下村博文の発言 (消費者問題等に関する特別委員会)

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○下村委員 その長期的、短期的という期間をどう見るかによって、消費者にとって、あるいはいろいろな既存の小売関係の仕事をしている方々にとって、どのような痛みを伴うのか伴わないのかということは当然違ってくると思うのですね。また経済的には、自由経済の中で、神の見えざる手という言い方をおっしゃいましたが、ジャングルのおきてですか、これは弱肉強食であるわけですね。
 ただ、そういう経済状況と同時に、やはりそこに、官僚という言い方をおっしゃっていましたが、我々は、政治という立場から見れば、できるだけ、社会で、地域の中で生活している方々がそれぞれ幸せに生きる可能性を追求するのが政治ということでありますから、政治の中で全般的な幸福というのをどうバランスをとりながらつくるかということがある意味では我々の仕事であると思うのです。ですから、当然、少数の利益を守るために国民経済的に得られたはずの多数の利益を犠牲にするということはあってはならないわけであります。
 ただ、実際に、今、長官からもお話がございました酒類に限定をして、これがこれから急激な緩和になりますから、この緩和とあわせてどんな問題が出てくるのか、それが消費者にとってどうプラス面があるのか、マイナス点があるのかということをちょっと具体的に御質問をさせていただきたいと思います。
 それは、今までは、酒類の場合には免許制であったわけでありますが、これが今後、需給調整要件ということで、距離基準が来年、平成十二年の九月一日から廃止をされる。また、人口基準についても平成十五年の九月一日から廃止されるということで、既に昨年の九月から人口基準の段階的緩和をされることになってきているわけですから、今後、これが全廃になるわけですね。ですから、どこでも酒類小売業をしようと思えばできるという状況になってくるわけであります。
 ただ、ほかの国等を見ますと、特にお酒というのは、アルコール中毒、依存症等、いろいろな社会的な、あるいは青少年の健全育成等からも問題がありますから、そうはいっても、どこの国でも、それぞれ、それなりの免許制度があったり、それなりの一定の規制等があったり、あるいは、国によっては一切販売しないというところもあるぐらいで、全く自由という国はないわけであります。
 つまり、自由経済だからどこでもいいだろうというのは、原理原則としてはそうかもしれませんが、一方で、マイナスの部分を、どうそれを国民生活の中で行政側があるいは政治の方が配慮するかということは、大変に重要な問題であると思います。
 このような中で、いわゆる経済的な規制については全面的な撤廃になるということはもう決まっているわけでありますが、これにかわって社会的規制ということを自主的に考えていかなければならないのではないか。
 これは実は酒類だけでなく、我が国における、例えば表現の自由等、抵触するということをよく言われるわけですが、いろいろな週刊誌等のヘアヌードの問題とか、販売の場所の問題とか、あるいはマスコミ、特にテレビ等におけるセックス描写であるとか暴力描写であるとか、こういうことも含めて、我が国が戦後、ある意味では、ある部分から全く自由放任になってしまったことによって、まさに無秩序状態になっている部分があるのではないか。これについては、新たな社会的な規制をすることによって、よりよく健全な社会を構築していくためにつくりかえるということが問われているのではないかというふうに私は考えるわけであります。
 その中で、酒類の経済的な規制については全面撤廃するということは、先ほどの経済的な原理原則からすればそのとおりのことになるとは思うのですが、それにかわって社会的な何らかの制約を考えていくことが必要ではないかと私は考えております。
 その中で、実は、東京を中心として、そのような小売酒販の業界の方々、それから、子供たちを持っているPTAの方々等が中心となって、この酒類の経済的な全面撤廃に対応して、自分たちで社会的規制について議論していこうという中で、幾つか自主規制的な部分というのを考えております。
 例えば、一つは、酒類の販売管理者の設置を義務づける。このことによって、子供を含めてむやみに売るようなことがないような、ちゃんとした管理者を置くとか、あるいは対面確認販売をする、これは未成年者等が対象になると思いますけれども。
 また、自動販売機等も、置いておくということが、これはだれでも買えるということになってしまいますから、これを平成十二年の五月までに撤去して、改良型、IDカードを使用した自動販売機を置くとか、運転免許証利用型自動販売機等を置くことによって、きちっと未成年者が買えないようなことをすべきではないか。
 それから、今は町の酒屋さん以外で、コンビニ等でお酒を売っているところが大分ふえておりますが、コンビニ等では、アルバイト、パート、若い学生を使っている場合が多いわけでありまして、特に深夜等ではそういう人が売っていることが多いというデータがありますので、このような未成年者のレジスター業務の従事については、未成年者飲酒防止の原則に関して、これを認めないというようなことをきちっと規制したらいいのではないかということ。
 それから、既に自動販売機では行っているわけですが、自動販売機以外のコンビニ等では夜間でも酒類の販売を行っております。これを深夜の十一時から朝の五時までは売らないという、販売時間の自主規制を行う。
 それから、販売場所については、病院とか学校とか青少年の施設等については、距離を新たに設けて、新規の酒類販売の設置については認めないようにしたらどうかとか、広告については、酒類のテレビCM等は全面禁止する。このことによって、過度の飲酒を誘引するものについては一切認めないということにした方がいいのではないか。
 これは、そういう方々が自主的な中で、こういう社会的規制の提案をされてきているのです。これは、ただ自主規制のみでは不十分であるから、今後、条例化をそれぞれの都道府県に対して働きかけていこうという動きも出ておりますけれども、それだけではなく、国としてもこれに対して何らかの法制化を考える必要があるのではないかというふうに思いますし、また、それに対して有効性を担保するものとしては、罰則規定等を設けるということも今後、一方で必要になってきているのではないかというふうに考えておりますが、このことについてはどのような見解をお持ちなのか、お聞きしたいと思います。

発言情報

speech_id: 114504538X00219990304_011

発言者: 下村博文

speaker_id: 34381

日付: 1999-03-04

院: 衆議院

会議名: 消費者問題等に関する特別委員会