奥田建の発言 (本会議)
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○奥田建君 民主党の奥田建でございます。
私は、民主党を代表して、ただいま議題となりました中小企業関連二法案に対する質問に先立ち、昨日の中村法務大臣の辞任について、総理に質問いたします。
民主党は今国会冒頭より中村法務大臣の更迭を求めてきましたが、参議院での野党の強い辞職要求により進退きわまったものであり、時期を失した辞任と言わざるを得ません。総理は、大臣という重い公職を任命するに当たり、その職務に最もふさわしい見識、能力、品性を備えた人物を任命する義務を負っているのであります。
今回改めて明らかになったことは、中村氏のような人物を法務大臣にした上、更迭もしなかった小渕総理の任命権者としての不適格性について、改めて指摘したいと思います。小渕内閣発足以来、二人もの閣僚の辞任が出たことは、国民の政治への不信感を一層募らせる結果となり、総理の責任は極めて重いと思います。このことについて、総理のはっきりとした見解を伺いたいと思います。
初めての機会ですので、平成十一年度予算案についても、一点だけお尋ねいたします。
今、我が国は未曾有の不況に陥り、国民は不安な気持ちで毎日を送っています。右肩上がりの経済成長、官主導の経済システム、年功序列、終身雇用制度が揺らぎ、日本経済の仕組みそのものが瓦解しつつあります。政府が政策ミスを続け、経済危機を拡大したことは自明であり、政府の責任は極めて大きいと言わざるを得ません。
小渕内閣は、経済再生を第一の目標に掲げ、経済成長率実質〇・五%を公約とし、平成十一年度予算案を提示いたしました。しかしながら、大型予算案の提示にもかかわらず、早くも民間シンクタンクの多くはマイナス成長を予想しております。このような予想は外れてほしい、そう願うのはだれもが同じですが、IMF、世界銀行の九九年度予想もマイナスとなっております。行財政改革や抜本的な恒久減税を先送りした平成十一年度予算が成立しても、日本経済をプラス成長の軌道に乗せることは困難と考えます。
予算には三十一兆五百億もの公債発行が含まれております。効果的な薬も、副作用に注意して服用するのは当然のことであります。総理のおっしゃる未来へのかけ橋を渡るものが、大きな未来への負債とならぬように、大型国債発行に関するリスクに対する認識について、総理にお尋ねいたします。
現在の経済環境の中、中小企業は困難な状況に直面しております。生産、売り上げ、採算、資金繰り、どれをとってみても厳しいものです。ここ二年ほどの記録的な倒産、そういった環境の中で、自己の経営の苦労とともに、連鎖倒産の不安を抱える企業も多いかと思います。
昨年は貸し渋りといった言葉が生まれました。後半には貸し絞り、貸しはがしという悲鳴が上がっておりました。信用保証協会枠の拡大策などは、多くの中小企業の資金ショートを助けましたが、一部の金融機関のモラル低下による既存融資の差しかえ現象を発生させております。このような、法の精神をねじ曲げ、社会的使命を捨て去ったような金融機関への強い指導と監督を、政府にも要望いたします。
中小企業を中心に行ったことし一月の景況調査でも、一年前に比べ経営状態がよいという企業の比率から、悪いという企業の比率を差し引いた景況判断指数は、いまだにマイナス五八・九という結果が出ております。当然のことながら、設備投資についても、中小企業の落ち込みが顕著であります。
今般、政府が提出した中小企業経営革新支援法案は、中小企業政策の基本的理念を定める中小企業基本法と同じ年に制定された中小企業近代化促進法と、中小企業新分野進出等円滑化法を統合したものであり、従来の、組合を中心とした業種ぐるみだけではなく、個々の中小企業の経営革新を支援すること、あるいは外的要因によって業況が悪化した中小企業への支援を打ち出すなど、評価できる点もございます。
しかし、振興法の命は、企業にとって、いかに魅力的で使い勝手がよく、また多くの利用者に活用されるかという点にあるかと思います。この不景気を脱するに、今回提出の中小企業経営革新支援法だけでは力不足の感は否めません。まず、数ある中小企業振興法の中での中小企業経営革新支援法の位置づけ、そして予測する効果を、さらには、今後一層の制度の拡充を図るべきではないかといった点について、また、企業を取り巻く規制と税制についての、通産大臣の基本的な考え方をお伺いいたします。
次に、中小企業総合事業団の設立についてであります。
政府は、中小企業信用保険公庫、中小企業事業団、繊維産業構造改善事業協会を統合して、中小企業総合事業団を設立する予定でありますが、中央省庁の統廃合と同様、切った張ったの機構いじりとの印象が否めません。人員も資本もほとんど変わらず、異なる業務を行っている団体を統合し、その業務は当分の間引き継ぐ、そういった内容には方向性が見えません。
施策の総合的推進を目的とするとはいえ、組織統合の必要性とメリット、統合を機にどのような中小企業支援策やサービスが強化されるのか、そして中期的な組織規模、予算、業務に関する方向性といったものについて、さらには、行政改革に沿った統合であるのかどうか、通産大臣の御答弁を願います。
民間では血のにじむようなリストラ、合理化が行われています。そのことを政府は忘れてはなりません。通産省は、企業活動の効率化を常に指導している省庁でもあります。効率化は目に見える形で国民に示していただきたいと考えます。
続いて、新規事業、ベンチャーの育成についてであります。民主党は、新規事業、ベンチャー企業の創造を産業政策の最重点に位置づけています。政府提出の法案にも、昨年の国会で成立した新事業創出促進法に結びつけて、ベンチャーにかかわる助成金交付事業や組合出資事業が盛り込まれていますが、まだまだ不十分であります。
昨年、政府が創設した中途半端なものではなく、可能性調査、試作品作成、あるいは商業化と、順を追ってハイテク中小企業を支援する、本格的なSBIR制度を創設すべきであります。さらに、国立大学教員に民間企業の役員を兼務することを認めるなど、技術創生につながる可能性を生み出す施策を講じるべきであります。こうした提言にどうこたえるのか、通産大臣にお尋ねいたします。
民主党の提唱を退け、政府がエンゼル税制の拡充を見送ったことも納得できません。新規事業の創造が目覚ましいアメリカでは、エンゼルと呼ばれる資金の出し手が育っております。平成十一年度予算編成前にエンゼル税制の拡充を主張しておきながら、これを実現できなかった通産省の責任も重いと言わざるを得ません。大蔵省に抑え込まれたとおっしゃるおつもりでしょうか。エンゼル税制拡充について、通産大臣の御見解をお伺いいたします。
また、新聞による若者の意識調査よれば、出世などは望まず、平凡で苦労のない普通がよい、そういった意識傾向があらわれているそうです。ベンチャーやアントレプレナーといった起業を推進する政策の中で、資金支援策と並行して教育や啓蒙、そしてベンチャーキャピタル市場の形成といったものに対して、どのような対策を講じていくのか、通産大臣の御説明を求めます。
最後に、繊維産業対策についてであります。
今回政府が提出した二法案の枠組みでは、ことし六月をもって繊維産業構造改善臨時措置法が廃止され、構造改善事業は中小企業経営革新支援法、繊維産業構造改善事業協会は中小企業総合事業団法で扱われることとなり、これまで繊維産業に特化していた施策は、総合的な中小企業対策において講じられることとなります。もはや特定産業ごとに対策を講じる時代ではなく、こうした改正は当然のこととも考えます。
しかし、繊維産業は二百万人を超える雇用を吸収している地場産業であり、すそ野の広い多くの中小企業に支えられております。繊維産業が衰退することがいかに地域経済を疲弊させ、勤労者の生活を脅かすかという事実を、政府は重く受けとめるべきであります。
今繊維産業は、国内消費の冷え込み、アジア諸国からの輸出圧力の高まり、金融機関による貸し渋り、あるいは為替相場の変動、雇用調整など、さまざまな苦難にあえいでおります。繊維産業構造改善臨時措置法の廃止後も、繊維産業が十分な支援策を受けられるのか、通産大臣への答弁を求めまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕