中川昭一の発言 (農林水産委員会)

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○中川国務大臣 結論から申し上げますと、昭和三十六年当時の生産あるいは生活の都市と農村との格差の是正、あるいはまた食料の国民への供給といいましょうか増産といいましょうか、そういう生産サイドの、国民的貢献といいましょうか、役割を果たすということが基本的に明示されたのが基本法であったわけでございますが、先生御指摘のように、予測せざる部分があった。四十年近くの間に、特に自然相手、生き物相手、そしてまた世界との関係等といろいろございますし、またその予測せざる部分の一つが消費者動向というものもあったわけでございまして、そういう中で、今先生御指摘のように、生産性が向上いたしましたけれども、他産業の方がもっと、きのうちょっと申し上げましたように、マルサスとリカードの論争じゃございませんけれども、産業の生産性と農業の生産性との間のギャップが広がってしまったということが一つということでございます。
 またさらには、いろいろな消費者動向の変化というものもあったわけでございますし、ここ十年くらいを振り返ってみましても、平成五年のあの大冷害というような状況というものが国民あるいは生産者サイドに大きな衝撃を与えたと私は理解をしております。また、九三年に合意されましたWTO協定の内容というものも、やはり生産者の皆さんにとって、これはぎりぎりの選択であったわけでありますけれども、大きな国際情勢の変化と判断せざるを得ないというふうに考えております。
 したがいまして、いろいろな側面、生産政策、価格・流通政策あるいは構造政策、それぞれ成果があった部分、あるいはまた所期の目的を達成しないまま現時点に至っている部分等々があるわけでございますが、さらに加えまして新しい農業、農村の果たす役割、例えば、引き続きといいましょうか、さらに自給率が低下をし続けたという現状を考えますと、安定的な食料供給の責務というものが、生産者サイドだけではなくて国民サイド全体からもそのニーズが高まっておるというような状況、さらにはさまざまな農業、農村の果たす役割の達成といった環境面を初めとする地球的な規模でのニーズというものも当時は想定し得なかったわけでございます。
 したがいまして、現行基本法では対応し切れない、四十年という時代は、特にこの戦後の日本にとっては、ある意味では本当に、農政面だけではなくて、社会、国全体が劇的に変化をしたわけでございますので、そういう意味でいえば、四十年前の基本法をそのまま当てはめていいのかということは、これは所管外ではありますけれども、ほかの部分でもそういう議論が起こっても仕方がないぐらいに社会情勢が変化をしておるわけでございます。
 そういう意味で、食料、農業、農村に対する現時点での新たな考え方、そしてそれが中長期的に耐え得る、つまり、国民は安心して暮らし、特に食料を中心として多面的機能を享受できる、さらには生産者の方は、中長期的な目標あるいは夢を持って、自信を持って農業を中心とする農村での活動に専念できるというような体制にすべく、基本法を制定する。
 しかも、現行基本法は、他の農政上の法律との整合性というものが直接的にリンクしていないという実態面もございましたので、今回は、基本法を中心に据えて、関係法令もそれと整合性のとれたものを制定したり、あるいはまた改正したり、さらには基本計画に基づきまして我々のやるべき中長期的な行政的な責務を果たしていく。そしてまた、それを評価するというような新手法も導入して、先ほど申し上げた国民あるいは特に農業者、そして農村に住む方々にとっての中長期的な目標あるいは課題の解決、夢の実現に資するようにこの基本法を位置づけたいというふうに考えております。

発言情報

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発言者: 中川昭一

speaker_id: 18912

日付: 1999-05-19

院: 衆議院

会議名: 農林水産委員会