若松謙維の発言 (本会議)

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○若松謙維君 公明党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました中央省庁等改革関連法案について質問させていただきます。
 今や我が国は、経済の高度成長とキャッチアップの時代を終え、成熟経済の段階に至っています。高度成長の時代には有効であった行政運営と行政のあり方が、現在は逆に、市場・民間経済の健全な発展を阻害し、海外からは不公正なシステムとして非難を浴びる結果となっており、我が国は果たして二十一世紀に生き残ることができるかどうかという瀬戸際に立っていると言わざるを得ません。
 もはや、国と地方を通じての行政改革は、二十一世紀を目前にしての政治全体に課された課題であり、私たち政治を預かる者一人一人が国民に答えを出さなくてはならない段階に至っております。その意味で、行政改革にただ反対を唱えることは許されず、各党各会派が胸襟を開き、真摯に議論し合う中で、たとえわずかな歩みであっても、前進をしなければならないと考えます。
 私たち公明党・改革クラブは、昨年提出された中央省庁等改革基本法案については、当時、平和・改革で幾つかの問題点を指摘し、反対をいたしました。しかし、我が会派が提案し、多数決によりこの法案につけられた附帯決議の視点から今回の法案を見ますと、基本法案の段階から幾つかの重要な改善点が見られました。
 その例を挙げますと、一つには省庁の包括的な権限規定が削除されていること、二つ目には行革顧問会議が設置されたこと、三つ目には行政評価という新しい視点が導入されたこと等であります。
 しかし、これらの点については評価しつつも、不十分、不明確なままに終わった課題も多々見られますので、以下、具体的な諸点について大きく八項目に分けて、順次お伺いいたします。
 第一点目に、内閣官房と内閣府について質問します。
 新設される内閣府の、各省の政策を拘束する位置づけ及び関係性が明確ではありません。これを明確化し、さらに各省間調整を可能とするように、内閣法改正、内閣府設置法、各省設置法及び国家行政組織法改正に明記する必要があると考えますが、総務庁長官の答弁を求めます。
 次に、経済財政諮問会議などの内閣の合議機関が有名無実化しないよう、民間の専門家、各省の人材の結集など、方針決定機能の強化と体制の透明化を図るべきと考えますが、総理大臣の答弁を求めます。
 さらに、具体的には、従来のようないわゆる族議員による予算の獲得競争や、一種のシーリング手法を脱却できず、時代の変化に的確に対応できなくなっている予算編成を抜本的に改革するために、国の財政運営や予算編成の基本を決めるとされている経済財政諮問会議で決定された予算編成方針を、内閣として尊重しなければならない義務を負うのかどうか、総理大臣の答弁を求めます。
 第二点目に、各省設置法案についてお伺いします。
 これらの法案に規定される所掌事務規定は、あくまで各省の境界線を示す機能を果たすものであり、包括的な権限規定を含んではいないと理解しますが、総理大臣の明確な答弁を求めます。
 さらには、各省政策の共管部分についての調整の仕組みを内閣法及び各省設置法に明記するとともに、環境対策等の規制の強化及び緩和など、政策の方向性が相反する行政施策が一つの省庁に混在する政策課題については、再度所掌規定の見直しを行うべきと考えますが、総務庁長官の答弁を求めます。
 今回の中央省庁再編は、二十一世紀に向け、将来の日本や世界の直面する課題に即応できる中央行政組織をつくり上げることが目的の一つであります。
 地球規模で見れば、温暖化やオゾン層破壊、そして生物の多様性の喪失などが地球的課題となっており、身近な問題では、生命の存在基盤を脅かすダイオキシン問題など、人類の英知を集めて解決しなければならない問題が山積しており、早急な対策が国際的に必要となっております。その意味からも、私たちが住むこの地球の環境を守っていくという視点を持った行政組織をつくり上げるのが、今回の行政改革に課せられた大きな課題の一つとなっております。
 この観点から、環境省の創設は評価しますが、現在の環境庁が環境省へと看板のかけかえに終わらせることなく、国際的な交渉と国内的な対策の実施という両面から、環境省の所掌範囲を拡大するとともに、強力な環境行政を推進し、化学物質行政、リサイクル行政、省エネ行政等の問題についても、環境省を環境保全の観点から強力な調整権を持つ組織にすべきと考えますが、総理大臣の御所見を求めます。
 このことに関連し、長年財政赤字を出してきた林野庁の、木を育て材木を売って生計を立てるというような旧来の森林行政は、昨年秋に成立した国有林野事業改革関連法により、公益的機能の維持増進を重視する方針に転換することになりました。これは私の個人的な考えですが、これをさらに一歩進めて、自然保護を第一義として国土保全の目的に限定した上で、林野庁を環境省に編入すべきと考えますが、この点について総理大臣の御見解をお伺いします。
 また、ここで環境問題に関連して、総理を初め全国会議員の皆様に提案を申し上げたいと思います。
 私の事務所は、世界で初めて、国会議員の事務所としてISO14001、環境マネジメントシステム規格認証取得の申請をし、四月二日に予備審査を受けました。そして、六月の本審査を経て、八月にはISO14001の認証取得の運びとなっております。
 ISO14001の認証取得に当たって、若松謙維事務所が定めた環境基本理念は次のとおりです。聞いてください。「若松かねしげ事務所は、政治活動および永続的に活動する事務所業務において、地球環境保全が人類共通の最重要課題であることを認識し、環境に対する意識と環境保全を増進する政府・政府間および産業界の計画や教育プログラムの公共政策の策定に寄与するとともに、事務所内の省エネ、省資源、リサイクルに積極的に取り組み、地球環境を守る」というものであります。
 そして、この基本理念に基づいた作業を進め、私どもの事務所のCO2の排出量を計算しましたところ、私どもの事務所の政治活動すべてにおける二酸化炭素排出量は、平成十年度では六千六百二十四キログラムカーボンと判定しました。今後この排出量を減らす綿密な計画を策定中です。ちなみに、ガソリン使用量は、平成九年の五千八十八リットルを平成十年には四千七百二十リットルに減らし、二酸化炭素換算で二百三十四キロカーボン、前年比約七%削減することができました。
 環境改善は、環境負荷を把握し、負荷を減少する環境管理システムなしには、単なるかけ声だけに終わってしまいます。国会議員として環境問題を取り上げるならば、まずみずからが環境保全の意識を高めようと、今述べた理念のもとに、ISO14001の認証取得に挑戦したのであります。このISO14001は企業や地方自治体で取得が進んでおりますが、全国会議員事務所、特に総理大臣の事務所、さらには全省庁もこれに挑戦すべきと考えますが、小渕総理の御見解を求めます。
 第三点目に、行政評価について質問いたします。
 今回の法案では、総務省の所掌事務として行政評価を行うこととしておりますが、単なる所掌事務として行政評価を行うのではなく、仮称行政評価法を制定し、法律的な取り扱いのもとに政策・業績評価を行うこととし、さらに、内閣の責任によるチェック体制を明記すべきと考えます。また、この行政評価法に基づき第三者行政評価機構を総務省に設置し、各省担当の監察総監を任命することとし、その委員を公募する等、第三者評価を実効あるものとすべきです。
 例えば米国では、一九九三年に政府実施結果法、ガバメント・パフォーマンス・アンド・リザルツ・アクトによりまして、社会保障省が初めて一九九八年度の行政評価報告書を作成し、外部から採用された監察総監の責任のもと、省として詳細な目標と結果を報告しております。この点についての総理大臣の見解を求めます。
 第四点目に、国家公務員の定員削減について質問します。
 国家公務員の定員は、基本法では、十年で一〇%以上の削減となっておりましたが、与党合意によって、十年で二五%の削減が決められました。これらの合意を実あるものとするために、この削減率二五%の具体的な削減計画を法案化すべきと考えますが、総務庁長官の答弁を求めます。
 また、これらの削減計画とあわせて、局長及び課長のポスト削減による人材活用策を策定し、必要のない分掌官の任命を行わないこと、さらには、省庁統合の人事配置においては、いわゆるたすきがけ人事の禁止などを法律に明文化すべきと考えますが、総務庁長官の御見解をお伺いしたいと思います。
 第五点目に、独立行政法人についてお伺いいたします。
 今回の法案を見ますと、一度設立した独立行政法人の見直しや解散の規定が明確ではありません。私は、今後新設される独立行政法人の中期計画終了時における存廃、民営化の決定基準を策定するとともに、解散規定を明確化すべきと考えます。また、独立行政法人職員については、第二国家公務員としての位置づけと定義を明確化するとともに、全職員の非国家公務員型の割合を当面五〇%以上とする目標を通則法に明記すべきと考えますが、これらの諸点について、総務庁長官のお考えをお伺いします。
 第六点目に、特殊法人の問題についてお伺いします。
 独立行政法人通則法案を見ますと、今回新設される独立行政法人については、有識者から成る第三者機関の独立行政法人評価委員会を置き、業務の評価等を実施することになっております。一方、特殊法人の業績評価については何ら触れられておりません。
 今回の独立行政法人化の対象事務事業を予算規模で見ますと、約一兆六千億円、人員は約七万四千人と言われております。それに対して、特殊法人の予算規模は、平成十一年度で、一般会計からの補助金が約二兆一千四百億円、財投資金が約三十六兆六千六百億円投入されることとなっており、人員は約四十八万二千人となっております。このように、予算規模、人員とも独立行政法人をはるかにしのぐ特殊法人を、何ら業績等の評価はしないままにほうっておくことは、許されることではありません。
 私は、独立行政法人の通則法と同じように、特殊法人の通則法もあわせて制定し、特殊法人のあるべき原理原則を固めた上で、先ほども若干触れましたが、行政評価法の制定を図り、この法律に基づいた、仮称特殊法人業績評価委員会を総務省に設置すべきと考えます。そして二〇〇四年度までに、見直し、民営化、事業の整備縮小、廃止、独立行政法人化など、組織、業務内容等の変更を検討して、国会に報告すべきと考えますが、総理並びに総務長官の御所見を賜りたいと思います。
 最後に、中央省庁再編にも深く関係する、地方行財政改革関連の質問をさせていただきます。
 まず、地方事務官制度についてお伺いします。
 今回の地方分権一括法案で機関委任事務の廃止をしたことについては評価をいたしますが、さらなる地方分権推進の観点から、さらに国の直接執行事務から自治事務への移管を進め、または国の直接事務と整理するにしても、住民に身近なところで法定受託事務とし、これを直接担当する公務員は地方公務員とすることこそが、中央省庁改革と地方分権の趣旨にかなった措置と考えますが、総理並びに自治大臣の答弁を求めます。
 次に、地方行財政改革についてお伺いいたします。
 中央省庁の行革はようやく緒につきましたが、地方の行財政改革は全く手つかずであり、地方財政の破綻が懸念されております。現在設置されている地方分権推進委員会も、大変な努力をされておりますが、残念ながら、税財源問題には何ら踏み込んではおりません。
 この状況を打開するために、地方分権推進委員会を発展的に解消し、中央の行革とあわせて、地方の行財政改革を総理のリーダーシップのもとに強力に推進するための、地方行財政改革会議を内閣府に設置する必要があると考えます。そして、そこでは、税財源問題とともに、行財政改革に資する市町村合併の推進や、将来の地方自治体のあり方を含めた抜本的な地方行財政改革を検討すべきと考えますが、総理の御所見を賜りたいと思います。
 いずれにしても、中央省庁改革と地方分権は車の両輪でなければなりません。今回の両法案の提出については一定の評価をすることはいといませんが、今回のこの法案審議の過程においては、各党の前向きな意見には真摯に耳を傾け、尊重していく政府・与党の姿勢こそが、平成の大改革実現への第一歩であることを指摘して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕

発言情報

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発言者: 若松謙維

speaker_id: 28195

日付: 1999-05-18

院: 衆議院

会議名: 本会議