消費者問題等に関する特別委員会

1999-03-04 衆議院 全106発言

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会議録情報#0
平成十一年三月四日(木曜日)
    午前九時開議
  出席委員
   委員長 河上 覃雄君
   理事 栗原 裕康君 理事 桜田 義孝君
   理事 下村 博文君 理事 渡辺 具能君
   理事 石毛えい子君 理事 樽床 伸二君
   理事 青山 二三君 理事 松浪健四郎君
      岩永 峯一君    小此木八郎君
      小野 晋也君    大村 秀章君
      河野 太郎君    河本 三郎君
      鈴木 恒夫君    田中 和徳君
      能勢 和子君    城島 正光君
      肥田美代子君    丸谷 佳織君
      藤田 スミ君    中川 智子君
 出席国務大臣
        国務大臣
        (経済企画庁長
        官)      堺屋 太一君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     根來 泰周君
        公正取引委員会
        事務総局経済取
        引局長     山田 昭雄君
        経済企画政務次
        官       今井  宏君
        経済企画庁長官
        官房長     林  正和君
        経済企画庁調整
        局長      河出 英治君
        経済企画庁国民
        生活局長    金子 孝文君
        経済企画庁総合
        計画局長    中名生 隆君
        経済企画庁調査
        局長      新保 生二君
        国税庁課税部長 森田 好則君
        自治大臣官房総
        務審議官    香山 充弘君
 委員外の出席者
        農林水産省食品
        流通局品質課長 吉村  馨君
        労働省職業安定
        局雇用保険課長 稲田  敏君
        衆議院調査局第
        二特別調査室長 牧之内隆久君
委員の異動
三月四日             
 辞任         補欠選任
  小林 多門君     岩永 峯一君
同日               
 辞任         補欠選任
  岩永 峯一君     小林 多門君
二月八日
 遺伝子組換え食品の表示に関する請願(伊藤茂君紹介)(第四八二号)
 同(伊藤茂君紹介)(第五三七号)
 同(伊藤茂君紹介)(第五七八号)
は本委員会に付託された。
二月十六日
 遺伝子組換え食品の表示に関する陳情書外二件(第八九号)
 実効性ある消費者契約法の早期制定に関する陳情書外一件(第九〇号)
は本委員会に参考送付された。
本日の会議に付した案件
 物価問題等国民の消費生活に関する件
    午前九時開議
     ――――◇―――――
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河上覃雄#1
○河上委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等国民の消費生活に関する件について調査を進めます。
 この際、堺屋経済企画庁長官から所信を聴取いたします。経済企画庁長官堺屋太一君。
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堺屋太一#2
○堺屋国務大臣 我が国経済の当面する課題と経済運営の基本的な考え方につきましては、去る一月十九日、本会議場における経済演説において明らかにしたところであります。本日、消費者問題等に関する特別委員会が開催されるに当たり、重ねて所信の一端を申し上げさせていただきます。
 我が国経済は、二年連続のマイナス成長という経済国難ともいうべき状況にあり、この不況を克服して我が国経済を再生することが当面の最重要課題であります。
 今日の深刻な経済状況には、短期循環、長期波動、歴史的発展段階の転換という三重の波が重なっています。まず、短期の循環では、九七年初頭を頂点として、景気は下降局面に入っています。長期波動においては、戦後一貫して成長拡大してきた我が国経済が、八〇年代末のバブル景気を境として安定成熟局面に入っています。もう一つは、規格大量生産型の近代工業社会から多様な知恵の時代という、より大きな歴史的発展段階の転換です。
 これらの三重の波は相互に絡み合っており、現下の経済国難から脱出するには、これら三重の波を同時に解消していかなければなりません。
 このような認識に立って、政府は、平成十一年度の経済をはっきりプラス成長にすること、失業をふやさないこと、そして、経済における国際協調を進めることという三つの目標を立て、これを達成するため、不況の環を断ち切るべく全力を挙げてまいりました。
 第一は、金融システムの再生であります。
 小渕内閣は、昨年来、金融システムの再生のための法的整備や予算措置等を行ってきました。今後は、用意された法的、財政的枠組みを的確かつ厳格に運用し、我が国金融システムの早期健全化に努める一方、金融機関に対しては厳しく効率化と情報公開を求める方針です。
 第二は、需要の喚起であります。
 昨年十一月の緊急経済対策において、政府は総事業規模十七兆円超の事業を実施することとし、平成十一年度予算においては、公共事業について、公共事業等予備費を含め、前年度に比べて一〇%を上回る伸びを確保しました。また、税制面では、六兆円を超える個人所得課税、法人課税の恒久的な減税に加えて、個人の住宅取得等に対する特別措置を初めとする政策減税を含め、国、地方を合わせて平年度九兆円を超える減税を実施することといたしました。
 第三は、雇用及び起業の拡大であります。
 これからの日本経済では、企業別、産業別の盛衰には大きな格差が生じると見られ、より柔軟で適切な労働力の再配置が必要になります。新しい産業構造や就業形態に即した雇用の開発と創造に力を注ぐべく、勤労者の能力開発を強化し、新規雇用創出に対して新たな助成制度を設けるほか、新たに事業を起こそうとする者の資金調達を支援する措置を講ずることとしております。
 以上のように、金融、需要、雇用の三点で不況の環を断ち切ることによって、来る平成十一年度には〇・五%程度のプラス成長を見込むことができます。
 重要なのは、これを平成十二年度までに本格的な経済再生につなげ、二十一世紀においても我が国が世界の先端を行く国であり続けるように、経済社会の構造と国民の心理を未来志向型に改革することであります。
 そのために、緊急経済対策においては、生活空間倍増プラン及び産業再生計画の策定を打ち出すとともに、二十一世紀先導プロジェクトを盛り込みました。また、民間の資金やノウハウを活用して公共の施設やサービスの充実を促進する手法、いわゆるPFIを推進するためにも、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律案の早期成立を期待するものであります。
 小渕内閣が進めるもう一つの重要経済政策は、国際経済への貢献です。世界経済、中でも我が国とかかわりの深いアジア経済の安定には、我が国経済が果たす役割が極めて重要です。
 こうした認識に立って、緊急経済対策には、事業規模一兆円程度のアジア支援策等を盛り込みました。また、市場開放苦情処理体制を活用しながら諸外国の要望にこたえていくなど、輸入や対日投資の促進に取り組んでまいります。
 以上のような積極的な諸施策と大規模な減税の結果、平成十一年度予算では三十一兆五百億円の公債を発行することとなりました。財政の健全化はもとより重要でありますが、現下の経済状況においては、何よりも急ぐべきは不況からの脱出であり、その成果として生じる多様な選択肢の中で考えていくべきであります。
 官僚主導からの決別を知らしめたことは、小渕内閣の重要な業績の一つであります。特に、金融の分野において、透明かつ公正な金融行政への転換、推進等が、政府が、言葉だけではなく、実際の政治や行政においても厳格な自由経済を志向していることを知らしめる重要なメッセージとなっています。
 先般、小渕総理大臣より、経済審議会に対して、この歴史的な転換期に当たって、我が国経済社会のあるべき姿とその実現に向けての経済新生の政策方針を策定いただくよう諮問がありました。経済審議会では、経済戦略会議の提言をも踏まえて、今後十年程度の間に達成すべき我が国経済のあるべき姿とそれに至る道程を指し示していただけるものと期待しています。
 また、選択の自由が広い市場経済では、公正な競争と事業者の情報公開が欠かせぬ一方、選ぶ者の自己責任も重くなります。これに対応して、消費者と事業者との間の契約に広く適用される民事ルール、いわゆる消費者契約法の制定も積極的に検討いたします。また、人々の善意による活動の重要性も増すことでしょう。政府は、民間の非営利団体、いわゆるNPOの活動を促進するための条件整備を今後とも続けてまいります。
 我が国は、今、深い不況のやみに閉ざされています。しかし、我々の立つ基盤は揺るぎないものであります。
 これからの日本が目指すのは、夢と安心がともにある世の中です。若者が夢膨らませる可能性があると同時に、高齢者や失敗者にも新たな挑戦の機会のあることが重要です。消費だけではなく、教育や住居や職業でも選択の幅を広げることが大切です。拡大する高齢者市場、歩いて暮らせる町づくり、育児や家事のアウトソーシングなど、これから広がると見られる分野は限りなくあります。
 世界に先駆けて高齢社会が現実となる日本は、その豊かさとすぐれた慣習を生かして、これからの人類文化に積極的な貢献ができることでしょう。
 今、この国に必要なのは、みずからに対する自信と未来への夢、そして改革を実現する勇気ある実行です。
 本委員会の皆様方の御理解と御協力を切にお願いいたします。拍手
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河上覃雄#3
○河上委員長 次に、消費者行政及び物価対策関係経費の概要につきまして、政府から説明を聴取いたします。経済企画政務次官今井宏君。
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今井宏#4
○今井(宏)政府委員 おはようございます。
 平成十一年度の消費者行政及び物価対策の関係経費の概要について御説明を申し上げます。
 政府は、現在、市場メカニズムを重視した活力ある経済社会を構築するため、規制緩和等の経済構造改革を積極的に推進しているところでございます。
 こうした中、消費者政策におきましては、消費者安全の徹底、消費者取引の適正化等、各般の分野における消費者保護のための各種施策とともに、近年は、消費者と事業者が自己責任に基づいて行動できるような、公正で明確な市場ルールを整備することがとりわけ重要になってきております。
 また、現在、物価は極めて安定しておりますが、引き続き国民生活安定の基礎である物価安定の維持に努めるとともに、我が国経済の高コスト構造の是正を一層進めていくことが重要であります。
 政府といたしましては、こうした認識に基づき、消費者行政及び物価対策を展開することといたします。
 まず、平成十一年度の消費者行政関係経費でございますが、お手元に配付されております資料に、各省庁の消費者行政に係る経費を整理してお示ししております。
 一枚目、二枚目は、消費者行政関係経費を消費者保護基本法の体系に沿って十二の項目に分類しており、「危害の防止」から「契約の適正化」までの最初の六項目は、主として事業者活動の適正化を内容とする事項であります。項目七の「消費者啓発」以下の諸項目は、主として消費者が自主的、合理的な消費生活を営むことを支援する内容のものであります。
 消費者行政関係経費を合計いたしますと、二枚目の表の一番下の欄にありますように、二百三十億円となっております。前年度に比べますと五・四%の減となりますが、これは、各種検査機器が前年度までにかなりの程度整備されたこと等の事情によるものでございます。
 次に、平成十一年度の物価対策関係経費でございますが、お手元に配付されております資料の三枚目、四枚目に、「低生産性部門の生産性向上」、「生活必需物資等の安定的供給」等、物価の安定に資することとなる各省庁の経費を七項目に分類整理してお示ししております。
 物価対策関係経費を合計いたしますと、四枚目の表の一番下の欄にありますように、四兆九千五百八十七億円と、前年度予算に比べ二・八%の増となっております。主要経費を項目別に見ますと、雇用対策の充実による労働力の流動化促進のための経費が大幅に増加しているほか、公共事業の積極的な推進により、同関連経費が増加しております。
 最後に、五枚目は、外来薬剤費の一部負担に係る臨時特例措置等、平成十一年度予算に関連する主要な公共料金の改定をまとめたものでございます。
 以上、平成十一年度の消費者行政及び物価対策の関係経費の概要を御説明申し上げました。
 何とぞよろしくお願いを申し上げます。
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河上覃雄#5
○河上委員長 次に、平成十年における公正取引委員会の業務の概略につきまして、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。公正取引委員会委員長根來泰周君。
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根來泰周#6
○根來政府委員 平成十年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の違反行為については、内外の事業者の公正かつ自由な競争を促進し、消費者の利益を確保するとの観点から厳正に対処し、価格カルテル、入札談合等二十七件について勧告等の法的措置をとったほか、二十二件の警告を行いました。また、十九件の価格カルテル、入札談合事件について、総額八十二億八千四十六万円の課徴金の納付を命じました。なお、このうち、審判開始請求があった合計五十四億五千三百三十二万円については、課徴金納付命令は失効し、いずれも審判を行っています。
 独占禁止法における株式保有、合併等に関する企業結合規制については、制度の趣旨、目的に照らしたより効率的かつ機動的な運用等の観点から、届け出・報告対象範囲の縮減、審査手続の整備等が行われましたところ、これとあわせて、法運用の透明性を高めるため、「株式保有、合併等に係る「一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合」の考え方」を公表しております。
 独占禁止法適用除外制度の見直しについては、独占禁止法、適用除外法及び個別法に基づく適用除外カルテル等制度について見直しを行った結果、平成十年三月の閣議決定において、独占禁止法に基づく不況カルテル制度等の廃止、適用除外法の廃止等の措置を講ずることとされました。
 また、著作物の再販適用除外制度の見直しについては、公正取引委員会における検討の結果、競争政策の観点からは廃止の方向で検討されるべきものであるが、文化の振興、普及と関係する面もあるとの指摘もあることから、これを廃止した場合の影響について配慮しつつ引き続き検討すること等の結論を得ております。
 事業活動及び経済実態調査については、競争政策の観点から、薬局・薬店に対する広告規制・出店規制等に関する実態調査、公益法人等の自主基準・認証に関する実態調査、司法書士・行政書士の広告規制等に関する実態調査、保険業に関する実態調査等を行い、それぞれ結果を公表しました。
 不当景品類及び不当表示防止法に関する業務については、消費者の適正な商品選択が妨げられることのないよう、過大な景品類の提供及び不当表示の排除に努め、十二件の排除命令を行ったほか、四百八十五件の警告を行いました。また、消費者に対する適切な情報提供等の観点から、英会話教室における消費者取引の実態について調査を行い、その結果を公表しております。さらに、景品規制の見直しを進め、景品類の提供の制限に関する二十九の業種別告示すべてについて見直しを完了しております。
 以上、簡単でございますが、業務の概要について御説明申し上げました。
 今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
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河上覃雄#7
○河上委員長 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
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河上覃雄#8
○河上委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。下村博文君。
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下村博文#9
○下村委員 おはようございます。自由民主党の下村博文でございます。
 今、国民の中で大変な不況感というのが蔓延しておりまして、非常に財布のひもがかたくなっている。消費行動に転換をしていくような、そういう施策が今問われていると思いますが、そういう意味では、今度、地域振興券が施行されることになりましたが、特に商店街等では、これに対して大変期待感がございます。
 きょうは、特に、規制緩和という中で、商店街等のそれぞれの、個々の小売店の問題等を中心として、これが結果的に消費者に大きく影響してくることがございますので、このことを中心として質問をさせていただきたいと思っております。
 規制緩和というのは、先ほど堺屋長官からもお話ございましたように、消費者にとっては、選択の幅を広げることにより、より適切な商品を購入することができるというプラス面があると思いますし、また、そういう流れの中に既に我が国が入っているということであります。
 ただ、その中で、特に小売関係におきますと、今商店街の中で、そのような閉塞感、不況感ということと同時に、規制緩和における今後のそれぞれの個店について大変な危機感を持っているということがございます。
 それは、大店舗法の問題等もございますが、それと同時に、規制緩和をすることによって、商店街を形成している個々のお店、魚屋さんであるとか八百屋さんであるとかというのと、以上に、今回規制緩和の対象になっている、例えば酒屋さんとかあるいはお米屋さんとかガソリンスタンドとか、こういうそれぞれの業種にとっては大変切実な問題でございます。
 この方々というのは、同時に、地域の中のコミュニティーの核になっている。商店街の方々が地域のコミュニティーの核になっている、あるいは町会組織の核になっている。いろいろなイベントやお祭り等、そういう方々が支えていただくことによって、青少年の健全育成等もそうですが、地域の文化とかあるいは秩序とかが成り立っている部分がございます。
 ですから、できるだけ商店街が持続をし、また発展をしていくような施策も同時にとっていかなければならないということが今後大きな課題になってくるかと思いますが、その中で、きょうは、規制緩和の中で今後あり方として一番問われてくる、特に公正取引委員会に対して、不当廉売等で業種的に一番問題になっております酒屋さん、酒類、それからガソリンスタンド、この辺の問題を質問させていただきたいと思っております。
 まず、その前に、我が国において、規制緩和をすることによって構造改革をしていこうということでありますけれども、消費、小売、この関連分野で経済効果が見込めるということが具体的に言えるのか。また、どの分野でそれが言えるのか。また、規制緩和をすることによって、今のような消費、小売分野ですけれども、社会的、経済的メリット、デメリットというのをどんなふうにお考えになっているのか、まず長官にお聞きしたいと思います。
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堺屋太一#10
○堺屋国務大臣 規制緩和というのは、結局、自由主義市場経済を目指すものでございます。
 自由主義市場経済とは何物かと申しますと、これは、十八世紀に産業革命が起こって、いろいろなやり方、商品、技術、いろいろなものが生まれてきたとき、どれがいいものであるかわからない。何しろ、当時は、聖書の言葉さえ疑われた時代ですから、どれがいいものか、役人にも学者にも選ばせるわけにはいかない。
 そういうときに、どうしたらいいか。イギリス人は、あらゆるものを市場で販売する権利を認める、いわゆる法の前の平等、こういう身分の人でなければこれはしちゃいけないとか、こういう権利を持っている人でなければそれをしちゃいけないとかということをなくして、自由に販売させる、いわゆる新規参入の自由ということを行いました。そして、どれがいいものかは、市場が、つまり買い手が選ぶんだ、消費者が選ぶんだという消費者主権を確立しようと。新規参入と消費者主権がセットになっているわけです。
 そういたしますと、当然、供給者、事業者の方は玄人でございまして、消費者の方は素人でございますから、玄人が素人をだましちゃいけない。だますのは簡単だから、これは抑えなきゃいけないというので、供給者の情報公開を義務づける一方、消費者には、消費の秘匿、何を消費したか、何を買ったかを隠す権利がある。こういう理念、概念を打ち立てた。これが自由経済の始まりであります。
 したがって、これを政治に適用したのが民主主義でございまして、だれでも立候補できる、そして、政治の消費者である投票をできるだけたくさん集めた者が当選し、それの多い政党が政権をとる。そして、立候補する人は供給者でございますから、必要な情報は公開しなきゃいけない、政治の消費者はだれに投票したか秘匿する権利がある、こういう仕掛けになったわけです。
 この例で考えていただきますとわかりますように、新規参入と消費者主権と情報公開が三点セットになっている。この制度の一番の利点は、まず第一に、競争によって、消費者が一番選べるものが残る、消費者好みのものが残る。これが安いものであるか高いものであるか、それはわかりません。だから、規制緩和によって保障されている最大のポイントは多様化、消費者の好きなものが残るということでございます。消費者の選んだものが残るということが最大のメリットです。
 第二番目には、新規参入が認められておりますから、どんどん、新しいやり方、創意工夫が生かされて、日進月歩、新しいものが生まれてくる。そして、それにまた消費者が支持をすれば、それが発展をする。そういう常に改善、改革が行われるというのが一番のメリットで、そういう仕組みをつくろうというのが、この規制緩和、自由化の基本的な考え方でございます。
 大規模小売店法にかかわりまして、累次規制緩和を行い、小売業にかなりの影響を与えておりますのも、大規模店でも小規模店でも、あるいは無店舗販売や通信販売、最近では電子商販売等、あらゆる形を認めることによって、消費者選択を広げていこうということです。その結果、いわゆる神の見えざる手というのが存在してくる。これによって、生き残るものは生き残り、繁栄するものは繁栄する、そういう仕掛けになっております。
 この神の見えざる手というのは、よく言えば神の見えざる手ですが、悪く言うとジャングルのおきてでございます。だから、ある段階である分野を見ますと、確かに弱肉強食が起こるのです。ところが、全体として見ると、ジャングルのおきてというのは、いわゆる極相、ある一定の形で、肉食獣がふえると草食獣が減って、肉食獣が飢え死にして、また草食獣がふえる。草食獣がふえると草が減って、それが減る。こういう神の見えざる手による自然調整が行われるものと期待しているわけです。
 そういったことをつくっていこうというわけでありますが、一方、現実の問題として見ますと、その間に、大規模店が出たので従来の商店が衰退をするという問題があります。しかも、この十年間の経験でいいますと、商店街の衰退が徐々に起こるのではなくして、ある日突然起こる。特に、地域商店街、夕げを買いに奥様方が来られるような商店街でございますと、お魚屋さんとお肉屋さんと八百屋さんのどれか一種類がなくなるとがっくり減る、客足がとまるというようなこともございます。そういった構造的な問題が後継者難と絡んで非常に重要な問題になってまいってきております。
 経済的、社会的には、長期的に見ると、先ほど申しました神の見えざる手による市場原理を貫徹することは大いなるプラスがあるわけでございますけれども、短期的にはあるいは部分的にはそういう弱肉強食というようなことも行われ、住みなれた土地を去らねばならない人も出てまいりますし、職業をかえなければならない人も出てくるという副作用もございます。また、一時的には、反社会的な商売が行われることもあります。新規参入を自由にいたしますれば、商売、小売店にいたしましても、サービス業にいたしましても、言論活動にいたしましても、反社会的なものが出てくる可能性があります。
 こういうものを官僚が取り締まるべきか、それとも、消費者の選択によってそういうものは排除されるのだと考えるべきか。自由主義市場経済の世の中では、あくまでも大衆を信頼いたしまして、そういうものは大衆が市場メカニズムで排除するのだと考えています。だから、できるだけ官僚はタッチしないで、一見反社会的なものができても、情報公開が確実であれば、必ず大衆が排除するはずである、市場競争が排除するはずである、こう考えているのでありますが、現実には必ずしも時間的にそのようになるとは限りません。
 そういう意味で、副作用をとめるために、多数の利益に対して少数の利益を守ろうということも必要になってまいります。市場原理を貫徹していく上で、この少数の利益、あるいはそれの間のタイミングのとり方等々の問題は、検討する必要のある課題だと思います。
 現在、ガソリンスタンドや酒類販売店につきましてこういった問題が起こっておりまして、ガソリンスタンドなどは一時、大変たくさんできました。土地の値上がりを待つためにスタンドにするというようなことも含めて過剰になったことがございまして、それが今、大廉売になっております。ちょっと最近とまったようですが、ことしに入ってまた始まっている、一部にはあるようでございますが、そういった時間的猶予をどう考えるかというのは、一つの問題として存在すると思います。
 今、この自由化の問題と規制緩和の問題と社会的な問題、このはざまが目立っている時代でございますけれども、長期的に見れば、私は、自由経済、市場経済というのを推進することが日本にとって必要であり、有利であると考えております。
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下村博文#11
○下村委員 その長期的、短期的という期間をどう見るかによって、消費者にとって、あるいはいろいろな既存の小売関係の仕事をしている方々にとって、どのような痛みを伴うのか伴わないのかということは当然違ってくると思うのですね。また経済的には、自由経済の中で、神の見えざる手という言い方をおっしゃいましたが、ジャングルのおきてですか、これは弱肉強食であるわけですね。
 ただ、そういう経済状況と同時に、やはりそこに、官僚という言い方をおっしゃっていましたが、我々は、政治という立場から見れば、できるだけ、社会で、地域の中で生活している方々がそれぞれ幸せに生きる可能性を追求するのが政治ということでありますから、政治の中で全般的な幸福というのをどうバランスをとりながらつくるかということがある意味では我々の仕事であると思うのです。ですから、当然、少数の利益を守るために国民経済的に得られたはずの多数の利益を犠牲にするということはあってはならないわけであります。
 ただ、実際に、今、長官からもお話がございました酒類に限定をして、これがこれから急激な緩和になりますから、この緩和とあわせてどんな問題が出てくるのか、それが消費者にとってどうプラス面があるのか、マイナス点があるのかということをちょっと具体的に御質問をさせていただきたいと思います。
 それは、今までは、酒類の場合には免許制であったわけでありますが、これが今後、需給調整要件ということで、距離基準が来年、平成十二年の九月一日から廃止をされる。また、人口基準についても平成十五年の九月一日から廃止されるということで、既に昨年の九月から人口基準の段階的緩和をされることになってきているわけですから、今後、これが全廃になるわけですね。ですから、どこでも酒類小売業をしようと思えばできるという状況になってくるわけであります。
 ただ、ほかの国等を見ますと、特にお酒というのは、アルコール中毒、依存症等、いろいろな社会的な、あるいは青少年の健全育成等からも問題がありますから、そうはいっても、どこの国でも、それぞれ、それなりの免許制度があったり、それなりの一定の規制等があったり、あるいは、国によっては一切販売しないというところもあるぐらいで、全く自由という国はないわけであります。
 つまり、自由経済だからどこでもいいだろうというのは、原理原則としてはそうかもしれませんが、一方で、マイナスの部分を、どうそれを国民生活の中で行政側があるいは政治の方が配慮するかということは、大変に重要な問題であると思います。
 このような中で、いわゆる経済的な規制については全面的な撤廃になるということはもう決まっているわけでありますが、これにかわって社会的規制ということを自主的に考えていかなければならないのではないか。
 これは実は酒類だけでなく、我が国における、例えば表現の自由等、抵触するということをよく言われるわけですが、いろいろな週刊誌等のヘアヌードの問題とか、販売の場所の問題とか、あるいはマスコミ、特にテレビ等におけるセックス描写であるとか暴力描写であるとか、こういうことも含めて、我が国が戦後、ある意味では、ある部分から全く自由放任になってしまったことによって、まさに無秩序状態になっている部分があるのではないか。これについては、新たな社会的な規制をすることによって、よりよく健全な社会を構築していくためにつくりかえるということが問われているのではないかというふうに私は考えるわけであります。
 その中で、酒類の経済的な規制については全面撤廃するということは、先ほどの経済的な原理原則からすればそのとおりのことになるとは思うのですが、それにかわって社会的な何らかの制約を考えていくことが必要ではないかと私は考えております。
 その中で、実は、東京を中心として、そのような小売酒販の業界の方々、それから、子供たちを持っているPTAの方々等が中心となって、この酒類の経済的な全面撤廃に対応して、自分たちで社会的規制について議論していこうという中で、幾つか自主規制的な部分というのを考えております。
 例えば、一つは、酒類の販売管理者の設置を義務づける。このことによって、子供を含めてむやみに売るようなことがないような、ちゃんとした管理者を置くとか、あるいは対面確認販売をする、これは未成年者等が対象になると思いますけれども。
 また、自動販売機等も、置いておくということが、これはだれでも買えるということになってしまいますから、これを平成十二年の五月までに撤去して、改良型、IDカードを使用した自動販売機を置くとか、運転免許証利用型自動販売機等を置くことによって、きちっと未成年者が買えないようなことをすべきではないか。
 それから、今は町の酒屋さん以外で、コンビニ等でお酒を売っているところが大分ふえておりますが、コンビニ等では、アルバイト、パート、若い学生を使っている場合が多いわけでありまして、特に深夜等ではそういう人が売っていることが多いというデータがありますので、このような未成年者のレジスター業務の従事については、未成年者飲酒防止の原則に関して、これを認めないというようなことをきちっと規制したらいいのではないかということ。
 それから、既に自動販売機では行っているわけですが、自動販売機以外のコンビニ等では夜間でも酒類の販売を行っております。これを深夜の十一時から朝の五時までは売らないという、販売時間の自主規制を行う。
 それから、販売場所については、病院とか学校とか青少年の施設等については、距離を新たに設けて、新規の酒類販売の設置については認めないようにしたらどうかとか、広告については、酒類のテレビCM等は全面禁止する。このことによって、過度の飲酒を誘引するものについては一切認めないということにした方がいいのではないか。
 これは、そういう方々が自主的な中で、こういう社会的規制の提案をされてきているのです。これは、ただ自主規制のみでは不十分であるから、今後、条例化をそれぞれの都道府県に対して働きかけていこうという動きも出ておりますけれども、それだけではなく、国としてもこれに対して何らかの法制化を考える必要があるのではないかというふうに思いますし、また、それに対して有効性を担保するものとしては、罰則規定等を設けるということも今後、一方で必要になってきているのではないかというふうに考えておりますが、このことについてはどのような見解をお持ちなのか、お聞きしたいと思います。
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堺屋太一#12
○堺屋国務大臣 酒類の販売は長く制限されておりました。その理由は、酒類が大変税金が高いものですから、税収の確保ということが第一の条件であったと思いますが、今、これが大幅に自由化されて、コンビニでも売っているし、自動販売機でもビールが売られているというような状態になってまいりました。
 このことがどの程度社会的影響を与えるか。この経済的規制と社会的規制の問題を考えるときに、しばしば、社会的規制という理由で経済的規制が行われ、そこに利権が発生するということが問題として存在いたします。諸外国の場合は、アラブ諸国の一部では酒類は厳禁、これは宗教的な理由でございますし、アメリカでも禁酒法が行われたこともございます。また、ヨーロッパの国々でも、酒類の販売について、免許制あるいは利権化しているところもたくさんございます。
 もし社会的規制、特に委員御指摘のような青少年の教育問題ということに限定して考えますと、現在、青少年の行動範囲はかなり広がっておりまして、学校の前になかったら青少年が買わないかというと、そうもまいらぬ状態でございます。また、コマーシャル等につきましても、時間的に制限するとか内容を制限するというのは非常に困難でございますし、それから酒の濃度、あるいは酒類を販売することと飲食させることとの問題がございますが、そういった点から考えましても非常に難しい条件だろうと思います。
 私の考えといたしましては、酒類の販売につきましては、社会がこれだけ情報化し、いろいろなことを知られるようになりました。幸いにして日本の場合は、青少年、特に未成年のアルコール中毒は極めてわずかでございまして、むしろ、シンナーとか別の悪害のあるものがございますけれども、酒類の影響は比較的少ないのではないかと考えております。
 そういう意味でいいますと、これまで長く規制してまいりました事実がございますので、できるだけ多数の利益、つまり、便利で安価な販売競争が行われる方を重視すべきではないかというように考えております。制限をいたしますと、従来そうでございましたけれども、やはりお酒の値段が一定の価格で利権化するということもございますし、また、夕げの支度をするのに幾つもの店を回らなければならないというような不便もございますので、一般論として申しますと、これはできるだけ自由開放した方がいいのではないか、極めて特殊な場合を除いては自由に開放した方がいいのではないかと考えております。
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下村博文#13
○下村委員 経済的な規制を撤廃することにより、消費者にとって本当に利便性が増すのか、つまり、安くなるということが本当に言えるのかどうか。
 例えば、我が国より二十五倍広いアメリカにおいて、酒類の小売免許の数は六万カ所だそうでありますけれども、我が国は今十七万あるそうであります。昨年の九月からもう段階的な規制緩和をしておりますから、昨年だけで六千、新規にふえているんですね。そういう意味では、既にかなりの数がありますから、そういう、消費者にとってかなり限られた場所でしか買えないような状況なのかどうかということを考えますと、これはそうは言えないのではないか。
 また、これが段階的に経済的な規制が突破されることによって、本当に消費者にとっての利便性、安くお酒が買えるということが言えるのかどうか。
 それというのも、既にアルコール摂取量、これは今までの経緯から見ると、トータル的な摂取量というのは、我が国においてはもう減りつつあるんですね。ですから、これが、ふやすということが逆に、ふえればいいということでもない、また違う問題も出てきますし、また、ほかの国に比べて高校生のアルコール依存症は少ないのではないかというお話もありましたが、実際ある統計によりますと、我が国において確実に、高校生で少なくとも一%はアルコール依存症に既になっている、そういうデータもあるんですね。
 ですから、そういう観点から見た場合、必ずしもそういう今の長官のようなお話にならないのではないかというように、今までの経緯から見ると私は考えるのですが、いかがでしょうか。
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堺屋太一#14
○堺屋国務大臣 詳細な数字につきましては、国税庁、事務当局から説明していただきたいと思いますけれども、アルコール依存症がふえているとか摂取量の問題とかいうのが現在の酒類販売店の自由化とどのような関係があるか、これは一概に関連性が言えない問題だと思います。
 欧米の制度あるいは最近の酒類販売店の数、それに伴いまして酒類の販売がどうなっているか、その辺については、これは国税庁から詳しいデータをお願いします。
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森田好則#15
○森田(好)政府委員 手元にその数字は持っておりませんけれども、確かにおっしゃるように、米国等におきましても、各州ごとに免許なりなんなりの規制を行っているところでありますし、もしお時間いただければ、国税庁としての酒類の社会的規制の取り組み状況だけを説明します。
 では、もう簡潔にいたしますけれども、ごく最近におきましても、例えば、酒類業者等に対する現行の酒類自動販売機の撤廃の指導、あるいは酒類の容器に対する表示、未成年者の飲酒は法律で禁じられている、そういうふうな措置をとっておりますし、昨年四月には、特に酒類小売業者等に対しまして、酒類販売における未成年者飲酒防止のための取り組みとして、一つには年齢確認の徹底、それから販売責任者の設置などの具体的な取り組みを関係団体に要請いたしますとともに、国税庁長官通達を発遣して、これらの取り組みの実施について酒類小売業者等を適切に指導しているところであります。
 当庁としましては、引き続き、未成年者飲酒問題に関する消費者等に対する啓発や年齢確認徹底等の事業者の取り組みを積極的に推進してまいりたいということであります。
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下村博文#16
○下村委員 実は、この酒類というのが昨年大変に公取の不当廉売等でふえておりまして、不当廉売の中では酒類とか石油製品、家電製品が圧倒的な、業界で問題になっている分野として出てきているわけですね。これについては、今後きちっと国としては、見えざる手という中で放置をするということではなく、やはり積極的な関与をする必要があるのではないかというふうに私は思っております。
 この中で、公正取引委員会が昨年の十月十六日付で、規制緩和後の市場の公正な競争秩序を確保するため、中小企業者等に不当な不利益を与えるなどの不公正な取引に対して厳正、迅速に対処する、こういうふうに発表しております。
 規制緩和が行われる中で、やはり市場における公正、公平、透明性というのを明らかにするということが消費者にとって大変に重要なことでありますし、また、最初から市場経済の中で、そういう流れの中でしてこなかった分野については、途中から急にこのようなハンドルを変える中では、特にこれはある意味では弱肉強食なわけですが、中小零細企業に対する対応ということを、大が結果的にいろいろな不正を行いながら勝ってしまうということを認めるようなことがあってはならないというふうに思います。
 これについては、今までに比べてなかなか公取が、先ほど申し上げましたような例えば不当廉売問題に対して取り組んでいても、注意を与えるだけでありましたから、実質的な成果、効果は非常に目に見えるほどではなかったのではないかというふうに私自身は感じざるを得ないわけでありますけれども、少なくとも、昨年、新たに、さらに中小企業に対して不当な不利益を与える不公平な取引に対して対応するということでありますから、従来に比べて具体的にどのような取り組みを今後行う予定があるのかどうか、お聞きしたいと思います。
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根來泰周#17
○根來政府委員 ただいま御質問のように、不当廉売ということは見過ごされぬ事柄でございますので、引き続き厳正にやっていきたい、こういうふうに思っております。
 ただ、御理解をいただきたいのは、不当廉売という線引きが大変微妙でございますので、その線引きをどうするかという問題がございます。それともう一つは、審査というのは時間がかかる。時間がかかると、結局、注意しても何をしても余り効果がないという批判がございます。ですから、そういう時間のかかり過ぎる点をどういうふうにクリアしていくかというのは、私どもに課せられた問題だと思っております。
 それから、中小企業者の保護ということでございますが、これは独占禁止法のみならず、いわゆる下請法という法律がございまして、中小企業者の保護の万全を期すべく、私どもも、そういう法律に準拠いたしまして努力しているところでございますが、これは国会からも御示唆がございましたように、実態がよくわからないという点がございます。
 それで、要するに、日本商工会議所あるいは商工会とネットワークをつくりまして、中小企業者に対して独占禁止法の宣伝、広報をするということのみならず、中小企業者からいろいろの情報を私どもに提供していただいて、その情報を基本にしまして、中小企業者の保護といいますか、そういうことに万全を図りたいということを今軌道に乗せておりますので、今後ともひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
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下村博文#18
○下村委員 基本的に我が国は自由経済ですから、そういう中での規制緩和ということは、これはそういう流れがあるのは当然のことであるというふうに私も考えますが、ただ、これだけ高度化、複雑化された社会の中で、一方でそれに対してなすがままになってしまったら、強者の論理だけで、どぎついところしか生き残らないということになりかねないと思うわけです。
 そういう意味で、公正取引委員会の今後の規制緩和の中でのあり方というのは、逆に私は大変重要になってくるのではないかというふうに思っておりまして、現在、実数五百五十人だそうでありますが、行政改革というのが言われている中で、逆にこういうところこそ強化する必要があるのではないか、それがある意味では国民の消費生活を守るために必要なのではないかというふうに思っております。
 同じようなことで、アメリカにおいては、連邦法において司法省に一千八百人のスタッフがいる。その上、各州ごとにコスト割れ販売規制法が存在して、それぞれ百人から三百人のスタッフがいるということで、全部で約二万人近くが、必ずしも日本の公取委員会そのものと重なるというわけではありませんが、それだけのスタッフがいるということであります。
 そういうことから考えても、さらに公正、公平、透明な市場を確保するということから考えると、今後公取を拡充させるということは、国民の消費生活にとっては大変に重要なことではないかと思いますけれども、このような規制緩和後の市場の公正な競争秩序を確保するため、今後公取が抜本的な組織の見直しとか取り組みも考えてもいいし、また、そういう必要性があるのではないかというふうに思っておりますが、それについてはいかがでしょうか。
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根來泰周#19
○根來政府委員 従来、国会、この委員会を初め、ただいままた非常に御理解をいただきまして、大変ありがとうございます。私どもも、今の陣容で満足しているわけではございませんが、この十年間で百人ぐらい増員されております。こういう規制緩和の時代には事後チェックということが必要でございますので、やはりこれ以上の人員を増加したいと私どもも思っておりますし、また、組織の拡充あるいは職員一人一人の能力の向上ということを図っていく必要があると思いますので、これまで以上の御支援をお願いしたい、こういうふうに思っております。
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下村博文#20
○下村委員 時間が参りましたので、これまでとさせていただきますが、特に今問題になるのは、公取の中でも取り上げられておりますけれども、そのような酒類販売やあるいはガソリンスタンド、家電等、規制緩和の中で、力のあるものがその力をさらに拡大をさせるために、非常に不公平な、あるいは不正の取引をすることによって小を淘汰させていくというような問題点が非常に出てきております。
 それは、経済原則ということではなくて、やはり中小零細企業の立場というのを、少なくとも公正、公平、透明の中でどう存在させるかということがやはり必要なことだというふうに思いますから、ぜひそういう視点から、育成も図る、また、単なる競争原理の中で放置するということがないような施策を最後にお願いいたしまして、質問を終わります。
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河上覃雄#21
○河上委員長 松浪健四郎君。
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松浪健四郎#22
○松浪委員 おはようございます。自由党の松浪健四郎でございます。
 大臣の所信表明の演説をお聞きして、幾つかのことをお尋ねしたいと思います。
 大臣におかれましては、連日委員会がございまして、国務に精励され、お疲れのことと思いますが、日ごろの行動、発言に対し、敬意を表させていただきたいと思います。
 まず最初にお尋ねしたいのは、大臣の先ほどの所信表明演説の結びのところで、我々は自信を持たなければいけない、夢を持たなければいけない、前向きに未来を志向して生きていかなければならないというふうなお話がございました。それに関連するかどうかわかりませんけれども、一昨日の総理並びに官房長官の発言に、君が代と日の丸、これを法制化するというお話がございました。そして、既に政府はその動きに対応されているふうでございます。
 私は、長い間、若いときにスポーツ選手をやっておりました。胸に日の丸をつけて、世界選手権を初め何回も海外遠征をした経験がございます。常に、自分は日本人である、日本の国民であるという意識を持って外国で行動してまいりました。
 昨今、君が代を聞くというのは、ほとんどがスポーツの場面だけであります。例えば、大相撲の千秋楽であるとか、プロ野球の観戦の際の試合の始まる前であるとか、あるいはオリンピックの表彰式であるというふうに、そういう場面でしか国歌と言われる君が代を聞くことはありませんでした。
 過日、広島県の県立高校の校長先生が、国旗と君が代をめぐって教員の皆さんといろいろな議論をされた末に自殺をされるという悲劇を生んだわけでありますけれども、これが発端となって君が代と日の丸を法制化しようという動きでございますけれども、堺屋長官に、国務大臣として、これらのことについての御所見をまず伺わせていただきたいと思います。
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堺屋太一#23
○堺屋国務大臣 お尋ねの日の丸・君が代の問題は、経済企画庁の所管ではございませんし、当委員会の所管でもないとは思いますが、大変一般的な問題なのでお答えさせていただきます。
 既に戦後だけでも五十年余、日の丸が日本の国章として、国旗として外交的には通用しております。各国の国旗、国章に対する尊厳というのがございまして、それは日本の場合、日の丸と決まっております。
 また、君が代の演奏も、委員御指摘のように、スポーツの場面、あるいは国賓をお迎えするような儀式の場面ではずっと行われておりまして、現在までのところ、これについて外国から苦情が出たことは一度もございません。せんだっても、江沢民中国主席あるいは金大中韓国大統領等がお見えになりましたときにもその演奏がございましたし、これについて苦情が出たことはございません。
 そういう意味では、国際的には明らかにこれが国旗・国歌として容認されているといいますか、常識化していることは間違いない事実だと思います。そういう事実を日本の法律で認定していくのは一つの方法ではないか、非常に許容しやすい分野ではないかと思います。今さら法律で定めなくても、もう通っているじゃないかという議論もあるかと思います。
 また、国旗・国歌を定めることは国際的通念となっておりますが、では、これから日の丸・君が代にかわる国旗・国歌を国民投票をしてといいましても、それにかわる案があるかどうか、これも甚だ疑問だと思います。
 そういう意味でいえば、これを法制化する必要が今さらあるかどうかという議論は残るといたしましても、事実上これが国旗・国歌であるということは間違いない事実だと私は思っております。
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松浪健四郎#24
○松浪委員 けさ、グルジアの大統領が我が国にお見えになっているというあかしに、国会周辺ではグルジア国旗と日の丸がかかっておりました。何となくすがすがしい思いをしたわけであります。
 そこで、大臣にお尋ねしますが、大臣は日の丸を自分の家でお持ちですか。
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堺屋太一#25
○堺屋国務大臣 二枚持っておりまして、最近立てたことはめったにございませんが、この間、去年の春分の日でございますが、愛犬が死にましたので、一度立てたことがあります。
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松浪健四郎#26
○松浪委員 その日の丸、国旗をどこで買われましたか。
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堺屋太一#27
○堺屋国務大臣 私が買いましたのは、記章やカップなどを売っている店なんです。日の丸どこで売っていますかというのを百貨店で聞きましたら、各百貨店全部違うんですね。文房具で売っているところもあればふろしきで売っているところもあるんですけれども、私が買いましたのは、台東区の方の、優勝カップなどを売っているお店でございました。
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松浪健四郎#28
○松浪委員 大臣は、この日の丸の問題は当委員会とは関係がないとおっしゃられましたが、実は関係があるのはそういうことでございます。
 それで、日の丸・君が代、これを法制化していくということになりますと、一部報道によりますれば強制条項は設けない、これはやはり個人の思想、信条とかかわる問題だから強制条項は設けないということであります。私も結構だと思いますけれども、何と申しましても、私たち日本人は元旦に日の丸を掲げ、国民の祝日にも日の丸を掲げて、そして、いろいろなことに対し思いをはせるというのは、我が国の文化であり慣習でありました。そのことは大事にしなければならない。大臣の演説にあったとおりであります。
 そこで、法律的にも日の丸が国旗だということになりますと、やはり、強制はされないけれども、国民として国旗を買いたいな。これを一々、浅草の優勝カップ屋まで、旗屋まで買いに行かなきゃならない。私は、諸外国のようにもっともっと簡便に国旗を買えるようにすべきだと。
 ところが、申すまでもなく自由経済の我が国にありまして、国旗が売れるか、なかなか難しいかもしれません。としたならば、政府が法制化するのならば、政府が、例えばこの前の地域振興券のように国が、国旗が欲しいという国民に対しては、またその世帯主に対しては国旗を配布する、あるいはうんと政府が財源的措置を講じて、国がかなり補助金を出すというふうな考え方を持たなければ、私は国民が国旗を掲げようというような気持ちにならないのではないのか。だから、法制化するに当たっては、単に、する必要はないんだけれども一応するんだという程度のことであるとしたならば、情けない議論だと思います。
 そこで、お尋ねしたいことは、政府はそこまで考えているのか。やはり国旗というものを国民に持ってもらおう、そして掲げてもらおう、そういう思いがあるのか。そして、あれば、政府はどういう形で取り組もうとされているのか。これをお尋ねしたいと思います。
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堺屋太一#29
○堺屋国務大臣 外国へ行きますと、星条旗や三色旗が至るところに掲げられております。これは、その国の象徴として非常に風景としてなじんだ場面でございますが、日本で、特定の官庁、公共施設を除いては、国旗を立てていることはありません。私の大臣室にも、入った途端に国旗が後ろに立っておりまして、私が特に立てたわけではありませんが、既についておりますけれども、会社の社長さんなんかでも、国旗を背景にしている人は日本では非常に少ないようです。
 外国へ行きますと、社長さんのお宅にも立って、部屋にも立っておりますし、前に湾岸戦争のときには、自分の家族が、湾岸戦争に息子さんが出ている、お父さんが出ているという家は全部国旗を窓に立てまして、これが国民から非常に尊敬といいますか、とうとばれた状態がございました。そういう意味で、国旗というものは非常に重要なものだと思います。
 これを法制化して、政府が販売するというのはいかがなものかと思いますが、もっと買いやすい状態にし、また公共施設その他、国民がこういうものになじむような、国民運動といいますか、そういったものがほうふつとして国民の間から起こってくるような、そういう心理状態、社会的な心理状態ができてくれば私はいいことだと思っております。
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