。要するに、法案をもう一回つくり直せぐらいの私はテーマだと思うんですよ。それは、五年、十年、二十年待たされて、二週間で国会で原案どおり、そういうのが許される法律もあると思う。しかし、これはそのプロセスにおいても内容においても政治の方向づけがない、とんでもないことだと私は思うんですね。
 私はそういう面で、新しく、もっとダイナミックな法律というものを再度この論議を踏まえて出していくという、私は国民から見れば当たり前の発想だと思うんですが、国会から見ればとんでもない発想であるかもしれません、そういうダイナミックな法律を思い切って出すということについて、私は、その御覚悟があるかどうか御質問を……。
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野中広務#19
○野中国務大臣 もう私からるる申し上げるべくもございませんけれども、先ほど来お話ございましたように、今国会におきます地方分権一括法は、国と地方の役割分担を明確にいたしまして、明治以来の縦割り地方自治のありようをダイナミックに変えようとする法案でありますから、私は、そういう意味において、国会において十分御審議を賜りたいと考えるわけでございますし、特に、知事会初め全国地方六団体からは、御承知のように、国会において地方分権推進の立場から審議を尽くされ、この法案が早期に可決成立をいたしますようにということが強く各党にも要請をされておるところでございます。したがいまして、本法案をぜひ国会において御成立をお願いをいたしたいというのが政府の立場でございます。
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古賀一成#20
○古賀(一)委員 時間も迫ってまいりました。
 先ほど来より厚生大臣にもお待たせをいたしておりますので、質問したいと思います。
 具体の中身に入っていくわけでありますが、これについては本当にまだ、条例制定と中央の関与であるとか、たくさんの視点がございますけれども、私はきょうは、個別の問題としては、厚生大臣にぜひお聞かせを願いたい問題が二つございます。
 一点は、いわゆる社会保険行政を法定受託事務とするのが本筋じゃないかと思うのですが、なぜ国の直接執行という形になったのか。これは、今まで五十年以上、都道府県で支障なく事務が遂行、執行されてきたわけでありまして、今度、分権という流れの中でこれが国の直接執行となってきたことに関して、ちょっと奇異な感じを持つわけであります。もちろん、いろいろ役所の方の思惑もあったのでありましょうけれども、なぜこういう経緯になったのか。
 とりわけ、昭和三十六年の国民年金制度創設に当たっては、すべて国が事務執行するという厚生省案があったのです。それを退けて、当時、昭和三十六年に市町村への機関委任事務、こう構成をした経緯があるのです。そして、今地方分権をもっと図ろうという流れの中でこの法律ができたときに、逆に国の直接執行に戻す。極めて何かわかりにくい、これだけが時代の流れというか、この法案の流れに沿っていないように思うわけでありますけれども、何ゆえに、こういうふうに逆転させる特段の理由があったのか、お聞かせをいただきたいと思います。
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宮下創平#21
○宮下国務大臣 この社会保険事務は、本来国の事務でございます。しかるところ、二十二年の地方自治法の改正以来、それを担当する地方の職員の身分に関しまして、暫定的に国家公務員とすることでずっと参ってきております。
 今は、実態は、これは国の保険事務でございまして、これを執行しているのは国家公務員である地方事務官なのですね。それは国家公務員法の適用もございますし、人件費、給与その他全部国が見ておりますし、社会保険事務所も国有財産でありますし、すべて実態的に国家公務員とほとんど変わりない。
 ただ、変わっているのは何かといいますと、これは知事の指揮監督権だけが認められておる。それから組合の加入問題等が、地方事務官という制度にしてありますから、地方の労働組合の一環をなしておる。共済制度も地方共済に入っているというだけでございまして、任免その他はすべて国家公務員。しかも、国家公務員として採用された職員が配置されてこれを実行しているわけでございまして、実態は、国の保険事務である社会保険事務が国家公務員で行われておると言っても言い過ぎではないような関係に立っておるわけですね。また、その人員も一万六千五百人ぐらいおりますが、これは総定員法にこそ入っておりませんが、すべて国家公務員としてカウントされているものでございます。
 我々としては、そういった意味と、それから実態がそういう実態であるということでございますので、国と地方との配分、そこをはっきりした方がいい。それから、国の保険事務でございますから、国が一体的に責任を持ってやることが必要であるという観点に立ちまして、今回のこの地方分権におきまして改正をきちっとした方がいいという立場で、実態に合わせてやっただけでございまして、何も、地方の公務員を国家公務員に吸い上げるとか国家公務員の増員を図るとか、そういった代物でないということは御理解をいただきたいと思うわけでございます。
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古賀一成#22
○古賀(一)委員 それでは、今それは、国と都道府県との関係の仕分けの仕方あるいは当該職員の身分のあり方ということであろうと思うのですが、ただ、全国一万二千人いる市町村の国民年金担当者、あるいは何か二千人専任徴収員もおられる。こういった方との連携というか、今度は国家公務員だ、厚生事務官だと、国の機関としてはっきり仕分けをする、そういった実際の業務遂行あるいは市民との感じといいますかね、そういった本当の意味での事務遂行、国民を頭に置いた、あるいは住民を頭に置いた事務執行という面からの検証は十分されたのでありましょうか。
    〔杉山委員長代理退席、委員長着席〕
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宮下創平#23
○宮下国務大臣 先ほど申しましたような実態でございますから、まず府県におきます保険課とか年金課、これは地方事務官でやっておりまして、ほとんど国の事務をやっておるわけですから、これは地方社会保険事務局に統合いたしますから、そこで一元的にやる。それから組織としては、社会保険事務所で扱っているのは厚生年金と船員保険、それから政管健保でございますけれども、この企業との関係における実態は全然変わりございません。そのまま引き継がれてくるわけです。今も実質国家公務員たる地方事務官がやっておりますから、それは引き継がれますから、変わりありません。
 それから、国民年金につきましては、これは全国三千三百ありますから、今も機関委任事務として、その移動その他を把握することが必要でございますね。そのために機関委任事務にしておりますが、これだけは法定受託事務といたしまして、市町村にお願いする。ただ、余り事務が市町村に過重になってはいけませんので、納付の方法等は、今までは印紙納付でやりましたが、今度はもう現金納付で、どこの金融機関でも、郵便局でもどこでもできるようにいたしまして簡素化をするというようなことでございまして、むしろ実態は、簡素化して住民の利便に資するものであるというようにも思いますので、住民との関係でいえば、ほとんど阻害されることはないというように存じておりますから、そのように申し上げております。
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古賀一成#24
○古賀(一)委員 時間も迫っておりますが、松崎議員のお許しを得て、ちょっともう一点、厚生大臣にお聞きをしたいと思います。
 廃棄物の問題です。地方自治体のもう長年にわたる最大の悩みは廃棄物だったと思うのです。実は、私のおやじも市長を二十年やっておりまして、もう昭和三十年代から、うちの焼却場のあの煙突がもつだろうか、しかし、それをとめるわけにいかない、事故が起こりはせぬか、そういう悩みがもう山ほどありまして、私の地元でも、大分前の台風で風倒木が生まれた。もう山が荒れました。産業廃棄物の人たちが山ほど来まして、おじいさん、あんた、この風倒木を切って苗を植えても五十年後、商売にならぬよ、これを売れと言って、大分売ったのです。そこに、何と産廃を山ほど投棄をしておる、水源が汚れる、こういうことで、私は、廃棄物問題というのは大変な問題だと思うのです。
 それで、一般廃棄物よりも産業廃棄物がもっと大変だと思うのですね、量も多いし。その前は、これは、どちらかというと国が関与してこなかったのですね。これが私はもう大変問題じゃないかと思って、かねてより、厚生省に特定財源までつくってでも国が関与すべきじゃないか、こう思っておったのですが、今般のこの改正によりまして、都道府県知事が行う一般廃棄物処理施設の設置許可を自治事務化、これは自治体でやりなさい、都道府県が行う産業廃棄物処理計画の作成事務も自治体がやりなさい、自治事務化。しかし、この二つについて、ともに厚生大臣の指示、変更請求は認める、こういう構成になっております。そして産業廃棄物処理業の許可は法定受託事務、こういう構成になっておるのですね。
 私は、ドイツの例も詳しくは知りませんが、聞くところによると、あれだけ州が強いドイツ連邦においてさえ、いわゆる廃棄物の最終処理の一番困難な仕事は、連邦政府が岩盤に穴掘ってでも直営でやっているという話も聞きます。私の九州ブロックでも、そういう最終の処理の段階をブロックのどこかで引き受けてほしいという議論もあるのですね。
 そういう面から見ると、意地悪な言い方をすれば、非常にやばい困難な廃棄物の関係については、国が何か逃げたような感じもする。これについては、むしろ国がもっと自治体を助ける関与というものがあってよかったのじゃないかと思うのですが、これに対して、私は、そういう視点での厚生省の御意見といいますか、どういう問題意識であるのかを最後にお聞きして、質問を終わりたいと思います。
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宮下創平#25
○宮下国務大臣 委員の御指摘は、二つの点に分かれると思います。
 地方分権法でどのような処理がなされているか、この点は、今委員が御指摘のように、これは産業廃棄物及び清掃に関する法律というのがございまして、これは大変重要な法律です。特に、産業社会、大量生産、大量消費、大量廃棄の時代ですから。
 ただし、一般廃棄物と産業廃棄物とはその扱いを若干異にしておりまして、一般廃棄物は、御案内のように、市町村等の固有事務としてずっとやっておりまして、ただ、処理施設の許可とか改善命令の指揮監督については国の関与をある程度認めて、国全体としてのそういう処理の責任を果たそうという建前になっております。ほとんど原則は固有事務です。
 産廃につきましては、今回、処理計画の策定というのは都道府県知事が今まで機関委任事務でやっておりましたが、一応は自治事務に戻しましたが、しかしながら、設置とか緊急時の場合に、やはり廃棄物の処理及び清掃に関する法律による規制が必要でございますから、これは国の関与を認めてございますが、あとは自治事務といたしております。
 それから、個別の特定の業者とか施設についての事務が極めて重要なんですね。設備基準に合致しているかどうか、あるいは立地が住民の意向に沿っているかどうかというような点等々ございますが、これはすべて、機関委任事務でございましたが、法定委託事務にいたしておる、こういう整理でございますから、特段、今回、地方にだけ押しつけたということではございません。
 そして、第二に申された点は、産業廃棄物処理の行政が実態的にどうかという点でございますが、これは昨年の十月に、私ども、生活環境審議会の方に諮問いたしまして、確かに委員の御指摘のように、産廃について国がどう関与していくかということは大きな課題でございますし、地域住民の反対があってなかなかできない、しかし廃棄だけはされてくるという状況では、これは国としても、地方自治体としても責任を負えませんから、この審議をお願いしておりますから、実体法としての改正の問題は、私ども、今後も引き続き精力的にやってまいりたい。区分けとしては、さっき前半に申し上げたとおりにしてある、こういうことでございます。
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古賀一成#26
○古賀(一)委員 これで終わります。
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高鳥修#27
○高鳥委員長 次に、松崎公昭君の質疑に入ります。
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松崎公昭#28
○松崎委員 民主党の松崎公昭でございます。
 官房長官がお時間がないということなものですから、先に繰り上げて御質問をさせていただきます。
 介護保険の件でございますが、本来小渕総理にお聞きしたかったわけでありますけれども、最近、随分いろいろな御意見が出ております。官房長官も、見直し発言を五月二十七日にされております。そしてまた、自治大臣は先送りを主張される。あるいは、盟友であります自由党の小沢党首も、延期ではなくて全面的に見直すべきだ。
 これらは、制度そのものの難しさあるいは複雑さ、そういうことがあります。背景にはもちろん膨大な高齢化という波があるわけでありますから、これは政治の側だけの責任じゃないかもしれません。しかし、これだけ決まった制度、そしてまた待っている方々もいる、民間の業者も既にスタンバイしている、十月からは実際に一部始まるわけであります。そういう中で見直し発言等がございます。あるいは、選挙の問題もあって延ばすべきだという、極めて政治的な背景もあるわけであります。
 この辺、どのように基本的に考えていらっしゃるか、ひとつお答えをお願いしたいと思います。
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野中広務#29
○野中国務大臣 介護保険につきましては、介護をめぐる問題が、より高齢化社会を前にいたしまして深刻な問題でございますので、制度に寄せられる国民の期待も大きいわけでございまして、それだけにまた、さまざまな不安を抱えておるのが実態でございます。
 現在、それぞれ地方公共団体におかれましては、準備作業を進めていただいておるところでございまして、二〇〇〇年四月からの実施を法律で決定しておるわけでございますので、これを目指してせっかくの御努力を賜っておるわけでございます。
 ただ、自治体の準備状況を現実に見てみますときに、それぞれの自治体の中における施設介護のあり方、在宅看護のあり方、こういう問題から保険料へと多くの問題点を残しておるわけでございます。その問題点をどのようにして、これから来年四月に実施するまでに調整をやり、自治体が十分できるような体制を整えていくかというのが私どもに課せられた大きな責任であろうと思うわけでございまして、制度の円滑な施行の方向に向けてせっかく努力を続けてまいりたいと考えておるところでございます。
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