木島日出夫の発言 (本会議)

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○木島日出夫君 私は、日本共産党を代表して、一九九九年度一般会計補正予算及び特別会計補正予算に対し、反対の討論を行います。(拍手)
 反対理由の第一は、緊急雇用対策として提出された本補正予算案が、完全失業者三百三十四万人、完全失業率四・六%という戦後最悪の深刻な失業状況をもたらし、大きな社会不安を招いている最大の原因である大企業のリストラ、人減らしや異常な長時間過密労働の規制に対して全く無策であり、逆に、これを歓迎し、促進し、援助する小渕内閣の産業競争力再生政策と不可分一体のものとなっているということであります。
 東京商工リサーチの調査でも、この三年間で、東証一部上場企業だけで五十一万人が削減され、その間、完全失業者は三十八万人ふえているというこの事実が示すように、大企業によるリストラ、人減らしの横行が、深刻な雇用喪失の根源であることは明白であります。ところが、小渕内閣の雇用対策には、この肝心かなめの対策は全くありません。
 その理由は明白です。小渕内閣の産業競争力会議に参加する財界代表の発言、例えば今井敬新日鉄社長、経団連会長、企業に必要以上の労働力を抱えたままでは大競争に勝てない。牛尾治朗ウシオ電機会長、経済同友会代表幹事、雇用は放出するという方向にならざるを得ない。奥田碩トヨタ自動車社長、失業率が五%を超えるのは必須、政府はどう対応するかを国民に示すべきだ。これらに明らかなように、小渕内閣の雇用、経済政策が、こうした大企業、財界の要求のみを代弁するものになっているからであります。
 労働者の雇用を大切にせずに、経済の回復、発展も産業再生もあり得ないことは明らかです。政府自身、労働白書で、失業率は一たん上昇すると下がりにくい性格を持っていることを考えると、一時的にではあっても大幅な上昇を容認することには問題があると指摘しているのです。
 財界、大企業が言うように、現下の我が国は過剰雇用の状態などでは断じてありません。職場では、労働者は過剰どころか、ぎりぎりの人員に絞られ、仕事の密度は強まり、長時間労働に追われているのが実態です。日本の労働者は、ドイツやフランスの労働者に比べて、年間三ないし四百時間も労働時間が長く、しかも、サービス残業が年間二百七十五時間もあると推定されています。社会経済生産性本部の試算でも明らかなように、こうした残業をゼロにするだけで二百六十万人の雇用が生まれ、違法なサービス残業の解消で九十万人の雇用が必要となるのです。
 このような大企業の身勝手なリストラ解雇を規制し、失業の拡大を抑えることを深刻な雇用情勢を打開する基本に据え、その上で、残業等の規制により、新しい雇用を創出することが今緊急な課題であります。(拍手)
 反対理由の第二は、総額五千百九十八億円に上る本補正予算案の掲げる雇用対策では、政府が看板に掲げる七十万人以上の雇用創出達成の保障は何もなく、雇用創出は絵にかいたもちでしかないことです。
 対策の一つに、昨年十一月に、一九九八年度第三次補正予算として創設した緊急雇用創出特別基金六百億円に九百億円を積み増しするものがあります。新規・成長の十五分野で中高年の非自発的失業者等を前倒し雇用する企業に対し奨励金を支給するというものです。しかし、これが発動された沖縄での雇用創出は、五カ月間でわずかに三十二人にすぎませんでした。逆に、この間、失業者は全国で五十万人も増加しているのです。これでは、政府が見込むこの施策での三十五万人の雇用創出の保障はどこにもないことは明白です。
 二千億円の緊急地域雇用特別交付金は、一両年を限度とする施策であり、また、二千三億円の少子化対策臨時特例交付金は、わずか単年度の施策です。このような極めて短期の施策で、現在の深刻な失業状況を打開し、安定的な雇用拡大を期待することなど到底できるものではありません。
 今、雇用対策として緊急に重要なことは、国民生活につながる自治体での雇用問題に正面から取り組むことです。介護が必要なすべての高齢者にサービスを提供するための二十五万人のホームヘルパーを生み出すこと、三十人学級実現のための十万人の教員の増員、消防基準よりも六万人も不足する消防職員の確保、そして、四万人を超える保育所待機児童の解消のための保育士の大幅な増員等が急務であります。
 日本共産党は、大企業のリストラ解雇規制、サービス残業、長時間労働の規制、介護、教育、防災など必要な公的分野での雇用創出の三つの柱での緊急雇用対策の実現のために全力を尽くす決意を述べて、一九九九年度補正予算に対する反対討論といたします。
 なお、民主党提出の組み替え動議は、ホームヘルパーの拡充や保育士の増員など評価する部分がありますが、我が党と政策的見解を異にする部分もあり、賛成いたしかねることを付言して、討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 木島日出夫

speaker_id: 3656

日付: 1999-07-15

院: 衆議院

会議名: 本会議