田中眞紀子の発言 (日米防衛協力のための指針に関する特別委員会)

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○田中(眞)委員 与党にお入りになったら大変柔軟になられたなと思う部分と、それからまだまだこなれてないなと思うところとございますので、また閣内での御努力と濶達な議論を期待したいと思います。
 朝鮮半島の問題、それから対中国、対米という外交の問題ですけれども、日本とアメリカ、日本と中国、日本と朝鮮半島、南北トータルですけれども、これについて日本の政府がどのような考えを持っているか。内閣がかわるたびに一貫しているのはあいまいであるということでして、非常にわかりづらくなってきているな、こんなあいまいな、アンビギュアスなことでいいのかいな、いいわけないんですが、そのことを常々感じておりますので、外務大臣に伺います。
 要するに、朝鮮半島というものは、一九五〇年の朝鮮戦争が勃発して以来、日米安保ができて、そして冷戦が終えんして、湾岸戦争があり、北の核開発があり、テポドンがあり、今回のTMDがありというふうに五十年近くの間に推移してきているわけですが、日本は、私の個人的な印象ですが、どうもこの朝鮮半島の問題については腰が引けている、過去の経緯、歴史的経緯がもちろんあるんですけれども、いつもアメリカペースで引きずり回されてきているのではないか。本当の、真の隣国である日本としての毅然とした外交が、今、そろそろもう打ち出されていい時期ではないかというふうに考えております。
 例えば、先ほど来言っています二隻の侵犯船の問題について、これは結果的には逃げられてしまって、そして日本の政府が何かいかにもでっち上げでもしたかのごときプロパガンダを、逆宣伝をされていて、日本政府が抗議をしても、あんなものは効果がない、したということは証拠は残るという程度のものでしかなくて、隔靴掻痒であるというふうに思います。
 それからまた、KEDOの問題ですけれども、これは十億ドル日本が分担金として持っておりますけれども、これも、アメリカと日本がGDPを両方足せば世界の四二%も占めるほどの経済力がある国であるからというふうなおおような考え方もあるかもしれませんが、私は、そうではなくて、この問題、非常にデリケートな、難しい、大事な問題だというふうに思っております。
 それは、ついこの間も、査察に行ったIAEAでしたかアメリカでしたかに対して、北朝鮮側が言っているのは、炉心棒が紛失している、それを指摘されたときに、これは初めからついてなかったんだなんてばかなことを言って、そんなことはあり得ないわけでして、核の転用というふうなものを日本はどう考えてこの拠出金、分担金を出しているのか、この額の問題も。
 何か日本人が連れ去られたりすると、あるいは食糧問題で何かあったりすると、ちょっとしばらく凍結しようかなというようなことを言ってみたり、常にアメリカから後ろをつつかれているという感じで、日本の外交の自主性が感じられない。これについてぜひ伺いたい、日本と朝鮮半島の問題。どのような見通しを立てておられるかということです。どのような平和的な解決があるのか、統一について。
 二つ目は、中国外交の問題なんですけれども、これは御存じのとおり、TMDについては朱鎔基首相はすごくナーバスな発言をしていますけれども、アメリカはもちろん在外米軍の防衛のためであると。それから、日本も台湾のことを含むか含まないかは例によってあいまいなことを言っているわけですが、朱鎔基は台湾を含むのは絶対反対であるということを明確に発言しております。
 一九七二年から、国交回復以来、そのときからですけれども、日中の問題というのは台湾問題そのものなんですよね。そして、これだけ長い月日がたっていますけれども、朱鎔基は、このTMDというのは、台湾のきょうだい、すなわち自分のことを言っているわけですから、台湾というのは中国の密接不可分の領土であるということを言っているわけですから、それを日本も当然認めております、そうすると、台湾のきょうだいに対して日本やアメリカはミサイルを向けるのかいなというふうなことを言っているわけです。
 この台湾問題というのは本当に日本にいて余り感じないようなことですけれども、日中国交回復のときに既にこういう発言を当事者は言っております。台湾は非常に難しい問題であり、日中問題の大半は台湾問題だと言ってよい。そういう困難な事態を認識しながら日中国交を開くべく努力をしてきている。それから同じようなことを、中国問題は台湾の問題と不可分の関係である、台湾の処置を棚上げにしたまま中国問題と取り組むことは不可能である、したがって、内閣の仕事として一番面倒なのはこのことだということを発言しているのを私は、公式文書とそれから本人からその場で聞いたこともあるわけでございます。
 その後ずっと、二十七年ですか、時間がたっているわけですけれども、台湾海峡の問題がこの間ありました、一九九五年から六年にかけて。そのときに台湾でもちろん総統の選挙があって、そしてそれに対して中国はミサイルの演習をやり、米空母が二つでしたか行った。そうしたら、それが抑止力になって一たんおさまった。しかし、来春また総統選挙があるわけですから、そういう中で日本は中国に対してどういうメッセージを発信するのか。
 これは、いつもいつもその場主義的な、そうではなくて裏でちゃんと中国とも通じています、アメリカとも通じています、国会でだけは国民に対していいかげんなことを言っているだけですから御安心くださいということはおっしゃらないと思うんですけれども、そうであっては全く困るわけです。要は、私は、日本の外交というものが努力不足だというふうに思っています。もっと知恵を出して、腹を据えて、胸襟を開いて、相手の目を見て、中国に対して日本は物が言えます、その努力をしないでいたという感じが否めません。
 台湾は中国の領土の一部でありますし、これは絶対侵さざる事実であるということを踏まえて、台湾問題というのは、南北朝鮮よりも私はむしろ御しやすい面があると思います。
 というのは、今の世代、中国の新しい世代は、アメリカ等でもって教育を受けて帰ってきて経済、政治を動かそうとしていますから、その世代になればいいわけですが、その以前の方たちがまだおられる。そういうジェネレーションギャップがありますから、あと十年、十五年たったら相当中国の指導者の考え方も違ってきて、香港と同じような形で、もちろん法律の面での契約等はありませんけれども、台湾は自然な形で融和というか融合というか、統一をされていくだろうというふうな見通しを私は立てているんです。
 ですから、余り日本が極端なことを言わずに、むしろ日本が外交の面で言うべきことは、アメリカに対して台湾に武器を売るべきではないとか、それから独立をあおるような言動、行為をしない方がいいとか、そういう日本独自の立場での発言というものがあってしかるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

発言情報

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発言者: 田中眞紀子

speaker_id: 23495

日付: 1999-04-13

院: 衆議院

会議名: 日米防衛協力のための指針に関する特別委員会